偶然と第十三試合開始
▼◇安倍清華◇▼
ん…?
病室…か…。
てことは生きてるのか…私は…
「よく治せたものだな…アレに触れてしまったのだ情報すら消し潰されたと思ったのだがな…」
「…………じ………が………なお……た。」
返答は期待してなかったのだがな…?
んぅ?
「メイド…?」
「『機神支獲』…と………も……し……ます……。」
式理家の付喪神か…!
「て、私は白夜くんに治して貰ったのか…」
そう何気なく呟いた時病室に入ってくる一人の女
「やぁ、元気になってるようで何よりだね?」
「まぁ、何とかね…」
「うんうん、死者蘇生の方が楽な重傷者なんて初めて見たけど…治って良かったよ?」
あぁやっぱりそこまで酷かったのか…だよなぁ、絶対あの一撃個人に向けるもんじゃないもん。
「今は決勝とかですか…?」
「いや?十三試合前だね?」
ん!!?
「死者蘇生の方が楽な重傷者だったのでは…?」
「いやぁ?白夜様がいきなり入ってきて、ほいってやってね…次の瞬間無傷の君が現れた訳さ?何だも壊した理事、時を都合よく戻した?とかで…」
なるほどわからん
わからんことは横に置いといてってと。
「それはそれとして…なぜ支獲さんが私の病室に?」
ついでになぜメイド服…白夜くんの趣味…?
「なんでも試合後で弱ってる選手の護衛だしいよ?」
あぁなるほど…なんとなくこの支獲さんからも得体の知れない威圧感があるもんな…
「………?」
「いや、なんでもないです。」
しかしそうか…まだ試合始まってないのか…
「おや?もう立てるので?でも一応安静にしといた方が良いと思うけどね?」
「ありがとうございます…でも」
「まぁ。みたい気持ちも分かるけどね…ふぅま、止めやしないよ」
「ありがとうごさいます。では」
律儀に布団を畳、病室を出る清華。
しかし、こんな病院いつ出来たんだ…?
怪我人の治療は確か大きなテントで行われる筈だったんだがな…
─コツンコツン
「…式理が数分で建てただしいよ」
お…?君は話し掛けてくれないと思ったのだけどね
「ゆいゆい…!」
「女狐…貴様にあだ名を付けられる程仲良くなった覚えはない!」
「ゆいゆいも試合観戦?」
「女狐…!貴様そのあだ名でごり押す気だな?」
「そっかーゆいゆいもか!私もなんだ一緒に行こうか!」
「いやだ。」
「うっわ、普通に嫌がられた真名付けしたろ“ゆいゆe”「分かった行くからやめろ」」
「さっすがーゆいゆい!でも何時もみたいにセイちゃんて呼んでもいいんだぞ?」
「やめろやめろ幼馴染み風味を出してくるなっ」
いや~いい娘っこ拾ったわ、一人だと寂しいしね…
「さあ!いこーすぐいこー」
「分かった分かったから引っ張るな…」
◆◇◇◇◆
「さぁ、我達も観客を圧倒させる、いい試合をやろうじゃないか?なぁ…奇術師よ?」
「いやね~私の相手ほとんど天敵ばかりなのだけど…何かに呪われてる…?」
「名を偽るからじゃないか…?奇術師よ貴様の真名に繋がる家は呪いも得意だろ?」
「なるほど…言われてみれば…でもこの名字結構面倒事運ぶのよね…叔母はそのまま出たみたいだけど…」
「…はぁ、それで?罠はもうよいのか?」
「………もしかしてあなたのその目も魔眼…?しかも究明解明系統の…」
「少しハズレだな。それらを内包した魔眼、いや邪眼と言った方がただしいな。」
「…すぅ……呪い返して今からでも間に合うかしら?……」
「しらん。」




