咲く花は殺戮の花……え、百合?
結局喰われた、いやこの場合喰ったか……?
まぁそんなんどっちでもいいや……
「入ってもーよろしいでしょうかー」
「はい、構いませんよ」
「ああ」
流石にあのまま試験官をやるわけにはいかないと言って一時間の休憩後シャワーを浴びたが、なら前日に襲うなよって話しだよな……
そんな事をぶつくさと脳内で白夜は思いながらドアノブを回す
開け、部屋を見ると……パンツ、ガーター、までしか着ていない二人がその魅惑的な裸体を晒しながら
──パタン
白夜は無言で扉を閉めた
「何が構わないのか……これがわからない」
「──白様になら、見られても」
「──構わない」
「…………」
息ピッタリかこのやろう!!しかも納得してしまったじゃないか!!
あーやだやだ、こんなんだから初だ私達より女子してるだ言われんだぞ俺ェ
▼△▼△▼
「それでは、これより候補者の試験をはじめる、検討を祈る」
ふーむ、特に挨拶も何もなくはじまってしまった、いや教官も言っていたな、別にこの試験は見世物でも何でもないから普通の試験とは一緒にするなよ、と
「あ、あの」
朝、白夜に言われたことを思い出し、そんなもんかと自分で納得していた可憐に、声をかける者が
その者
たしか……マキナ・レデェーネ、【禁書庫の詠み手】の妹君
彼女も候補者だったのか。
いかんいかん、最近考えないで喋ると馬鹿が透けて見えるから考えて喋れな?と教官に言われてから少し考えすぎてしまう
まずは返事をしなくては
「はい、どうかなさいましたか?レデェーネ様」
相手は一応”上位士族”だ式理家には関係無いとは言え式理家団員としてそして教官の弟子として礼はちゃんとしなければ
「か、カレンさんだよ……ね?」
「はい、私は田中可憐と申します」
「よ、よかったぁ~」
何故か安堵されてしまった、なんだ?罠か?もう試験は始まってますよ的なアレか?
とにもかくにも警戒はしなくては、 ふむ、今のところ変わった事とゆえば周囲に張り巡らされている微弱な結界
少し禁術を使った時と空気が似ているか?
だがこれがなんだと言うのか……
発生源はアレか……うーん、本当になんの試験だ?
「か、可憐さんに頼みがあるの…!」
「はい?」
死んでくださいとかですか?
そんな白夜からすすめられた漫画に書いてあったシーンを連想しながらいつでも迎え撃てる様に、会場のほとんどに気が付かれずに魔力を練り、いつでも魔法を発動させる準備を整えた可憐
──それと同時に絵の具をぶちまけ混ぜた様な色の液体が候補者達のいる舞台を──
「手を握ってて欲しいの!!!」
「断っ、え、なんと?」
──そんな気の抜けた声と共に呑み込んだ




