究極之一刀
ああ、楽しい──楽しい楽しい楽しイ!!!
何時以来だ傷を付けられたのは!
何時以来だ!?腹をブチ抜かれたのは!!
何時以来だ!!?首を落とされたのは!!!
歓喜に震え狂うは一人の鬼、そして鬼の中でも”最強”と名高い鬼だ。
その鬼の笑い声は大気を消し飛ばし、吹き飛んだ大地が山を造り、海は躍り狂う
「アハハハハハハハ!!!!!!アァ楽しイナァ!!?白───」
そんな災厄の首が消し飛ぶ、いや消し飛んだ様に見えただけで実際は駒切れになっただけだ。
「たのしくない」
「のぉ!?アハッハハハハ!!!最後まで喋らせろヨォ!!!!」
だが鬼は次の瞬間には再生し災厄を放ち
拳を振り抜く
だがまたしても鬼は歓喜に震える事になる
鬼はわかっていた自分の一撃は放つだけで星の形を変えてしまうことを
鬼はわかっていた自分の一撃は受け止められるモノなど存在しないことを
だって長すぎる時を生きてきて一度も止められた事など無かったのだから、産まれた時から自分の同種の奴はもちろん自分と同じ領域の奴らですら、自分の一撃を止めようとも、受け流すことすらできなかった
時が止まった、鬼はそう錯覚した
否!止められたのは時ではない、自分の拳だ
理をネジ潰し、星を砕き、時を粉砕する
自分の拳がだ
鬼は自分の口角が引き上げるのを自覚しつつも、止められなかった
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッッ!!!!!!!」
止めれない、止まらない、止めることができない
鬼の歓喜は神気となり溢れ漏れ出す
空気を侵食し
大気が軋み上がる
世界が音を立て崩れ始める
「?…なにがおもしろい…?」
「おもしろいだろォ!!?俺の拳が!全てを潰せる拳が!!!片腕で止められたんだぞ!!?おもしろくないわけがなイ!!!!!」
理解ができない、まぁするきもさらさらないが
そう奈落の様な瞳を鬼に向けるが伝わらない
「そう」
──まぁ、どうでもいいが。
鬼の拳を止めた、怪物がそう呟くと怪物はいつの間にか、足を後方に回していた
「──あァ??? いつの間に空と大地をひっくり返したんだァ?」
いつの間にかひっくり返った天地を見て鬼は疑問を上げる
だがそこで鬼は確かに見た、自分の視線の先の次元に走る亀裂を、そして理解したひっくり返ったのは天地ではない──
──自分だと
確かに、00000000.1秒前まではあった腰から下が消えている
加速する鬼の思考はそう理解した
そして鬼は
産まれて初めて自分に神気を纏わせた
そして刹那と立たずに再生した下半身で白い怪物を蹴り飛ばす
周囲にあった山ごと、砂ぼこりの様に巻き上がる無数の山、その光景まさに災厄
その光景をみて鬼はまたも歓喜した、絶頂した
鬼は疑問視したのだ、自分は確かに蹴った、それも神気を纏いながらだ、なのに
星が割れないのはおかしい
そんな理不尽な事実を
「アァ!!!やっぱりかァ!!!!」
足が消えている!!!蹴った時だ!!あの時、触れた時だ!!!
「斬り飛ばしやがった!!!あの白いの!!!!アハハハハハハハハハッッッ!!!!!…?ォェェ……?」
鬼の体が、ぐらりと前のめりに倒れかける、だが片足で踏ん張る鬼
鬼の視線の先は自分の腹だ、鬼は自分の腹を見、そしてやはり顔を歓喜に染め上げる
視線の先には、まるで切り取られたかの様に1/3まで消える腹
見えなかった、感じられなかった、視えなかった
あの時、白いのは俺の足を斬り飛ばすだけじゃなく、衝撃が体に走る前に第二撃を放とうとしていたのか!!!
あの体制から!!?
「アハハハハハハハハハハハハハ!!!凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄イなァ!!!!?なぁ?白いのォォ!!!!!!」
次は視逃さない様に、今度こそその絶技を瞳に納めようと鬼は、第三の瞳を開く
いた!いたいたいたいたいたいたいたいた!!!!
「ァァァァァァァイタァァァァァァアアア!!!」
──ミツケタァ
第三の瞳が白を写す、粉々になった大地の頂上に座するその姿を
刀を納め、柄に手を置く姿を
そこで鬼は確かに死を視た
──凛
▲▽▲▽▲
目を開け俺は思う、懐かしい夢をみた
永遠に続けばいいとも思った夢だ
今でも夢だったのじゃないかそう思う……
だが
体に指を置く、そこには確かにアイツとやりあった傷がある
「アァ、そろそろ約束の時間だぞ──白夜、今度は…今度こそは、アハッ、ハハハハッハハハハハハハハハハハハ!!!!」
傷を残した責任とって貰うぞ!!!白夜ァ!!!!




