案内とイタズラ
「──す……ごいです……ね」
絶句、可憐は周囲の景色を見ながらそう呟いた
可憐の視界には、溢れんばかりの自然が建物に巻き付き、自然と完全に調和の取れた姿が見える
──幻想的、表すならそうとしかいえないだろう。
「だろ~、こうゆう感じの遺跡は結構あるけど、生きたままのは今んとこ、ここだけだからな~」
「それに……ここ空……ですよね」
「ああ、ある技術で大陸の一部を浮かし作ったらしいよこの都市、すげぇよな~」
「…はい」
「お、見ろ可憐隊員」
白夜が指さす方角へと顔をむける可憐
「どうしました、教官?」
「八百屋」
「 なぜ八百屋…」
「わからん、あ、あっちにはお城見たいな…… お、あそこ魔道具屋じゃんみていこうぜー」
「ラブホですね」
「あ、コンビニ、ぽいものもある、なんか年々魔道都市って感じがしなくなっていってるような」
「ラブホですね」
──総議会だからな。都市はしょせんついでだ
──ラブホですね
「コイツら直接脳内にっ!!」
△▲▲△
「へぇ、結構品揃えあるな、てか種類が豊富、お!これ呪殺シリーズじゃん」
「なんですかその物騒なシリーズ」
「え、ラノベだけど?」
「…ここ魔道具屋ですよね…?」
「そうだよ?」
あれ、私がおかしいのか?と頭を抱える可憐を横目に白夜は色関連ではよく弄られるのでその仕返しに、ここぞとばかりに弄り尽くそうと心の中で細く笑む
「ほら」
「…なんです?コレ人形?」
渡された人形を両手に握りしめ、首を傾げる可憐
そこであれっ?と可憐は手を動かす
「はなれない」
『オカアサン』
───いゃぁぁああああああ!?!?!?!?
▽▲▽▲▽
「アハッー!すまんてただのジョークグッズだって」
「ほんとですよね!?私呪われたりしてまんせんよね!?」
「………うん、ダイジョブダヨ」
「信用出来ないですけど!?」
「あっはっはっ、冗談だって、あれは魔術が込められたただのジョークグッズだよ」
「魔術の発動痕跡も魔力も込められた形跡をかんじられませんでしたけど、けど!」
「ほんと大丈夫だって!………(あれ作ったのおれだし)」
「え、なんと?」
「いや?本物はあっちの札が満遍なく貼ってある箱の方だよって言ったのだよ?」
「ピッ」
「それより本命はこっち、可憐、着いてきな、良いものやるよ」
「ピ?」




