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 大路の問いに対して一番に回答したのは佐摩だった。


「いや、場合によってはお前達が立合いをする必要はないかもしれない」

「どうして?」

 私の疑問を大路が代わりに聞いてくれた。


「バスケ部の中で何軍になるのか、おそらく入部してから割り振られるだろう。その時に結果が出るかもしれない」

「え!お前もバスケ部なのかよ!?」

「お前…それ本気で言っているのか?」

 佐摩が信じられないといった顔をして春山を見る。

「え…だって…。えええええ!!?」

 春山も驚愕に満ちた表情になっている。


「俺に出会い頭から突っ掛かってきたのもバスケで因縁を持っているからだと思っていたが…違ったのか」

「違うし!つかそんなに女々しくねえし!ってことはお前…。学業以外で6組にいるのって…」

「バスケの経歴からだ。お前とも全国大会で試合をしたことはあるが?」

「え?」

「これなら見覚えがあるか?」



 佐摩が眼鏡を外した。

 知的でクールな顔は相変わらずだが、がらりと印象が変わる。眼鏡を外すとさらに眼光がきつくなった。顔だけで言うならタイプだ…かっこいい。


「あっ!」

 春山が指を指して驚いた。


「名前で覚えてないのか…。バスケ以外は本当にすっからかんなんだな。その頭は飾りか?」

 佐摩はすっかり呆れた顔になっている。

「飾りじゃねえよ!お前服装とか髪型で印象変わりすぎだろ!」

 春山に同調する訳じゃないけど、私も少し共感した。服装や髪型でガラッと雰囲気が変わる。最近人気の塩顔男子特有のものだよね。ごちそうさまです。


「話にならんな」

「うっ…。ごめん…」


「仲良さそうなところ悪いけど、結論は?どうするの?」

 大路が笑顔で詰め寄った。


「ひとまずそいつが一軍に入れたら勝負してやってもいい」

 言葉から察するに佐摩は勿論自分が一軍になると確信した言い方だ。

「挑むところだ!」


 熱い!熱いなあ…なんだか本当に少年漫画の世界に入ったみたいだ。主人公春山。私はヒロインポジションにはなれなさそうだな。皆の認識としては男だし。モブキャラ一直線だ。


「おっけー。少しまとめるね。一軍に入れなかった時点で優劣が決まるから勝負をする必要もない。ただし、二人とも一軍に入った場合、勝負をする」

「その通りだ」

「じゃあ二人とも一軍に入れなかった場合は?」

「それはない」

「だからもしもの話だよ~?」


 大路の声が弾む。こいつちょっと楽しんでるな…ドエスだ。こわい。やっぱり近寄らないでおこう。


「ふん。一軍に入れなかった時点で8組に編入。これでどうだ?」

「あはは。面白そうだね、それ」

「涼介…。お前楽しんでるだろ」

「まさか?ふふふ」


 そして仲良さそうにしてるけど8組の私の前でこいつらわざとなのか?デリカシーなさすぎだろ…。

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