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俺が理不尽です  作者: セロリM
変わった世界

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第十二試合・下


先に動いたのは白夜だった。


構えた清華の懐に容易く入り込み拳を握り締め上段に構えアッパーを繰り出す。


だがそれに対応する清華、繰り出されたアッパーを紙一重で躱すと、流れる様にアッパーで、がら空きになった白夜の胴体に正拳突きを入れ。


──直ぐに清華は縮地を使い目に映らない速さで後退し屈む事で頭上を通る、斬撃とも言っても過言ではない風圧を避ける事に成功する。


一体何が…?それは


とん、とん、と、跳びはね何時でも加速を入れれる体勢に入ってる清華の瞳黄金に輝く瞳が証明していた。


──"未来視"


「あっぶね~、正拳突き入れる前に発動しといて良かった~っ」



今の攻防、白夜に懐に入られアッパーを見た瞬間に発動を、しといた清華の──"未来視"


そこには正拳突きをものともせずに流す白夜の姿。


正拳突きの威力を体内で流し、振り回し、蹴りを滑らす様に放つことで出る斬撃に胴体を真っ二つにされた自分の姿を見た清華は。


瞬間正拳突きの威力を弱め、即縮地で後退しながら屈む事で何とか真っ二つを免れた清華であった。



「おお、避けられた♪そうか今の俺なら魔眼で見えるのか…うん♪こんくらいが丁度良さそうだな。」



そう呟き笑う白夜の後ろに、回転を加え現れる清華その体勢は踵落としだ。


「後ろだよッ!!」


「違うね、右だよ。」


完璧な奇襲を壊すように宣言する清華に、違うと即答する白夜は右腕でナニかを防ぐ。


ゴンッッ!!!!!!


「いいや!!後ろだよ!!!」


蹴りを右腕で止められた姿勢で吠える清華、そして後ろの清華の姿が崩れる様に無数の札に変わり。


次の瞬間周囲を消し飛ばす白雷が天に昇る。


────────────────ッッッッ!!!


音が消える。


擬似異界に設置された森や川ごと消え失せ大きな大穴が形成される。




清華は最初から長期戦に持ち込む気などなかったのだ、白夜の呼吸法を見た時、清華はあぁ、これはスタミナ切れを待つのは愚策だと即判断し。


式神勝負の時点で震える体を押さえ付けながら仕込んどいた、無数の札に。


禁忌級に足を踏み込んだ術式で新たに構築した禁忌の術式をベースにした"超規模術式"それを清華は自分のスキルや術式で誤魔化し騙した。



「さて白夜くんは、わざと・・・くらってくれたみたいだけど…期待に添えたかな…?」


そう宙に優雅に座る閻羅に問いかける清華。


「うぅむ、まぁまぁ楽しめた様かやってところじゃの」



その返答を聞き大穴の中心に目を向ける清華。



「うん♪この世界産なら王千次おうぜんつ以来だねっ」


そう楽しげに笑う白夜、その身体は何時も通りだが左腕の服が消し飛び手に微かな火傷を負っている姿が。


それを悔しげにみる清華


「くっそ…!左腕位は持っていきたかったかなっ」


「ふふん、さてじゃあやりますか?【《身体狂化》】」



白夜の魔力が気が世界の色を黑く塗り潰した。




今日二度目の白夜の"身体狂化"だが一ブロックで見せたのとは桁が違う。


今回使用した"身体狂化"はスキルと、武技の同時使用だ。


操作性の難易度も力の上がり幅も全てが次元が違う。


それを感じ取ってしまう清華、自分では億を掛けても辿り着けない絶技。


それを薄ら笑いを浮かべながら使用出来てしまう、白夜の逸脱した気や魔力の精密操作性。


それを間近で見た清華の感想は──狂ってる。だ


一歩間違えさえすれば虚無の爆発に呑まれ消え失せる身体、また爆発させなくとも、星を凌駕する量のエネルギーを笑いながら操作してしまう精神性。


そしてそのエネルギーを細胞単位に回し強化にしてしまおうと考え付くいや、考え付いてもやらんだろう…!


そんな事を考えても目の前の光景に魅入ってしまう自分せいかがいる。



黑く鋭くなる異形の手足


背中から生えてた翼は円を描く黑い光輪


片方の瞳は過剰な魔力で発現・・してしまったのだろう魔眼が目を黒と白を反転させ、白目から溢れ走る黑い黑い紋様の様なもの。



そんな人によってはいや、普通は禍々しいと言われるべき姿が清華には恐ろしい程──美しく見えた。



「これはお礼と考えて良いのかな?」


はっきり言って自分を倒すのに此処までする必要はないと分かっている清華はそう白夜に聞く。


「…まぁ、何がお礼になるのか俺はサッパリだけど勘がこれなら喜んでくれる、って囁くからね。良い勇気見せてくれたお礼にって事で」


ふう、そう諦めたかの様に笑うと清華は中指を立て宣言する。







「次はそのナメプ状態の白夜くんの左腕持ってってやる、──楽しかったよ」



──黑い空が清華を押し消した









ここで負け知らずの天才が生まれて初めて敗れた。


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