閑話 支獲
支獲 無口で?無表情で声が小さなメイドさん
「……」
どうしよう、コレ
宙に浮く十数の人、それを無感情な瞳、一変ともうごかぬ口でどうでもよさそうに眺めるメイドが一人
それに付き添うようにメイドの服を着た人形が十二
「……」
殺しちゃだめかな。
部下に意見と言うより許可をくれとばかりに見つめる無機質な瞳
「……」
それをフルフルと首を振ることで否を示す人形達
「…………」
だめか……だめ?
「……」
フルフル
「……」
主……
悶え苦しむ人を使ったてるてる坊主を見ながら支獲は思う、早く帰って来て主、と
主はたまに変なことをする…こんなものさっさと殺してしまえばいいのに、なのに殺す前に必ず何らかの苦しみを与えたりする。
なぜ?
こんなものには興味は湧かない、がそれでも主の事だから気になってしまう支獲
どうしてこんな無意味な事をする?一番どうでもいいと思っているのは主なのに…
よくよく考えると主はおかしな方だ、強い誰よりも強いなのにゴミの意見もしっかりと聞いてしまう。
主は一人でなんでもできる方だ、なのにまるで出来ないかの様に振る舞い誰かに役を与える。
主はめんどくさい、そう言いながらも誰かを助けるために自分から面倒に足を突っ込む、そして力で解決してしまえばいいのに、それだけの力があるのに…そうしない、まるで誰かを立てるかの様に。
わからない、わからない。
なぜ主は誰かに遠慮する?なぜ主は私達の前から姿を消した…?
いらなくなった?違う。それはあり得ない
だって主から感じる思いは一度たりとも色褪せた事などない、なんなら常に色をつけ続ける
なのになぜ?
「………」
支獲はゴミに目を向ける、そこには自分への色が集まってるのが見える。
これは…自己愛?あぁ死にそうになる自分への感情か……
そう言えば主からは自己への色は……
なるほど、なるほど。
主…主…。
支獲はまた一つ知恵を手に入れました。
どうりで爺様が、ば…お姉様が、智核様が、創楽様が、青葉様が、飛由様が、受難様が、皆様が何を心配してるのか分かりました。
あれほど強い主を心配する理由が分からなかった、でもやっと。
「………」
なら尚更コレ、いらなくないですか?
だめですかそうですか……




