たまには男同士、ぶらり買い物
ある街中、そこには大厄災を迎え乗り越えてなおも、人の活気に溢れる場所があった。
ダンジョン区。30─9
大厄災以降、世界に突如として現れたダンジョン、
初めは自衛手段を確保するためだけの場所とされていた、ダンジョン。
だがダンジョン内部の研究が進むにつれて、その認識は覆された。
新たなエネルギー源、それの発見だ。
ダンジョン内部に蔓延る、モンスターと呼ばれる
生命体、その死骸から取れる奇妙な美しい玉
それがエネルギー源として”使える”そう発見された事により、ダンジョン探索は今人気No.1の仕事とされていた。
そしてこの30─9と名付けられている町は、この周辺に9つのダンジョンが密集している、希少な街だ。
だからこその賑わい。
そんな街の一角で視線を一人占めにしている者がいた。
モデルの様なスリムな体型、そして何処か気品溢れる佇まい、
さらには見るもの全てを魅力する例えるならそう、現実離れした女神の様な顔立ち、睫毛は長く、肌は健康的に白く、その顔に掛かるように流れる白い白い髪はよりその人物を輝かせる。
そんな者が時計を背に、一人腕を組み、立っている。
撮影かっ?と騒ぎ立てる周囲のもの達。
そんな人物に今近付く五人組の不良の様な風貌の青年達
「おい、あれやべぇんじゃねぇか?」
「うっわ、五色じゃん」
「ちょ、誰か警察かギルドの人呼んでこいよっ」
大厄災以降、町は賑わいを取り戻し何時もの。と言っていい程に急激な復興を見せた人類、
だが問題がないか、そう言われればそうではない。
それは”力”他者を余裕で殺め、そして押さえ付けて余りある力を一般人が手に入れてしまった。
それを野放しでほっといているわけではないが、どうしても馬鹿は一定数いるもので、こんなステータスなんて無かった時代からでもナイフを人が手に取れば、自制が効くものも要ればそうでないものもいる、 とゆうことだろう。
「ねえねえ、お姉さん一人?」
「てか一人だよね?」
「俺たちと飲み行かない?」
「ばっか!俺達の誘い断るヤツなんていねぇだろ?」
「「「それもそうかっ!はははは!!」」」
「こらこら、皆お姉さんが怯えてしまってるよ」
その後も青年達の喋りは続いていく
全くスマホから目を離さない絶世の美人を囲いながら。
さて、ここまでで皆様には、ヲチが見えた事だろう。
まず、ナンパ?脅迫?しているその絶世の美貌をもつその人………女性じゃありません。理不尽です。
無視していません、気が付いてすらいません。
ゲームの周回中です。
そんな彼らを遠目にビルの上から10人のスナイパーライフルを持つ者達がスコープを覗き込んでいた。
「撃ちます?」
「いや、まだだ、手を上げる、またはスキルの使用、魔力が感知できたら射殺する」
「「「「了解。」」」」
ギルド法律、何条かあるなかで、一般人、またはスキルの使用をしていない者に暴行を働いた場合、その場の状況、ランク、事情を記録。後に罪状が決定される。とゆうものがある。
これはあるシステムを何重にも絡めたモノを使用しているため、不正が行われた事がない。
今彼らの罪状はランクの没収、スキルの剥奪、そして死刑が決定されそうになっている。
この判決に反対する者がいないのか?いるにはいる。だが大厄災を乗り越えた殆どの者達が声を揃えて言う。──仕方がない。
大厄災でもっと酷いものを見て経験している者達からしたら、悪いヤツ、法を守らないヤツらの頭が弾けようが、グロいなっ。程度でしかないのだ。
「────────っ!!!」
「─────っ!!!」
「────!?」
なんか、雑音が消えた。
「お、そうたにぃ、やっほー」
目の前には胡散臭いイケメンが、そうたにぃだ。
「なんや、しろくん何時からいたんや?」
たしかー、
「一時間くらい前……かな?」
「そら、またしてもうたな、ほんまごめんよ」
全く、胡散臭い顔して真面目だなー
「いいって、おじいちゃんの用事でしょ?何時もごめんね、うちのが。」
「あはははっ、いいねんいいねん、こっちもたのしいしさかい(今日はなんや、孫とお出掛けだとっ!?行かせてたまるかっ!!儂がいくっ~~ーーっっ!!とようわからんキレかたしとったけど)」
なんかうちのおじいちゃんがとんでもない迷惑かけてる気がする。
「ごめんねぇそうたにぃ」
「気にしなはんな、ほれ行くでー」
ほんとそうたにぃはお兄ちゃん属性高いなー。
笑いながら歩く美男美女?
その後ろには手足が折られ、ゴミのように転がされる五人の姿があった。
痛みからうめき声しかでない様子の五人、白夜と宗太が去った数分後、十人の武装集団が五人に手錠を嵌め何処かに担ぎものの数秒で撤収してったそうな。




