鑑定……壊れた…か?
風を裂くような爪を避け、がら空きの胴に刃を差し込み引き斬る。
命の終える瞬間、最期の力を振り絞り此方を噛み千切ろう迫る首を避ける。
「数が多い…」
なんだ、この多さ、スライムより多いだが?
「跳ねベアーは元からこんなものですよ。」
「そーなの?」
「イエス。」
空中から迫り来る五頭の熊を斬り伏せ、白夜は、魔法で熊の胴体を吹き飛ばす智核に聞く。
「熊、と言えば番や親子、でなければ群れない印象を受けますが、少なからず跳ねベアーは大所帯で群れますよ。 ちなみに群の長は女性が多いです。」
原因はしりませんが。と付け加える智核に、ほーなるほど、そんなもんか。と、モンスターの習性に理由や原因を求めない白夜は納得し頷く。
そんな中、とてつもなく重い打撃音と共に、少女のうんざりとした様な声が聞こえてくる。
「もーー!!多い!!弱い!!」
ふふ、常世は多い敵とやるより強い個とやりあう方が好きだもんな。
「そうだな、じゃあ終わらせるか。」
「うん!!」
そう常世と白夜が頷きあうと、白夜は魔力を刀に込めだし、常世は足へ魔力を込める。
「《夜叉・連刃》」
白夜が放つのは刀術Lv6の武技だ。
黒い魔力を纏った斬撃が12回 地上を走る
そして地上にいた羽の生えた熊の群を一掃する。
残るは空中に飛んでいた熊だけだ。
「めーてーおーーー!!すたんぷーー!!」
その残りも隕石の様に、天から降ってきた常世に
肉片へと変えられた。
じゃー次の階層へーと思ってたとき、山の中に、多分宝箱があると、智核が言ったので。
来てみれば
「ほんとだ、宝箱。」
信じてなかったわけではないが。
楽しみたいから世界の知識無しじゃなかったっけ?
その思考を読み取ったのか聞かれる前に耳元で呟いてくる智核。
「 」
やめ、このっ息吹き掛ける必要あった!?
真っ赤になっている自覚のある白夜は赤くなった耳を抑えながら後退する。
「イエス。」
あるのか…… 盗聴……ダンジョンコアに会話を聞かれてるとか、か?
「旦那様の御尊顔を赤面させて、私が楽しい。」
「ふっ。そんなこんだと思ったよ……!!」
薄々しってたさ…!
「うひぃ!?」
「わふふふふふふ」
今度は常世かよ!?
「「いい反応しますなーー?」」
真っ赤になった耳を抑えながら俺は誓う。
この邪智暴虐の二人を夜に絶対仕返しシテヤルと。
そしてソレを目当てだとしらぬアホは次も弄られる。
「「「……?」」」
なんだこれ?
・熊の篭手
防御力3000%UP
スキル・ぷにぷにLv5
魔力導通・100/90%
こんな鑑定結果だっけ?アイテム鑑定すると、違うよな……?




