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俺が理不尽です  作者: セロリM
理不尽様のダンジョン攻略

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許嫁は、押し倒したい!!

今日は白夜視点ではありませぬ。( →_→)


ここは古来から存在する学舎、式理学校

才能ある若者、また金持ちが通う、マンモス校の中等部


その中等部は今日も少し騒がしかった。



「見てっ、理操様だわ!」


「今此方を見ましたわっ!」


「今俺のこと見たって絶対!」


「なわけw」



そんな騒ぎの注目の的になっているのは、

”式理家財務管理役”理操田之助の孫娘


───理操奈月りそうなつきその人である。


「はぁ…」



少し鋭い目付き、いや鋭過ぎる目付き、だがそれを引いてもあまりある美しい少女。

黒い髪に少し青架かり、瞳は綺麗な深紅の瞳。


成績優秀、学年中学始まって不動の二位。

文武両道の完璧なご令嬢、それが理操奈月である。


そのため、モテにモテまくりラブレターの数は生まれて食べたパンの数をもう越しただろう。


そしてその全てを断っている。

逆上して襲いかかった生徒も出るが、本人の武術の前に一撃KO、または御影にドナドナされ、またある時は空から降ってきた白い髪を靡かせた何かに潰されている。



「なーんで、モブ顔のお前を理操さんが見るんだよw」


「そらあれだろ、……一目惚れってやつだろ?」


「ねーよ」


「ァア? 知らねーのかよ今モブ顔のモテ率をよ」


「しらないよw つーか無理に決まってんだろ」


「あぁ?何でだよ」



「だって理操さんて式理のゴミの方の許嫁だろ?」



そう言えばそうだったか……、と肩を落とす男子達を背に、その高嶺の花が頬を引き吊らせていたのを誰も知るよしもなかった。














理操家 奈月の部屋



「ちげーよっバァッッッカァアアア!! だぁれがぁ!あの七光りクズの許嫁だってぇ!? クソボケガァ!!!」



振り下ろした拳がベッドを軋ます、とてもその小さな拳から繰り出されたとは思えない轟音と共に(超高性能ベッド)


その衝撃がベッドを貫通し、家の床に罅をいれる



「わたくしわっ! 男の娘好きじゃァア!!」


魂の遠吠えである。


その時、奈月の部屋のドアのノック音が響く


次の瞬間、瞬時にお淑やかな雰囲気に鞍替えする、男の娘スキー、その早さは実にコンマ0.1秒



「はい」


「失礼いたします。」



お淑やかな笑顔で奈月は、女中に訪ねる



「どうかしたの?」

「田之助様がお呼びです」


「お祖父様が…?」



奈月は思う珍しいと、何時もなら部屋に直接来るか。

忙しくても電話がかかってくるのに。

呼び出しとなると、相当大事な話なのだろう。

それこそ形式を気にする程度には。



「分かりました直ぐに向かいます。」



女中が頭を下げ部屋を出る。









「お祖父様、奈月です」


「入りなさい」


「はい。」


「奈月いきなり呼びつけてすまないな」


「いえ」


「さていきなり本題だ。」



奈月は少し緊張する、こんな真剣な祖父は初めてだ。



「奈月に許嫁が出来る、……かもしれない、勿論断ってもいい」


「なっ」



奈月も歳が歳だ、そろそろだとは思ってはいたがこんな急にだとは、と口を開ける奈月


だがそう呆ける中でも、脳内では冷静だ、



自分の許嫁?……候補としては二の家、宗太

いや、だが彼はもうお相手がいる、側室では許嫁とはならないだろう……、では自分の血に由来する”巫女”の名家か……?…此方は僅かだがありそうだ。


さて、どう断るか。


奈月の中で瞬時に結論を出し、祖父の言葉を待つ



「相手は式理家のお孫様だ」



奈月は思う、最悪だと。


元治様の孫は才能は有るがそれに鼻をかけ最近じゃ天下無双の威張り天狗だ。


口を開けば家のこと、権力、財力


断ってもいいとは言ったが、

それでは祖父の地位としては厳しいだろう、……ならば、いっそ昔からの思い人に気持ちを伝え、目の前で爆惨しよう、そうしよう。


少しでも自分がその人の脳裏に焼き付くように、その人の人生の一部になれるように。



そう覚悟を決め、それ故に顔に出てしまった。


それに慌てた田之助は言葉を続ける



「ん!? ああ違うぞ奈月そっちじゃない白夜様の方だ!」


「えっ? え………?……マジですか!?」



奈月はそっちの線は確実に無いと思っていた。 


白夜なら後ろ楯も何もいらない上に、顔だけで迎えたがる国や企業も腐るほどある。


能力も合わせたら自分の全財産を明け渡すだろう。


だから式理家をもっと大きくするため。

白夜に2~3人、嫁がせるものだと……そして完全な身内の理操(うち)は候補にすら入らぬものばかりと思っていた奈月は顔をあげ目を輝かせる




「まっ大きくするだけなら、白夜様が当主になればいいからなぁ、正妻は自由なんだよ」


「そうなの?」


「そうなの」


「でも現当主様は?」


「ナイショの話になるが、あの人も息子には継がせたく無いみたいだ」


それはそうだろうなと思う。

あれには圧倒的に器がない、才能は有るがそれだけだ。

それじゃ式理家の当主は無理だ。



「え……でも直人さんが学校で…」


「言ってるだけだ、何より直人様が当主になったら。五大家が直人様を即血祭りにあげるぞ」


「えぇ。忠誠心とかは…」


「五大家も理操家も気道衆も、現当主様と元治様にしか忠誠心を持ってない。なんなら当主候補を辞退し続けてる白夜様の方に忠誠心捧げてるぞ。」


「白夜様、信者多いもんね…」


「あぁ。不老長寿の霊薬、その他の霊薬の復元。企業を少しやらせれば全部大成功。武術も式理家全部隊を軽く捻る実力。気を修めればいつの間にか極めておられる。しかも不治の病をなん十個も治しておられる…神秘的な姿も合わさって。現神様だと騒がれてるからな。」


「よく直人様派閥潰れないね…」


「争っても無いのに完全に押さえつけられてる時点でな……もうあいつらに白夜様を反対する理由が元当主様の血が繋がってないからしか無いからな…」


「哀れだ……」


「とりあえず考えておいてくれ。」


「あっ、受けますその話受けます。」


「んっ、よいのか?」


「はい、そもそもわたくしの初恋もあの人です。」



少しビックリした様子の田之助。



「気がついていたのか?」


「もちろんです。忘れたことなどありません。」


















足元まで届く白い髪を靡かせ、濃い隈がよりいっそ目付きを暗く見せる少年が、


拳銃を持った大人の前に、少女を庇ている親の前に立つ



『ァア?何ですかなんなんですかぁ?人が気持ちよく昼寝してる時に。胸糞ワリィ。大の男が女子供に拳銃なんて向けてんじゃねぇよ』



目付きと隈がヒド過ぎる少年は、緊迫した雰囲気をものともせずに、欠伸を漏らす


その姿に、得体の知れない何かを感じながらも顔を黒い布で隠した男達は、銃の引き金に指を掛け、リーダーらしき男が静かに言葉を放つ



『───殺れ』



何十の発砲音に、怖くて目を瞑ってしまう少女。

目を見開き後悔してしまう少女の親。


次の瞬間


拳銃を持っていた者達が目を見開いた、いつの間にか自分の拳銃が銃弾が。

斬られている、何より目の前のガキはいつの間に腰に刀を携えていた…


ー ボッキン ー


そんな音と共に仲間の首が折れた、事態に気がついた瞬間ナイフを構え、いつの間にか振り抜かれた足によって、頭が弾ける。


空中から白い化物が着地、背を屈めたのと化物が消えたのは同時だった。


気が付いたら部下の首は飛び自分の手足は斬り落とされていた。



『あぇ?』



間抜けた声と共に、中に浮いていた胴体と共に手足を焼かれ傷口を焼かれた


『ぁずぃ!!あづい!!ぶべっ?』



白い化物は自分を血染め近付いてくる。不思議と少女が抱いた感想は───


──綺麗。


だった


ただ安心しすぎてすぐに気絶してしまったが、

お礼を言えなかった。


それが今も少女の中に残り続ける心残り






















「次こそお礼を…」


「あー気にしていないなら早く会わせてあげれたのに」


「!?」


「いやーあの後自分の姿見て気絶しちゃったて白夜様気にしてて。寝てるときにお見舞いとか来てくれたんだがなぁ。トラウマになってるかも知れないと顔をあまり合わせないように、気を使っていたからなぁ」


「えっ!?え!?え!?本当に!?」


「本当に」


「えーー!!もしかして忙しいって……!」


「あぁ無理にお礼を言おうとしてるかもって」


「違うよぉ!!普通にお礼して部屋に連れ込んで押し倒そうとしただけだよ!?」



………?

田之助は嫌な予感がした。



「わーぁお、トンでもないカミングアウトしてくれちゃったよ、この孫娘」


「だって!だってぇ!?めっちゃタイプなんだよぉおお!!」



そうだ確か男の娘が好きなんだとか聞こえたと女中に聞いた覚えがと田之助。



「わたくしが男の娘好きになったの!白夜キュンからなのぉおお!!」



あっ、おめめグルグルしてるこれ、何とかしなきゃいけないのぉ?俺がぁ?あっ息子に娘よっ!助けろっ!?て閉めんなっ!戻ってこぃっ!!「きいてるぅ!?」「きいてるぞぉぉ!?」



田之助、超優秀だが生粋の苦労人体質なり。


※この小説にはまともなヒロインは希です。



今回は許嫁時点です。お読み下さりありがとうございます!!


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