プロローグ
初投稿です。主要メンバーの登場、キャラクターの関係構築、展開を進めるのに時間がかかるかもしれません。気長にお付き合いいただければと思います。ブクマ、感想ご意見いただけると嬉しいです。
3月。
高校の合格発表が終わり、これから立ち向かうであろう高校生活に色々と不安を抱えた私、日向 渚は中学の仲の良いメンバー3人で集まり、胸中を打ち明けた。
私の進学先の園上高校はより強固な勉学の一本化を目指し、男子校として運営する方針となっていた。
表向きには共学なので少数の女子を受け入れるとしていたが、女子の受け入れは3年前からしていないと。
じゃあ何で私が入学できたのかと問い詰めると、私の容姿があまりに少年らしさを兼ね備えていてつまりは男子と間違えたそうだ。失礼すぎる…。
「えー!何それ漫画?ドラマ?!ノンフィクションやん!そんなんあるんやね!」
ひーひーと大声をあげて私の右横で笑うのは私の友人である五十嵐 楓。
「いや…流石に驚いたよね。確かにスポーツ一本、勉強一本と絞ってショートカットヘアだし女子らしいこと何もしてこなかったけどさ」
「いやいやそれは最早楽しんじゃえばいいんちゃう?日向チャンが女になるチャンスになるかもよ?逆ハーレム~羨ましいぞ!」
そんな軽口を叩いて彼女は更にあははっと笑った。
「うーん…まあ3年間我慢すれば一応特別プログラム枠としてってことで女として卒業させてくれるとは聞いたけどさ」
暗い顔で私が受け答えをしていると、正面に座った二人めの友人兼私の双子の妹である日向 ひなたが優しく声をかけてくれた。
「大変だよね。何とか言ってそこの高校の関連高校に通わせてもらえたりしないのかな?」
「いや無理だよ。というかせっかく難関高校に入学することができるのにそれを棒に振るのは嫌!私の勉強時間返せよって思っちゃうわけさ!」
「何なんそのプライド?おもろすぎやろ!うははっ!」
両手をバシバシと叩いて爆笑する楓。
酷い。私だって人間だから傷付くんだぞ。
「楓ちゃん笑いすぎだよ!でも、なっちゃんも意外と大丈夫そうだね。ふふ」
ひなたまで酷い…。
人間不信になったら訴えてやるからな!
「二人とも酷い。選ぶ友達間違えたわ」
むすっとした顔になってしまう。
「あははは。ごめんて。まあでもほんまに嫌やったら、学校側のミスなんやし色々打開策出してくれはるんちゃう?」
「まあね。とりあえずやれるとこまでやってみるよ。ごめんね二人とも話聞いて欲しかっただけかも。すっきりした」
トイレとか着替えは不安だけど。まあ何とかなるでしょ。
「どういたしまして!」
おお。ハモった。
「またしんどなったらいつでも呼んでな。地元は一緒やしいつでも駆けつけたるで。」
「私もお家一緒だからいつでも愚痴きくよ」
「いや、それがさ。全寮制なんだよね。そこ」
「はーーーーー??!」
うわ~。息ぴったりだな二人とも。
感心する私を他所に、二人の口は数分開きっぱなしで止まっていた。