空から失礼するゾ~
──ゾゾゾゾ
うへぇ、なんかいまゾゾゾって来たゾゾゾって…
なに、悪寒…?風邪?…なんかいやーな予感が……
「どうしたのですか教官?」
背筋に嫌な予感を憶えたおれに、可憐は心配そうにおれの顔を覗いてくる
「あ~、や、気にすんな、なんか少し危ないとは別方面の嫌な予感しただけだ、大丈夫危険はないから」
「そう…なのですか?」
「そうそう、大丈夫本当に危険はないよ」
「わかりました」
素直な可憐におれは頷き、頭を撫でたい衝動に襲われるが我慢する
一応、上司だから敬語は使わんが歳上だしな一応
「なんでしょう、馬鹿にされた気が……」
「?どした?」
「いえ、気のせいだったようです」
勘が無駄に鋭い……!
「…しかし着きませんね……総議会…」
可憐がポツリと呟く、それを聞きおれは同意する様に頷く
「あそこ本当遠いからな、疑似世界を張り巡らし過ぎなんだよ……だからいつもは結界ぶち抜くか、座標入れ替えでその場に直ぐに行けるのだが、今回に限って正式に入ってきて下さいって言われたからな……何故だろう」
「何故も何もなく、本当に普通に入ってきてほしいだけでは?」
おっと、たまに鋭いこと言ってくるよね、でもしょうがないじゃない本当に遠いんだもん
「まぁ、そろそろ後三十分しないで着くよ」
「お!やっとですね!」
さすがの可憐も五時間の空の旅は飽きたようだ
ここWi-Fi繋がらないからやること結構少ないんだよな
「でも、五時間は早い方なんですよね…」
「まぁな、普通に行ったら五十日は軽く越えるからな」
はえー、と頷く可憐を見て思う、この人ほんと小動物ぽいよな
「……このドラゴンさん本当に早いですね…やっぱあの暴走期で?」
可憐の質問に、おれは頷き肯定する
そう白夜たちは今普通の手段では進んではない、黒いドラゴンの背に座り進んでいたのだ。(卵はまだ孵化しておらず)
「あぁもちろん、、、拾った」
「拾った!?」
「うん」
なんか色々な技とかスキルを試しながら暴走期潰してたら、珍しく意志らしいものがあるコイツがいたからつい拾っちゃったんだよなー
皆には元居た場所に置いてきなさい、て言われたけど
「こんなかわいい瞳してるのにな~?」
『ギャゥウウウ~!!』
「かわいくはないと思います。」
可憐…貴様とは分かり合えない様だな
「だってこの子、めっちゃ怖顔じゃないですか」
「愛嬌あるだろ?」
「ねーですよ」
「あらあら、口がお悪い事ですよ可憐ちゃん」
なんだそのダメだこの教官みたいな表情
喧嘩するか?このヤロウ
この時おれと可憐は知るよしもなかった、まさかドラゴンを連れている事であんな大惨事になるとは……
この時のおれ達は知らなかったんだ……
↑
(魔眼で常時監視してる人)




