理不尽様が堕としたのは人間性ですか?それとも…
◇◆◇白夜◇◆◇
「ふふん~ふふ~ん♪」
白夜は今、結界が張り巡らされた重役達が居るあるVIP席に来ていた、用事を片すためだ。
「はぁ…なんか気分が良いことと、悪いことが今日は同時に起こるなぁー、ゴミには苛つくし…昔を思い出すし……でも友達が増えたのは良いことか…」
鼻歌を歌ったりタメ息を付いたりと情緒が忙しい白夜
──そんな白夜の姿は真っ赤な血に染まっていた。
「次の試合までは…っと? 二十分位かぁ……まだまだ余裕あるな……しっかし最近おれこうゆこと多いよなぁ…ねぇ?……て屍に話し掛けても意味ないか…」
うわぁ、真っ赤っか、部屋掃除大変そう…、てか俺が殺ったことだし俺が片すか…
「【いただきまーす】」
手を合わせ白夜がご飯を食べる時のように、食材への感謝の言葉を口にすると
──ズルゥン
ナニかを啜る音と共に、散らばっていた屍や血、臓物が呑み干された。
うわっ…ッ
「まっっっずっ!! んべぇ……」
腐っても術者や陰陽師の家系だと思って喰らってみたけど……本当に腐ってる味する……
「しかも手に入ったスキルは全部”被りや下位互換”だし……俺の運のステータス仕事しろよなぁ~」
〈:職業"原罪の魔神王"が追加されました。〉
「ん…こう聞くと、智核の声にそっくりだな~んーもう5時間位で声聞きたくなってきた……てか何故"原罪"?"暴食"じゃなくて?……てか魔神要素が有っても"王"要素何処よ…?」
まあ、ステータスにいちいち突っ込んでちゃきりねぇけどさ…
〈:職業"英雄神王"が追加されました。〉
柄じゃねぇ~~
〈:職業"執行者"が追加されました。〉
「これも柄じゃねぇ~…てか前者二つは習得方法さっぱりだけど後者は業値100を越える者を五十人殺すとかかなぁ」
〈:ユニークスキル"味変"を取得しました。〉
名前からして味を変えるスキルかもうちょい前に欲しかった……
しかし今片した奴らでも社会からいきなり消えたら困るのかね……まあ、別に面倒でもねぇしな。
「奴らの体を【完全再現】で人形を創って…【操理】これで並列思考で動かせばいいだろ」
てかほとんど殺したもの達こうやって動かしてるしな…記憶は喰ったとき分かるからこうやって人形張り巡らすとナニかと便利なんよな~
今んとこバレた事あんまないしぃ…と
この気配は…
「こんにちは、お久しぶりです九京さん」
「こんにちは。久しぶりね会長くん」
たく、この親子は……
「会長は今、九京さんですって」
「癖よ…気にしないで。」
やっぱり親子そろって頑固だ…
そう思考し懐かしさからか苦笑いの中に優しさが混じる白夜の苦笑い。
「それと。九京じゃないわ。冬乃よ。」
…………………。
「冬乃さん」
「冬乃。」
「冬乃さ「冬乃。」」
どうしよう…絶対試合時間までこのやり取り続ける気だ……!
おい護衛何とかしろよ…
あ、目を逸らすなっ
「冬乃。」
ぐぬぅ
「……冬……乃。」
「良くできました。白夜くん。」
「ぐぅ…!……っはぁ。──それでこんな所に冬乃…さ………は何かご用ですか…?」
「……」
「それでこんな所に冬……乃。は何かご用ですか?」
「ええ、応援を優勝おめでとう。」
違うまだ優勝してない…ッ、天然は相変わらずか…。
「まだ優勝してないですよ…冬乃」
「…?そう…だったわね。なら次の試合も頑張って。」
「はい。」
「じゃあ。またね白夜くん。」
フリフリと手を振り去っていく冬乃……
「………ええ、また。」
何だったんだ一体……
▼◇▼◇▼
コツコツコツコツ
「あの…冬乃様…?」
「何かしら…」
「顔…真っ赤ですよ…?熱ですかい…?」
少し立ち止まる冬乃、そして自分の顔に触れる
「またなのね…」
「また…?」
「白夜くんと話した後気を抜くと何時もこうなのよ…気にしないで。」
「え、ええまぁ大丈夫ならはい…」
冬乃、恋愛経験ゼロ
19の時、政略結婚その後、愛の無い関係で二人の子を作り。
その後間もなく夫の浮気により離婚。
25から一人で二人の子を育て
仕事と子育てに全てを捧げた女。
そんな女に──恋の感情はまだ難しかった。
「……変わらず綺麗な黒ね…」
「冬乃様……?」
「何でもないわ。」




