獣のダンジョン 20層
今日の目標は取りあえず、ランクを一つ上げること、かな、ダンジョンの突破階層的にランクを上げる条件はほぼ揃ってはいるけど、素材の売却数とクエストの数が足りなかったっぽいから
今日はクエスト獣のダンジョンでクリア出来そうなモノを片っ端から取ってきました。
後はこまめに素材を集めるだけだな。
「ふっほぼ完遂していると言っても過言じゃない。」
一つの大部屋で、白夜はニヤリ、と笑い呟く。
後の問題は……この遊びを交えた調査、参加人数が増えそうな事だけだな。
一人で調査しててきとーにランクをSまで上げて、なんてやろうと思ってたからソロでやっていく計画を立ててたから新しく考えないとなぁー
『ォォォオオオオオ!!!』
あ、そうゆえば獣のダンジョン20階層のボス戦中だったっけ。
智核と常世の連携が凄すぎて此方にタゲが向かないから忘れてた。
「あるじーー!! ごめーーん!! ぶん殴ったら飛んじゃったーーー!!」
流石にタゲが此方に向いたのかと思ったけど、飛び掛かり攻撃じゃなくて殴り飛ばされて、此方に飛んできただけか。
「気にすんなーー!」
サボってた俺が悪い、 さてこの大きな狼さん、このまま落ちるのと同時に引っ掻き攻撃かな?
ぽいな、 パリィ……よりこっちかな。
呑気に突っ立っている白夜に、巨狼の爪が襲いかかる。
それに対し白夜は腰にある、刀に手を置き、手を置いた刀を、剣に、変化させ薄く微笑む。
「【剣術】《返し斬り》」
防御力依存のパリィじゃなくて、Lvが低いうちは相手の攻撃力によって威力がかわるこっちだな。
攻撃の無効化と反撃ができる優れものの武技、使い勝手がいいんだよな。
巨狼の爪が白夜に触れるのと同時に、
巨狼の腕が裂け血が溢れだす。
そして側には剣を振り抜いた姿勢の白夜、手に持つは抜き身の剣、いつ抜いたのか、いつ斬ったのか。
白夜の抜刀は相も変わらず、ステータスが高かろうと低かろうと、智核や常世の目には映らない。
「へいパスです、旦那様。」
「ぱーーす!」
「おーけー、 ほい。」
そんな気の抜けた声と共に、撃たれた蹴りは巨狼の骨を砕き、巨狼の巨体は、まるでボールの様に弾かれる。
弾かれた先には拳を構えた常世
ありは、《滅拳》か、確か2秒の溜めが必要の代わりに馬鹿みたいな威力の出る殴り攻撃だよな。
確か、前実験したところ、力に20000%(小数点捨て)の倍率を乗せた威力の攻撃だったけ。
HPの削れ具合から、そんくらいの威力はあったな。
───ドンッ!!!!
階層が揺れる、飛んできた巨狼の顔面を、常世が殴り、そのまま地面に殴り倒した衝撃が階層に響き、揺れた音だ。
「おお、エグいな。」
あ、空中に紫色の大剣が3本浮かんだ、オーバーキル気味だな、 ……3本の剣ありゃトラップ魔法か
たしか、《三剣の猛毒》だっけか。
その後、狼は立ち上がる隙もなく、刺されておしまい。 討伐まで大体……8分か、はやいほうかな。
なんて白夜は思っているが、 早いなんてものではない。
20階層のボス 《巨獣の戦王》
一軒家を越す巨大でありながら、風のような速さ
そして戦車の装甲を切り裂く鋭い爪、そして大岩を噛み砕く顎、姿を隠すことに特化した職業を嗅ぎ分けることの出来る嗅覚。
このモンスターを討伐したいなら、5人パーティーを4組揃え、そして朝から晩まで戦い続けてなんとか……
そんな領域の話だ。
ステータスの数値が違う? 否、他と比べても平均……速さや器用、魔力が他より高いくらいだろう。
では何故……?
技術だ、走りの技術、それだけでステータス以上のスピードを出せる
殴り方、魔力の操作技量、剣術、その全てがステータスが平凡だろうが異常を引き出す。
モンスター以上のスピードを、力を、魔力を。
それが白夜達と他の者の差だ




