夜中のデリバリー
「へーいアンリさーんピザの宅配デース」
「ふっ、入れ」
「おっ邪魔~、しまーす」
白夜はそう砕けた言葉で挨拶すると、アンリの個室に入る
片手にピザの箱を三段位乗せて
「本当に持ってきたのか…もう夜中だ肥えるぞ?」
「ふははは、わたしは体質的にこうゆうのエネルギーに変えちゃうから太らんのだ、てアンリさんもでしょ?」
「ふふふ、そうだったな」
「食べるっしょ?」
「手作りか?」
「もち」
「貰おうか」
白夜はその返答に笑みを浮かべると、指を鳴らし何処からか冷蔵庫を取り出す
「飲み物はー?」
「ふむ、やはりコーラを貰おうか」
「王道だね~、ほい」
「ああ、ありがとう」
アンリは白夜からコップとコーラを受け取ると、珍しく笑みを浮かべ、自分の隣をポンポンと叩く
「こちらに座れ」
「いえ、わたし妻持ちなので。」
「ふ、──居るのだろう?羅刹鬼、キミの夫、少し私にも分けてくれ」
困った様に眉を潜める白夜の横から景色がズレ、色を浮き上がらせる
そこから出てきたのはメイド服に身を包んだ受難だ。
「気が付いておられたのですね、魔王」
「キミはいささか強すぎるからな、分からなくても永年培った直感があればこそさ
ま、それがなかったら魔術でも捉えられないから困りものだが……ね」
表情の少ない二人、白夜はこゆう時に無駄に口を挟めばただではすまない事を知っているのか大人しく座る椅子を探す
「あなたとは短くない付き合いです、良いでしょう」
「よくないよ?ね?」
「ふ、話がわかるな相変わらず」
「あの、ねぇ?」
あれよあれよのままに二人に挟まれ座らされる白夜は、いい加減泣いても良いと思う。
「はむ……ふむ、また旨くなったな」
「ええ、メイドの私より料理が旨いのはいささか複雑ですが……」
「ええ、ええ、お褒めに与り光栄でございますよ」
「そうだ、アンリさん、今日可憐が担い手に選ばれましたよ」
「ほう、やはりか、白夜、キミの言いたいことは分かる、いいぞ、可憐君に最上位の証を受けれる試験にしよう」
「ありがとうございます」
「いい、いい、気にするな、ああ、そうだ白夜、キミが当主になったらある提案をしたい」
むぐむぐとピザを食べる白夜が頭に疑問文を上げる
「んぐ、、、まだ確定ではありませんよ?しかも何年後になるかも分かりませんし」
「確かにそうだ、だが、ならない気は無いのだろう?」
「……ええ、まぁはい」
「なら、確実だ、まぁ、まだ先の話しだ、また今度にしよう」
「…?」
「ふっ、 そうだな後は事業は上手くいってないわけないか……そうだ、白夜、キミは制約や契約の術を納めてはいるか?」
「うん、一通り」
「(キミの一通りは”極めた”と同じだからなぁ…)なら一つ明日頼みがある」
「別にいいですよ?」
「理由は聞かんのかね?」
「え、なぜ?」
「ふっ、キミはそうゆう子だったな」
と、食った食ったと、腹を擦り、立ち上がろうとする白夜、そろそろお開きにしましょうと言い帰ろうかと、白夜が思ったその時両肩がに手を乗せれる
「………」
「………」
「………」
汗が止まらない感覚に陥る白夜、どんな強敵にもこんな重圧など感じた事などない白夜が冷や汗を垂らす
「あ、アンリさんや?」
「白夜、こんな真夜中に女の部屋に入りいささか不用心ではないか?」
「おっと?逆では?あの?受難さん?」
「白様、諦めて下さい、私はこの写真集で買収されました」
家宝の様に胸に抱き締められる、”白夜の試験”と書かれた写真集
「………」
「………」
「………」
「いやぁーーー!!!嫁共同でぇ!!お・か・さ・れ・る・ゥーーーー!!!」
「いつもこうなのか?羅刹鬼」
「ええ、男の娘のクセに毎回自分が喰われる事などないと慢心し最後まで往生際悪いのですよ、まぁヤリはじめたら、ベッドヤクザと化すので大丈夫ですよ?」
イヤー!!嫁に性質暴露されるの予想以上にダメージがあるゥ~ーーー!!てか俺そう思われてたのね!?でも心当たりががが!!!と叫ぶ白夜、だがその声は外に響かない 何故なら受難が外へ行く音を隠すからだ
「そうか、ふむ、こんな状況なのに手加減をしてるとはやはりキミは昔から優しすぎるな」
アンリはやはりキミは何処か付け入りやすい、と言葉にはせず、だが何処か呆れと愛情を交え見る
「怪我したら大変でしょうがーー!!」
少し怒る点が違う気が、と二人は思うが取り敢えず、と
「キミは私たちからしたらごちそうなんだと学習したほうがいい」
まぁ、主にわたしたちの様な超越者達にはだが、キミが強く魅力的すぎるのが悪いのだ、と蠱惑的に微笑みアンリはそう口にする
「そんな無茶なァーーーーー!!??」
今宵も喰われる白夜・・・だが仕方がない、白夜はフラグを乱立させた責任を取らなければいけない。(過去含め)




