第十三試合
ゴンッッ!!
地に亀裂を入れる拳が細腕に阻まれ
ボボボボッ──ボッッッ!!!!
空気を引き裂く連打が紙のように払いおとされる
「なんだ?最近の陰陽師はステゴロも強いのか?」
「ッ─一芸だけじゃやってけなくて…ねッッ!!」
ボッッッ!──メシィ
那奈に掴まれたメアリーの腕から鳴ってはいけない音が聞こえてくる
「それは大変だな?」
「ィ……ッッ」
ぐぉんそんな音が聞こえてくる様に、メアリーの身体が後ろに振られ
「ィィィィイイッッ!!?」
ボッッッッッ!!!!
亜音速を越える速度で投げられた。
投げられたメアリーは森を木々を凪飛ばし、大地を砕き海を引き裂き漸く止まることが出来た。
「ほう…?今のでその程度とは頑丈だな?」
そう擦り傷のメアリーに無傷の那奈はいう。
「あなたそうとうの化物ね」
「化物ではない魔王だ」
メアリーが擦り傷なのには勿論種も仕掛けもある。
概念系スキル"千変万化"そのスキルの数ある一つで自分の体の性質を衝撃を吸収する"スライム"とゆうモンスターに変化。
それだけでダメージの一切をカット出来る筈だっただがそれを突き抜けたのが那奈のスキル──"魔王"
その中の一つに
相手のスキル効果の30%を無効化する
とゆうスキルが存在する
その際で何とか体術を、スキルを駆使し、掠り傷に押さえたメアリー。
だがメアリーはその間にも反撃はしていた
それが──スキル"傷写し"
ボラディアを破裂させたスキルだ。
このスキルは相手が傷を付けたものを相手にそのまま写すスキルだ。
ボラディアの時はボラディアが血の雨にしたメアリーの幻惑の傷を全てボラディアに写した。
今回もメアリーは常にこのスキルを那奈に発動させ続けている、だから那奈が傷付けた森の木々、大地、それに海の傷も那奈に写されている…筈なのだ。
だが那奈は無傷。
だからメアリーは言ったのだ、"化物ね"と。
「ふむ?芸は終いか?奇術師よ」
「クスクス…ねぇこの疑似世界凄いと思わない?」
「うむ?なんの話だ?まあ、言いたいことは分かるがな」
そうなんの脈略のないメアリーの会話に那奈は頷くと"第八試合以降"変わった疑似異界の空を見上げる。
そこには第八試合まで無かった宇宙が存在した。
「まさか宇宙まで創って仕舞うとは…な、だがそれが今なんの関係があるのだ?奇術師よ」
「私、今回ロキくんを倒して奪おうて思ったのだけどね…"今回は"無理そうねこんな方法しか取れない私があのロキくんを倒せるとは到底思えない、、、」
「ロキ…北欧の神、終える者か!成る程な我の魂がなかなか良い名だと告げている、黑き神の二つ名か?」
「黑き神…ああ、ふふ…ええそうよ、奇術師じゃ貴女を"まだ"倒せない…でも潔く敗けを認めてあげるのもしゃくよね…?」
メアリーは嗤う
「私は星読みが昔から得意でね…そればかりやっていた、てよりやらされていたね…まぁ準備終わったからこの続きは貴女が、も・し・も、ロキくんに勝てたら語ってあげる」
「ふむ?何をするか分からぬが楽しみにしてるぞ?」
「ええ、まぁここに星があって良かった、てお話よ───《【星天落堕】》」
星が降る那奈やメアリーの上に何百とゆう星が降り注ぐ
「星を堕とす程の幻惑か面白い!!」
「自爆技も良いとこよ…」
那奈が戦魔斧を握ると星を見ながら笑うそれは無邪気に
「はははっ!!行くぞ…!黒災の戦斧」
那奈の身の丈を越える柄に両端に大きな刃が付いた戦斧を片手で構える那奈
ちなみに色は黒くは無い。
そんな事など、どうでも良くなる程の魔力が那奈の体から溢れ周囲を赤黒く染め上げる
「──【ダークネスブレイク】」
赤黒い魔力が纏った戦斧の一振が星々を砕き、消し飛ばす。
「私の敗けね…」
「それは降伏と捉えるぞ?」
「えぇ…私の敗けよ。」
「なら我の勝ちだ」
そう笑顔で宣言する那奈は年相応に見えた




