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俺が理不尽です  作者: セロリM
超越者

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迷子


禁術──迷子 迷子とゆう概念にのっとり作られた傍迷惑な魔法術式

効果、とにかく迷子にさせる道はもちろん、精神、概念すら

だが迷子とゆう特性上、手を引っ張ってくれる誰かが居れば迷子にならなくなっている

また一説によればこの禁術は、道を迷わすのではなく、精神を迷わせ、現実で迷っていると迷わせているのでは、と言われている

───禁書、禁術迷子についてより」


「なんだいきなりネットのwikiを丸暗記するような事をして、それより大分マイナーな物をだしてきたな」


「いや~、そろそろこの試験も終わりかなって」



ん?ああと頷き納得するアンリの視線は“迷いなく”

二人で走り出す可憐とマキナの姿



「成る程、凄いな普通あんなのじゃ、禁術に対抗できるわけないと心の何処かに()が生まれるはずなのだが…な、ふっ おもしろい」


「な~、しかし・・・試験、昔より簡単にした?」



んー、こんな楽だったかな?と、ヒントも開始の合図もそしてクリア条件すら提示されてない試験を見ながら、白夜は首を少し傾げる



「こんなもんだろう(そりゃ若様(キミ)が受けた試験はお門違いな私怨(しえん)で全て殺す気のものだからな……それも全盛期の魔法協会 幹部の全力)」


「そっか?…そっか。なんかそう言われると大差無い気がしてきた(納得」


「うむ。(困惑」




△▲△▲△



トットットット、とリズムを乱すことなく二人は息を合わせ走り抜ける



「見えました」


「もうですか…!?」


「ええ、目は良いもので」



そう答える可憐の瞳はドラゴンの様に細くなっていた



【火竜の瞳】


可憐が適合した禁具の一つだ



その瞳は熱を見分け、視線で熱を奪い、一度見た物の熱を憶える事が出来る


だがこの瞳にすら迷子の効果は発揮されるが、

しかし可憐は迷わない

ただただ一点を見つめ、自分を疑わない、迷わない。



「見えた……!!魔方陣…!!?」



マキナもこの禁術を発動させている触媒を見つけ、そしてその声に焦りが混じる

それは前方に見える魔方陣のせいだ、マキナの瞳は瞬時にその魔方陣の方向性を見抜き出てくるモノを感知した



そしてそれは可憐も一緒で、一緒ではない


可憐の目に焦りはなかった



「不味いよ……!!可憐さん…!あれは──魔獣…!!それも禁術で呼び出したクセに扱えていない……!!」



候補者に選ばれるマキナが焦るのも無理はない、普通の術式で呼び出される魔獣と呼ばれるものは、想像の範疇に収まるものだ


例えば熊より強い、狼より早く強靭、蛇だが家を越す巨体など。


なにより術式で呼び出した魔獣は操れる、俗にゆう使い魔と言うものだ


だが禁術で呼び出される魔獣は違う、的確な餌、代価を用意し、なんとか一度の願いを叶えてくれる存在だ、それを扱えもしない奴が餌も代価も用意しないで召還すれば、待っているのは


死あるのみ。


それも周囲のものを巻き込んで


何故か? 術式で呼び出される魔獣は想像の範疇に収まるもの


では禁術で呼び出されるものは?


それは空想でしか語られぬもの、同じ想像でも人の大半はないと信じていたもの

範疇では収まらぬもの


神話 伝承 物語でしか吟われぬものが


──今顕現する




百獣の王(ライオン)の下半身を携え、鷹の上半身を持つ伝説でしか語られぬものがその目を狂気に染め上げ、怒り狂う



───□□□□□□□□ッッ!!!!



鳴き声一つで風を操り、暴風を撒き散らす



「最悪……!!誰か知らないけど……グリフォンを呼び出した……それも…狂気を付与(こざいく)を施して…!!」



マキナの声に怒りが籠る、本来なら魔術界では誇り高い獣とされるものにいらない(・・・・)ものを着け、そしてこんなものを用意した魂胆が透けて見えたからだ



「そこまでして私を認めたくないの……!!」



お姉さまが道を示し、お母さまが支えてくれ、やっとの想いでここまでこれたのに、と色々な感情がマキナを迷わせる

認めたくない、劣等感、情けなさ、恥辱、怒り。


それらがマキナの頭を感情を掻き乱す。


そんなマキナに今見えているのは自分を嘲笑うもの達の目だ


幻影だ…わかっている!!なんど心で否定しようとも、一度想像した迷いはマキナの脳裏にこびりつく


 




───だがそれら焼き晴らす圧倒的な熱が、マキナの横に現れる



「か、可憐さん…?」


「ふむ、これも試験の内なんでしょうね。」



え、いや、そんなことないと思うよ?とマキナの声は可憐には届かなかった。


だが先程までのイヤな迷いは何処かに消えていた

それと同時に暴力的なまでの絶望(グリフォン)を直視してしまったが……



「ふふふ、こんな”簡単”な試験なのかと拍子抜けしましたけど、教官の言った通りですね!必ずクリア寸前に障害は配置されている、と!」



いえ、お姉さまが試験官をやってきてこんなルールの抜け穴を突いた一種のタブーは過去二度しか起こされていないと言い張る位なので違うとおもいますよ?


二度目のツッコミも届かなかった。



「さあ!先手必勝!小手調べです、余は()らす者なり【火蛇(かじゃ)】」



少なくとも先手必勝は小手調べじゃないじゃないかな…!? 


残念ながら三度目のツッコミも届かなかった。




可憐が短縮詠唱で気術を発動させる

それは火で出来た蛇だった、それもその場に存在するだけで周囲を照らす程の熱量を放つ蛇



「”短文”詠唱でこの威力っ!?」



珍しく間を置かずに驚愕するマキナ、それだけ常識外れな威力(ねつりょう)を蛇は纏っていた



先に動いたのはグリフォン、空に飛び上がろうと羽に力を込め───



次の瞬間、顎の間接を無視した火の蛇の大口に呑まれた



「ふははは!!次ィ!!」



悪役の様な笑い声で、次を求める可憐



「……え?」



色々な事が起こりすぎて思考が停止してしまっているマキナ



「………え?無いの…?」


「う、うんないと思うよ?」



マキナは後に語る、まるであの時の可憐の様子は迷子の犬のようだった……と



火蛇(かじゃ)


火で出来た大蛇を操る技

威力は山に触れると触れた山が溶ける位の威力



こそこそ裏話

マキナの体を可憐が火耐性を付与していなければ、マキナの体は溶けていた



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