60階層 白死の樹海
ゆーくり、ダンジョン攻略&ギルドランク上げに挑み1ヶ月がたった。
とくに攻略に詰まる様なこともなく、60階層に着いてしまった……
今現在、全ダンジョンで攻略が確認されている階層は、ダンジョンの評価で、難しい、難しくない、
に関わらず、86階層が最高だ。
それも100人を越えるパーティーを組んで、半年間とゆう時間を掛けてだ。
つまり、なにが言いたいかって言うと。
おねーさんに、「さっさとクエスト数と素材の売却数、をこなしてSランクになってください。」って催促される毎日をおくってます、白夜です。
「そんな訳で、 今回はダンジョンを攻略してこうと思います。」
「イエス。全く昇格する気がないようで草。」
「くさーー!」
やめなさい、それじゃ、おれが臭いみたいじゃないか。 いい匂いだよ、多分……
……しかし、毎日毎日、ダンジョン攻略ばっかしてるおれが言うのもおかしいけど…
「飽きない…? 大丈夫? 」
こんな趣味に付き合って貰わなくても大丈夫だよ?
おれがそう言うと、嫁二人にやれやれ、みたいな表情された。
「旦那様は……はぁーーやれやれです。」
「はぁーーやれやれーー」
呆れられた。
「えぇ……」
「まったく、そんな下らないことを言ってないで、行きますよ。まったく。」
「まったくー」
えぇ?
獣のダンジョン、第60階層。
凍える森
真っ白な雪原、天を覆い隠す白銀色の木々。
素足で歩けば、刹那と立たず大地に皮膚を持っていかれ。
汎用な靴では一刻と持たず凍りつき砕けるだろう。
呼吸をすれば肺は凍り。
体力は奪われる。
停まれば死
進めば死
襲い掛かる、生命不活動領域。
脅威はそれだけじゃない。
その環境に適合してしまった獰猛な生物、を模した偽りの生命。
それらが襲い掛かるのがこの第60階層
調査の末に付けられた名は……
──白死の樹海
今日もその地は、りんりんと静かに死の音色を奏で
時折ラッパの音が響き渡る




