第十二試合・中
色付きについて。25話前で書いてあります。
◇▽白夜▼◆
さて閻羅さんを、呼んじゃったら術比べも遊びも出来ないかぁ…
「坊や坊や坊や坊や♪何故にこんなによばなかったのかや?」
何故って…
「閻羅さん、おばあちゃんから、やり過ぎ!て謹慎処分受けてたでしょ…?」
「そやったかや?」
「うん」
あの時の後処理したのも俺だったし…まぁ自分の式?だしね…
「しかし白坊が私を召喚するなんて珍しい事もあるかや。」
ふっふっふっ
「式神勝負を挑まれてねっ★でも俺式神と呼べる式神は…閻羅さんだけだし…」
「式神勝負ぅ?」
白夜の自分の本体が呼ばれた理由を知り閻羅は下を見る。
そこにはガタガタ震えながらも戦う姿勢を崩さないそれなりの小娘に。
その召喚主の小娘には相応しくない塵が2つ
その塵の真名を見て閻羅は呆れたように吹く
「はっ、召喚主の命令も無ければ動けぬとは…名前だけは立派かや?」
その辛辣に思える閻羅の評価を聞き白夜は同意する。
まぁ言われてもしょんねぇよなぁ~、清華さんは閻羅さんの無差別に放たれる威圧に真っ向から抗ってるのに、式神がひよって命令待ち、盾になって主守ろうてゆう気概も感じない。
そんな事を胸を頭の上に乗せられながら思考する白夜…半年ぶりだから結構好き勝手にさせとこうと言う方針らしい…
「ふむ?まぁそうじゃのよわいものいじめになるかやしょうもないな?」
そう話すと閻羅の姿が黒い靄から人の形になる、そこから現れたのは"絶世の美"神絵師に書かれた様な完璧さ。
特徴は金と銀のメッシュの様に流れる左右の髪。
現れ次の瞬間姿が変化する
狐の様な耳を白の毛並みで統一し腰に現れる九つの尾
それに驚愕したのは清華だ
「"九尾の狐"ッッ!!?ふざけんなッッそんなの何処に居たんだよッッ!!?」
「ふふふ、小娘私は"九尾の狐"などではないぞ?」
「("九尾の狐"では無いなら幻覚…?だが此処までの威圧感を放つ妖怪…?"色付き"なのは確定だが分からないっ【明けの目】でも一ミリもみれやしない)」
そんな清華の思考を押し潰す様に閻羅の九つの尾がメキメキと音を立てだす
現れたのは九つの尾から形成された獣の、猿のような手
白夜を自分の両腕で抱き抱え、尾から手に変形した獣の手をさらに肥大化させるそれは、恐怖から身動きがとれない二匹を容易く越すような大きさな手になった。
「なんだ…ソレ…ッッ!!?避けろッッ!八岐大蛇!!餓者髑髏!!」
何故そこまで大きくしたのかを察した清華が式神に指示を飛ばす──が動けない
「八岐大蛇!!餓者髑髏!!?」
そのまま巨大な獣の手に鷲掴みされた二匹の式神
このままでは二匹共握り潰され終わるッッそう思考した清華は閻羅の参考を辞め。
二匹の式神の強化に専念する。
「暴れたもう、暴れたもう!その本能を開放したもう!!《暴虐の凶走》!!!」
そこからの判断は早かった、清華は生半端な強化では意味を成さないと理解し。
禁忌の術を発動させた、下級の妖でもこの術で強化されれば"見境"無く国半分を破壊し尽くせるだろう。
そんな禁忌の術を最上位の妖に使った。
ならばどうなるか──言わなくても分かる
この擬似異界位数刻と立たず破壊し尽くすだろう。──
グチャグチャグチャゴックン
真っ白な毛並みの手からそんな音がいやに響く。
獣の手が喰われた──否
獣の手"に"二匹の式神が喰われた音だ。
八岐大蛇を"喰らった"獣の手からは大量の血が滴り落ち
餓者髑髏を"喰らった"獣の手からは怨念の"お"の字も感じられない骨屑が落ちてくる
見せつける様に開かれた獣の手には大きな獣の口が…
「なんなんだ……」
さすが安倍家の当主、鵺ではないと分かるのか…
「ふふふ、小娘貴様はそれなりに強くなるだろう…だから名乗ってやろうだが呼ぶのでは無いぞ?もし呼んだら喰ろおてやろう、私の名は、混妖閻羅憶えておくことを許可してやろうかや。さて白坊…やるんかや?」
「うん"式神勝負"は俺の勝ち、だから次は普通に俺と勝負しようか?安倍さん?」
「ふふ、ふふふ。物好きだねぇ、その式神で私を押し殺せばいいのに?」
そう笑うと清華は腰を落とし拳を引き、手を前に落とす様に構えると同時に白く輝く身体強化の術式を発動させる。
「白夜くんはあの黒いの発動させないのかい?」
「うんまだね…?絶賛ナメプ中だからさ?」
「本人前に言ったこと後悔させてやる。」
「挑発だよ~?まぁ分かってるだろうけどね?」




