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いつもお読みいただき、またブックマークもありがとうございます!すごく嬉しいです。私事で申し訳ないのですが、平日の更新が厳しくなってきましたので、土日メインで更新させていただきます。詳しくは活動報告をご覧下さい。引き続きよろしくお願いいたします。
「何、突っ立ってんの」
日浅が話しかけてきた。
鳥木先生の言葉が気にかかり、ぼーっと立ち尽くしてしまっていたみたいだ。
「あ、ごめん」
「先生と何話してたの?俺も話したかったのに。最上ずるいし」
…そう言えばこいつ鳥木先生タイプとか言ってたな。
「年上が好きなの?」
「そう言う訳じゃないけど。もうちょっとバスト大きかったらストライク。スレンダー過ぎじゃん」
あっそうですか…。
「そういうもの?」
「人間無い物ねだりな生き物だし」
意味が分からない。
「どういうこと?」
「説明するのめんどい。自分で考えてよ」
何だそれ。コミュニケーションきちんととろうよ。
「日向ーーー!!哲ーーー!!」
誰かが叫びながらこちらに向かって走ってくる音が聞こえた。この声は…。
春山が尻尾を左右に揺らしながら姿を現した。
「やっとホームルーム終わったな!部活見学一緒に行こうぜ!」
「君、6組の友達とは行かないの?」
「ハル友達いないんだ。ちょーかわいそう」
「あっ!今憐れみの目で見ただろ!やめろよそういうの。何かさ、皆ホームルーム終わった瞬間さっさと単独で行っちゃったんだよ」
「…というか君の場合、前の席が佐摩君だったから早く席を離れたかったんじゃないの?」
春山の目が泳ぐ。図星か。
「初日だしこんなもんだろ!友達は作るものじゃなくてできるものだし。それよりぶっかつ~ぶっかつ~」
春山。花が飛びまくってる。
「というか行く部活同じじゃなかったら一緒に行っても意味なくない?」
「え?だって日向はバスケだろ?一緒だよな?最初会ったときバスケ好きか聞いたら今でもすごく好き~とか言ってたし」
「…まあそうだけど。彼は?」
ちらっと日浅を見る。
「いやいや何言ってんだよ!哲は勿論バスケ部だよ。俺と同じレギュラーだったし」
「勝手に決めんなよ。掛け持ちするか悩み中」
「えー絶対バスケ部!俺とのゴールデンシュート決めたいだろ!」
「別に」
「誰ももうあのこと気にしてないって!」
ピクリ
日浅の眉毛が動く。
嫌な沈黙。
「あ…。ごめん」
「…別にハルが謝ることじゃないし。今日は帰る。5月位まで見学受付てるんでしょ。また今度。んじゃー」
そう言うと日浅は背を向け、ひらひらと手を振り去っていった。
昔何かあったのか?少しゴシップ好きな人間の性が出そうになるが触れられたくない過去は誰にでもあるもの。ここは理性で好奇心を抑えねば。
「その前に僕らとやることがあるよね?」
後方から声が聞こえた。
振り向くと佐摩と大路が立っていた。