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俺が理不尽です  作者: セロリM
超越者

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158/380

灰塵の担い手

 

「お、おお!教官!これ全て魔道ぐ、いえ、まさかっっ!!───禁具!?」



白夜は可憐が見抜けた事に、嬉しそうに笑顔で頷いた



禁具・・、禁忌の武具


込められた呪、術、祝福、がある位に到達してしまった武具の別名

見た目は魔道具と変わらなく、間違えて使用してしまい、町を腐敗させた事もある。

その為使用にはある資格を受け取らなければいけない。


 

「この中で欲しいの持ってっていいぞ」


「え?い、いやいや教官?禁具一ついくらするか知ってますよね!?」


「知ってるって、大丈夫、もう払っといたから」


「ば、馬鹿ですか!?」



可憐は怒る、何故か?それは禁具一つで十億は軽く越えるから、そしてもう一つ禁具には適性と呼ばれるモノがある、その適性の種類は軽く千を越え


例え適性が有ったとしても、魔力や気が足りなく

担い手として認めて貰えない事も唯ある


それを白夜は部屋の一角を埋める数の禁具を買い占めたのだ  



「ま、まさか可憐に馬鹿と言われるとは、意外とダメージでかいぞ!?」


「それは私に失礼では!?っ!て!そんなことより!!」


「アッハッハ、大丈夫だって可憐はこの中のほとんどを使える」

 


目を細目、試すような視線を可憐にむける白夜


その引き込まれそうになる瞳に、なぜこのようなと怒って?いた筈の感情に冷や水に沈め込まれた様な錯覚に陥る可憐


だが白夜は答えを出さない、ただ目を細目、口に薄く笑みを浮かべるだけだ



「っっ!どうなっても知りませんよ!!」 



なぜ怒ってのか自分でも分からなくなった可憐は、乱暴に一目見た時から魂が引かれた物に手をのばす 

 

引き抜いたのは、大振りの大剣

刀身は赤、否、赤というよりは深紅に染め上げ

刀身の中央には丸い空洞が


可憐が引き上げたソレを見て思った印象は


焔で出来た剣


形は確かに定まっているのに、何故かそう可憐には思えた。



大振りの大剣を掲げた可憐の腕に炎の様な刻印が蠢く、それを見た白夜は思う、やはりソレに選ばれたか、と



「それは【灰神の巨剣かいじんのきょけん】と呼ばれる火の禁忌が代表するモノの一つだな、その中じゃ断トツに位が高いモノだ、よく引き上げた今日から可憐がそれの担い手だ」



そう締め括ると白夜は自分の事の様に嬉しそうに笑った



「あ、え……?」


「手に馴染むだろ?」


「は、はい!」



いやそれどころかと、可憐は自分の身体に刻んだ禁術に意識を向ける、そこには少し前まではバラバラに何とか纏め術と(てい)をなしていた多数の禁術が、今は一本の剣状に纏まっていた



「き、教官……」



謝りたい、自分の為に、自分を自分以上に信じていてくれたこの人に……だが



「──ありがとうございます」



想いと反して可憐の口から出たのはそんな言葉だった、そしてそれは謝られるより

白夜にとっては一番嬉しかった言葉であった。



「──うん、喜んで貰えて良かったよ」



そう()じり()の無い笑顔で微笑む白夜を見て、ああ、この人が皆から好かれる訳だと再度認識した可憐であった。

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