2.シャインの決意。
ここまでオープニング。
次回から、王都立魔法学園編になります。
――リーシャス家にやってきて、数週間が経過した。
それだけいると、この家の事情というものが分かるようになってくる。
一つ目に、ダンケハイムは妻と死別しているということ。
屋敷にやってきて間もなく、俺と父さんは一緒に裏手にある墓に向かった。そして挨拶と称して、その人のことを伝え聞いたのだ。
養父は今でも亡くなった妻を愛しており、再婚する気はないとのこと。
二つ目に、この家には跡取りがいないということ。
先に説明したダンケハイムと妻――ミリアの間には、子供がいなかった。そこにきて彼も再婚をする気がないため、公爵家でありながら跡取り不在という緊急時だったという。もしかしたら、俺を引き取ったワケは、そこにあるのかもしれない。
「そうなってくると、俺にできることは――」
以上の状況を鑑みて。
俺は自分に何ができるかを考えた。
「これしか、ないよな……!」
答えはすぐに出た。
書斎に向かった俺は、そこから多くの書物を引っ張り出す。
そして、すべてを自室へと運び込み、一心不乱に読み耽ったのだ。魔法学に薬草学、さらには治癒術、貴族としてのマナーや歴史についても。
俺にできることは、ダンケハイムのために立派になることだった。
それがあの日、救われた俺にできる恩返しと思ったから。
「ふ、む……? ずいぶんと、熱心だな」
「……って、父さん!? いつからそこに!」
「はっはっは。書斎がのドアが開きっぱなしだったからな」
「あ、あぁ……。閉め忘れてた……」
大きく笑う養父に苦笑いをする俺。
頬を掻いていると、彼はこちらに歩み寄って本を覗き込んだ。
「ふむ……。魔法学か、なるほど」
「どうしたの?」
俺が首を傾げると、ダンケハイムは一つ頷いた。
そして、こう訊いてくる。
「シャインよ、学びの場が欲しいのか?」――と。
それは、俺がまさに求めているものだった。
即座に頷くと、彼は満足げに笑う。
そして――。
「ならば、ちょうど良い。シャインにとって、有益な話がある」
「有益な話……?」
そんなことを言うので、俺はまた首を傾げた。
ダンケハイムはその様子を見て微笑みつつ、こう言うのだ。
「シャインは十二歳なのだろう? であれば、王都立魔法学園に通うと良い。そこであれば剣技や魔法のみならず、多くの知識を得ることができる」
「本当か!? ――俺、立派な大人になれるかな!」
「あぁ、なれるとも」
興奮して答えると、養父は優しく笑って俺の頭を撫でる。
それを聞いて、俺はますます気合が入った。
そして、決心するのだ。
「ありがとう、父さん! 俺――立派な貴族になるから!!」
自然と頬が綻ぶのが分かった。
養父はそんな俺を見て、また優しく目を細める。
こうして、俺は王都立魔法学園に通うことが決まったのだった。
てか、シャインくん良い子じゃないっすか?
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