1.今日も一日が始まる。
ここから第2章。
短いですが、日常のワンシーンです!
「学園は楽しいか、シャイン」
「うん、とっても楽しいよ!」
養父――ダンケハイムの質問に、俺は満面の笑みで答える。
かれこれ入学後一週間が経過していたが、これまで剣術や魔法学、さらには薬草学といった学問の基礎を知ることができていた。
それは今まで盗賊の村で生きてきた俺にとって、得ることができなかった、かけがえのない時間。この時間を与えてくれた養父には、改めて感謝だ。
「そうか、それは良かった。ところで、今日は何の授業なんだ?」
「えっと、今日は治癒術だったかな!」
「ふむふむ」
俺の声に満足げに頷く養父。
そして彼は、ふと思い出したようにこう言うのだった。
「そういえば、最近は通り魔事件が起きているらしい。登下校の際には、細心の注意を払うようにな?」
「通り魔事件……?」
それに俺は首を傾げる。
すると、ダンケハイムは難しい顔でこう言った。
「どうにも、学園生を狙ったものらしい。幸いなことに死傷者は出ていないが、気を付けるんだぞ」
「そっか……。うん、分かった!」
俺は忠告に対して、素直に頷くと立ち上がる。
そして荷物を手にして、手を振るのだった。
「それじゃ、行ってきます! ――父さん!」
そうすると養父は柔らかな笑顔で、俺のことを見送る。
今日も一日が始まる。
しかし、その日は俺にとってずいぶんと長く感じられる日となるのだった。
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