閑話 集い
「さて、皆お疲れ様。被害が少なくてホッとしてるよこれも皆の頑張りのおかげだね」
そう大勢の前で始まりの挨拶を話すのは、外見だけを見れば白髪の絶世の美女。
中身を知るもの達からすれば、自分達の四分の一も生きてはいないだろう歳で総勢百万を越える強者達を支配する絶対的な怪物。
事実一目の多いこの場所では一切の本音を片鱗すら見せない、それはこの歳の子がしては異常な事
そもそも見るからに年下の子供に膝を付き、自分達の上だと当たり前の様に置いてる事すら異常だが。
「さて、今回の暴走期は皆の頑張りのおかげで”一般”被害はゼロ、そして見事な連携によって死傷者の数も少なくすんだ皆は私の誇りだよ。」
ありがとう、と締めくくる怪物
その事実に涙を流すもの、歓喜に震える者、そして青ざめ震える者に分かれる。
その後も話は進んでいく
今回の報酬、更に死傷者への対応、全てが”善良”な皆が望んだ物以上であった
それは嬉しいと同時に薄気味悪さを感じられる程に正確で善良的で正しいものであった。
殆どの者達は気が付かない。
この世の終わりの様な表情を浮かべる者達に
そして関係の無いことであろう、これからが在るもの達と無いもの達はそれだけの違いがあるのだから。
(こりゃぁ外のスパイでも居たかね…?)
(十中八九そうだろう、あのお方の怒り具合は)
(あーやだやだ、なんで人類の危機に足を引っ張る様な事をするだか…)
(だからグラマスがキレてんだろ)
(今までは監視、情報収集、一線を越えなきゃ見逃されてたけど今度からはもう無理だろうね)
(あぁ、次の集会や集まりじゃ見なくなる奴が多そうだ)
裏を知るギルドマスター達が集まり、ステータスと言う概念を手に入れた者達にすら聞こえないような声でやり取りをする。
いま集まってるのは県毎に用意されている総本山そう呼ばれるギルドのマスター達の懐刀達だ
(しかし舞様大丈夫かな…)
(今回は相当疲れたらしいからな)
(後でお見舞いでも行くか…)
(止めときなさいよ)
(あん?なんでだよ)
(察しなさいよね、今日はグラマスとの食事会だそうよあの二人はある意味親子みたいな関係なんだから邪魔しないの…!それに私達が不甲斐ないせいであのお二方はゆっくりする時間が少ないのだから…)
(おお、そうかあぁ、てことは今寝てるのか)
(て、グラマスは結構な頻度で舞様に会いに行ってるって言ってなかったか?)
(それとこれは別よ)
(別だね)
((女心は分からん…))
「さて暇そうな子達が居るから少し手伝って貰おうかな」
──ギクッ
手招きをするグラマスの姿が目に写る
ギルドマスター達は周囲を見渡すが一切目を会わせようとしない…
(─人の話が耳に入らない程熱中するのはどうかと思うな~?)
(((ひぃ!!なんで声だけ頭に響くの!?)))




