第十四試合
パン──ッッ
そんな軽い音と共に大地が木っ端微塵に事斬れる
「まだッッ」
天から一人の女剣士が黒い長刀を持った男の娘剣士に斬りかかる。
───ッッ!!!!
音を裂き
「あははっ♪ 凄い技量♪(それに速い)」
軽く振るわれた長刀と女剣士の刀が衝突し
ガ──────ッッ!!!!ボンッッッッ!!
長刀が刀を軽く天にあしらう
逃された斬撃は天に昇り空を割る
「(少量の気で最大の身体強化凄いな操作密度が田之助並にあるぞ…)」
「北一刀流、一型──霧裂き」
女剣士、、、北雫が全試合を通して初めて自分の技を振るう。
次第に雫の姿が霞み、そして霧を裂くように刀が男の娘剣士の後から現れる
それを男の娘剣士、、、白夜が笑みを浮かべ容易く打ち払う
「そうか…やっぱり北家の人か……んーなんだか懐かしい気がするんだよなぁ」
キキッギャャン!!
白夜は何処か悲しそうな表情で笑いながら長刀を振るう
それを聞き寂しそうに流し斬り込む雫
「…昔遠目で見ていたのをお憶えなのでしょう…」
「…そう……かも…ね?【スラッシュ】」
「ええ…きっと…《【万衝流し】》ッッ」
白夜の、常人の剣士が初盤で憶えられる武技。
スラッシュが大地を紙のように斬る
それを何とかスキルと剣気術で流す雫
「おおっ♪ 流された」
自分の武技が流され驚いたように笑う白夜
「ッ─普通は反撃に使う技なのですけどね…」
それを流しきれず全身が痺れる雫は何とか強がりを口にする
──さてもう少し殺ろうか
「─ッッ」
白夜のその言葉と共に黒い長刀が雫に優しく投げられる
それに驚く雫
くるりくるり緩やかに雫に向かって落ちてくる黒い長刀──その黒い長刀の切っ先が雫に合わさった瞬間
ギッギッギッギッ───ッッ!!
白夜が黒い長刀の柄を掴み、剣芯に乗り空中から穿つように突っ込んでくる
それを何とか両腕で刀を握り締めこらえる雫
「やっぱり俺の体重じゃ駄目か…」
「あなた凄い軽いわよ!!?ちゃんと食べてる!!?」
「あはっ♪ 雫さんは心配性だな~大丈夫だよっ、と。」
弾かれた長刀を中で掴み取り掬い上げる様に空中で切り上げる白夜
弾き無防備な胴に吸い込まれる様に迫りくる長刀を返す刀で斬り払う雫
白夜は空中を足場に縮地後退、それを追いかける様に縮地で迫る雫
「ふふん♪こうして斬りあいをするのは初めてだな~」
「斬りあってくれてるでしょ……! ハァア!!」
気合い一閃、それを容易く長刀で滑らせ切り払い白夜は
その返しに困り顔の白夜。
「別にバカにしてるとかじゃないだけどね……雫さんに刀を本気で振るえないだよね…おかしいね?」
その白夜の寂しそうな呟きに雫の気迫が消え失せる。
そして雫はある問いを白夜に投げ掛ける
「……白…夜さんは幼少の頃の事どれくらい憶えてますか…」
刀を鞘に収め、顔を下に向き尋ねてくる雫
その問いに白夜は少し考えるように首を傾げ、思い出す自分の憶えてる範囲を。
「ほとんど全て…だね、おじいちゃんに拾われる少し前の記憶が飛んでる位かな…なんで忘れちゃったのかな…」
「…私の方が綺麗に団子を作れましたよね。」
「はぁ?確実に俺の泥団子くんが一番……て…アレ…ェ?」
白夜の脳内にフラッシュの様に出てくる憶えのない記憶……それに上がってくる吐き気に…怒り…?
「……そ…か…全部は思い出せそうに無いけど何となく思い出したよ…」
気持ち悪い、視界が歪む、曲がる、涙が溢れてくる、だが心配掛けまいと笑みを浮かべる白夜。
「大丈夫…初めてで名前も知らないで仲良くなれたんだよまた仲良く慣れる、だから無理に思い出さなくていいよ…」
「そっか……白くん、または白夜でいいよっ♪ 俺も雫てよんでもいい?」
「…うん」
「「でもそれはそれこれはこれだよね」」
白夜は青い顔を笑顔で覆い隠し、長刀を鞘に収める
雫は無き腫れた目を開け顔を上げ、腰を落とし抜刀術の構えをとる。
先に動いたのは雫
縮地を使い一気に白夜との距離を無くす。
「──北一刀流、終型《逸閃》」
閃光──何てものではないそれ以上の速さで振るわれた刀
それを白夜は目で追い
ポトッ
──雫の刀が斬れ 決着。
「あーあまだまだだなぁ~まいった。 降参だよ白」
「ふふん♪俺の勝ち、またな雫」
最初のちぐはぐ感が消え二人で笑いあう二人
『雫選手の降参により!第十四試合・勝者!式理白夜様選手~ゥ!!!』
『先輩なんだか久しぶりですね』
『後輩Shut up 』
『うわ、普通に発音良くてムカつきますね。』
──そう言えば俺なんで怒りを……無理矢理思い出しても良いけどなんか嫌な予感がする…嫁達やおじいちゃん達に相談しょっと




