決勝戦開始と過去の破片
静かだな~、て、まあ俺ここ疑似異界に生物なんて創って無いから当たり前だけど。
俺が言いたいのはそうゆう事じゃなくて、目の前、魔王?ちゃんの魔力や気のことなんだけどね、て誰に言ってんだか…
「じゃ、試合も始まった事だしやりましょか?魔王様、てね?」
「くっっふふふ、はははっ、あはははっ!!!」
何故でしか…いきなり大爆笑されたんだけど…
「ふふふ、すまん気を害せんでくれ。ただ凄いな、と思ってな?」
へぇ…?
「流石魔王すげぇ邪眼だな?見えてるのか?」
「いや?見えたおらんよ、ただ推測や分析の結果だよ」
「そんだけでそんなに分かるもんかよ…」
「HP100、MP1500、気1500、力500、防250、器250、知500、速500、運は分からんかったがな?こんな所か?」
──本当に凄い
「良くそこまで正確に分かったな?」
「なぁに、黑き神の技量ならもっと破壊をもたらしても可笑しくないと感じた、だから計ってみただけのことよ。」
く、黒き神…いや黑き神て言ったなこの魔王……もしかして俺の事かな……い、嫌だな~
「……それで?魔王様はそんな舐めたことせず本気でやれと言いたいのかな?」
那奈の口が三日月を描き、那奈の周囲の魔力が赤黒く大地を変色させて行く。
「そんな事言わんよ…だがそうだな
──黑き神よ我の契約者となれ。」
───…………っ………?
「と、友達契約的な…?」
「違うわい!!」
もしかして──ッッ
「噂に聞く親友契約…ッッ!!?」
「なんだ!それ!!?そんな怖いもの此の世に有るのか!!?」
「月五万」
「ご、ごくり……つ、月五万か……」
検討しだしたぞこの魔王…
「て!ちゃうわい!我が盟友は現世に君臨する事は叶わん、だが……………ち、ちゃんと居るもん。」
「あ、かわええ。」
「かわ!?ええい!!我が契約者になるのか!ならないのか!聞いておるのだ!」
あ、話し戻るのね
「しかし契約者と言われても?どうゆう種類の?ほら例えば式神みたいなーとか、力を与えようみたいなーとかさ?」
「…………」
あ、顔真っ赤、考えてなかったんだな…"頭は"いいのに。
「わ………と………永…久に」
え?なんだって?──て言っちゃあダメだよな…
「そこまで好かれる様な事したっけ?」
「我は初めて見たときから我が契約者に心を奪われた、我の願望を嗤わず応援してくれたのは我が契約者貴様だけなのだ……」
ぎりぃぃぃ
心が軋む
何故だ……俺は何でここまで……
『私は…否!我は貴様をその座から引きずり堕とそう!!さぁ!我の手をとれ!契約者よ!!!』
なんなんだ……!!俺はッッ!!?
『どう?此がけんけんぱ?てやつよ!え……どうやるの…?てえー~と、あれよ!あれ!!』
どうして…こんなにも暖かいものを忘れた?
「…?どうしたのだ我が契約者よ?」
「ッ…いや、やっぱり魔王様の契約者にはなれんかな?俺嫁沢山だし。「しっとる」…ェ?」
「知ってて言っておる。」
『ピィ………?ナンデ……う、こいて?あねはなおっただよ?ピィ………ぉうして?あかくなってるの…?』
分かってる……大丈夫だ。
俺の記憶じゃないなんて言わないきっと……
もう何も喪いたくないから自分の大切に蓋をしたのか俺は……よっわ。
「…大丈夫か?」
「大丈夫…だよ、本当にいいの?」
「うむ!我が契約者は愛した者を蔑ろに出来ないからな!逆に我が気お付けなきゃ我が契約者の愛に押し潰されてしまう。」
「……みんなそう言うけどそんな重い…?かな俺って…」
「さて!約束も取り付けた事だ!傍観者共を圧倒する破壊の狂想曲を踊ろうじゃないか!!」
誤魔化された……!!
「これ俺の知らないところで嫁達に根回しされてんだろうな~、なんかタイミングいいもんな。」
「………さぁ!踊り狂おうか!我が契約者!!」
「はいはい、魔王様」
これ、絶対嫁達とおじいちゃん達が絡んで、俺のトラウマ克服させようとしてるな?
なんかタイミング良すぎる。
調べたのは──智核か……全知の無駄遣いめ。
そんな事をぼんやり考えながら赤黒い魔力に包まれる白夜であった。




