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騎士の嗜みと思春期男子高校生。

 前回総合評価3桁いったらいいなーって活動報告で言ってたけど、もはやブックマークだけで3桁いってる…

 し、しかも日刊ランキングジャンル別で10位以内って! 総合でも100位以内って!

 えぇぇぇぇ……。

 みなさま! 本当に! 本当にありがとうございます!

 相も変わらず駄文ではありますが、お読みいただければ幸いです。

 ……これ、夢じゃないよね?

「あ、あの……そんなに見つめないでください……。恥ずかしい、です」


「か、かわいい……」


「はい? 今なんて?」



 おっと危ねえ。

 つい心の声が漏れちまったが、ギリギリ聞こえなかったようだ。

 なんとか誤魔化さないと、と思い俺は言葉を重ねる。



「いえ、なんでもないですよ。そういえば、まだあなたのお名前を聞いていませんでしたね。俺の名前はRenです。あなたの名前は?」



 人に名前を尋ねるにはまず自分の名前から。

 騎士の嗜みだ。

 ちなみに騎士ではないし、急に敬語になったのも騎士っぽいからとかじゃなくて女子にため口とか久しぶり過ぎたせいで意識しだしたら恥ずかしくなったからだ。

 むしろさっきため口だったのが黒歴史まである。


 これが現実世界なら相手からもすぐに忘れられるし気にしないんだが、今の俺は存在感激強なのだ。

 多分気配遮断レベル1よりも現実の俺に備わった気配遮断のほうがレベルが高いんだろう。

 なにそれいらねえ。現実の俺キャラメイクし直そうかな。できないけど。



「私の名前はサラ。ただのサラです。れんさん、よろしくお願いします」


「お、おう。よろしくお願いします…?」



 何がよろしくお願いしますなのかは知らんが、そう返答しておく。

 この人には好感を抱いてほしいし、というかもっとお近づきになりたい。

 現実ではまともに女子と話すこともできないのだ。NPCとはいえこんなにかわいい人と仲良くなりたくないと言ったらウソになるな。

 かわいくて、スタイルもよくて、胸も大きくて、それに胸も大きい。



「ところで、敬語じゃなくてさっきみたいに話してくれてもいいですよ? 私もその方がやりやすいですし」


「え!? あ、ああそう? わかったよ。うんうん」


「……なんであわててるんですか?」



 心なしか彼女の視線が冷たくなっている気がする……。

 いや、別に変なこと考えたりしてないよ?

 本当だってまじで。

 むしろ思春期の男子高校生としてはまっとうなことしか考えてない!

 しかし、どうして彼女は俺の考えていることがわかったんだろう。

 まさか! エスパーか!?

 VRMMOだし、なんかそういう系の能力持ちもいるのかもしれない。



「れんさん、女の子って結構視線にビンカンなんですよ?」


「し、ししし視線!? 一体何のことやらさっぱりだよ」



 なんてこったい! 

 女の子標準装備の異能だとよ!

 べ、別にそんなに胸とか見たわけじゃないっていうか?

 ただ大きさが大きさだから視界を占める割合が大きかっただけで!

 そんなに注視していたわけじゃないよいや本当にまじで。ただちょっとガン見したくらいだよ。

 

 なんというか、普段は影が薄いせいでというかおかげで、あんまり女子に気付かれてないから意識してなかったけどこの身体になってからはそういうことにも気を使わないとな。



「まあいいですよ。で、あのー、さっきは何かお困りのようでしたから少しお力になれたらなーと思っていたんですけど……」


「あ! そういえばそうだった。あの、大変お恥ずかしい話なんですが、実は少し道に迷ったというかなんというか」


「敬語!」


「い、いや別にいいじゃんこれくらい。っていうかサラさんも敬語だし」


「私はいいんですよ私は。職業上敬語には慣れてますし」


「職業上? 一体何の仕事してるの?」



 というか、ここまで自然に受け答えできるなんてこの世界のNPCはどれだけリアルにできているんだ?

 普通に人間と話しているのと比べてもなんら違和感がないくらいだ。

 そのリアルさからは感情の存在すらうかがえる。

 どんなスーパーコンピュータでも0と1で構成されているはずなのだから、限界があると思う。

 それを感じさせないこの会話。まるで本当に生きてるんじゃないかと、NPCじゃなくて人間なんじゃないかと思ってしまう。


 しかし、彼女の頭上に表示されている《NPC》の文字を見る限りサラさんはNPCなのだろう。

 どんなにリアルでかわいくても、NPCなのだ。



「私は、冒険者ギルドで受付をしているんですよ」


「へえ~、そうなんですか。って、え!? それ本当?」



 ちょっとNPCについて考えていたら、サラさんがすごいことを言った。

 え? まじで? 冒険者ギルド?

 それってちょうど俺が今探している所じゃん!

 やばい。何らかの運命感じる。

 聞き逃さなくてよかったぁ~。



「本当ですけど……どうしてですか?」


「いやあの、俺今ちょっと道に迷ってるんですけど」


「迷子ですね?」


「断定された! まあものの見方によっては迷子という表現もできなくはないけど、迷子じゃないから! ただちょっと道に迷ってるだけだから!」


「それを迷子というんですよ。それで、目的地はどこですか? 私でよければ案内しますよ。わかる場所だったら、ですけど」


「お願いします! 実はあの、冒険者ギルドに向かってたんだけど…」


「え? 冒険者ギルドは中央噴水から大通りをまっすぐ進めばたどり着くはずですよ? なのにどうして迷っちゃうんですか」


「いやはやまったく面目ない。なんかかなり道が混んでいたんで空いてる道を通ろうかと思ったんだけどね、なんていうかわかりにくくって」


「もう! そうやって基礎もない内に王道から逸れてしまう人は成功しませんよ! でも、冒険者ギルドなら私も案内できそうです。えへへ、もう少し一緒に居られますね!」



 か、かわいい!

 というかサラさん中々に含蓄のある事言うなあ。

 基礎もない内に王道から逸れてしまう人は成功しない、か。

 それってあの、料理できない女子がレシピ通りに作ればいいものをなんか急にアレンジとかして結局失敗しちゃう的なあれだろ?

 ……それと同列に語られるのはなんか癪だな。まるで俺がドジっ娘みたいじゃないか。



 その後俺とサラさんは、冒険者ギルドに向かって仲良く談笑しながら歩いて行った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ちょっと待ちなさい!」


 

 !?

 なんか急に上の方から声が降ってきた。

 というか、なんか聞き覚えがあるような……。



「蓮くん! 蓮くんでしょ! なんで私を待たせておいて女と一緒にいるのよ! もう信じらんない!」



 間違いない!

 この声、この呼び方、そしてこのよくわからないテンション。

 鈴だ。



「れんさん、どういうことですか? 女の方と待ち合わせをしていたんですか? もしかして彼女さんですか?」


「あ、いや、ちが! 違くて!」


 くそう妹め!

 この麗しきサラさんとの時間を邪魔しやがって!

 まあ待ち合わせしてるのにこんなに遅れるのは単純に悪かったと思ったけど……。


「ちょっと蓮くん、どういうことなの?」


 鈴のその声と共に、後ろからシュタッという着地音が聞こえた。

 振り返ると、そこには鈴の面影を残しながらも少し顔を変えさせたキャラがいた。

 もともとすでに完成された美少女だった鈴だが、少しパーツをいじっただけで結構印象も変わっている。

 まず、リアルでは腰のあたりまで伸ばしている綺麗な黒髪は赤色のショートカットに変わっていたし、薄かった唇も厚ぼったくて瑞々しいものに変わっている。

 肌の色もリアルではシミ一つない白さだったのがここでは少し日焼けをしている。


 現実での清純や清楚といったイメージから活発で健康的なイメージのほうが強くなっている。

 我が妹ながらかなりかわいい。

 

 じっと見つめてたら少し頬が染まってもじもじしだした。



「えと、……どう、かな?」


「ん、ああ、いいと思うよ。普通にかわいい」


「そ、そう! まあ別にどうだっていいんだけど! ただ聞いてみただけだし!」


「ああわかってるわかってる」


 

 実の妹なんだから特に何も感じないしな。

 っていうかいくら可愛くても妹になんか感じるようになったらまじで末期だろ。

 


「れんさん、そろそろ説明していただいてもよろしいですか? この女の人が誰なのか」


 サラさん!?

 怖いよ! なんか怖いよ!

 目から輝きがなくなってる感じがする。


「そうよ蓮くん、こいつは誰なのよ! 説明しなさいよね!」


「こ、この人は冒険者ギルドの受付をしているサラさんといって……。っていうか、そんなに怒んないでよ」


「へぇ~……、ギルド嬢、ね……。それはともかく、怒るに決まってるでしょ! あんた待ち合わせに何分遅れるつもりなのよ!」


「ああ、それは本当にごめん。悪かったと思ってる」


「ふん! で、なんで遅れたの? まさかその女と会ってたからじゃないでしょうね?」


 

 いや、まあ道に迷っただけなんだが……。

 なんかそれも格好がつかないよな。

 兄の威厳的なものが一気に崩れ去ってしまう気がする。

 でもここで嘘をつくのも悪い気がするし……。



「なんで黙ってるの蓮くん? ま、まさか本当にこの女と……?」


「い、いや違くて! なんというか、道に迷ったというか……」


「はあ!? 道に迷った!? 高校生のくせに何してるのよ!」


「で、その困られている姿を見かけて私が声をかけたんですよ。ところで、あなたはれんさんの何なんですか?」



 サラさんが鈴に問いかける。

 にこやかに微笑んでいるはずなのに威圧感がすごい。

 ゴゴゴゴゴ! という擬音が背後から聞こえてきそうだ。

 

 対する鈴からもメラメラと赤い炎が巻き起こっているように見える。

 めっちゃ居心地悪いよこの空間!

 あれだ。虎と龍がにらみ合っているみたいだ。



「私は! 蓮くんの妹ですけど、なにか?」


「い、妹さんですか! それは失礼いたしました! 妹さんだったんですね。これからよろしくお願いします!」



 鈴の言葉を聞いてフシュゥゥゥゥとサラさんのオーラが消えていき、代わりにひまわりのようなポワポワした雰囲気がサラさんの周りを漂いだした。

 なんだろう。すさまじい手のひら返しだ。

 俺はなにか釈然としないものを感じたが、それは鈴も同じだったようだ。

 すかさずサラさんの発言に噛みついている。



「よろしくってどういうことよ! ったく、意味わかんない! ほら蓮くん、早く冒険者ギルド行くよ!」


「あ、それだったら私も一緒に行きますよ。私、冒険者ギルドで受付をしてますから」


「だ、だからって一緒に行く必要はないじゃない! 大体冒険者ギルドの場所なら私がちゃんと把握してるんだから、案内なら必要ないわ!」


「じゃ、じゃあ、私もこれから冒険者ギルドに用事があるんです! だから一緒に行きます!」


「じゃあって何よ! あんた絶対用事ないでしょ!」


「ありますよ! それにあんたじゃなくてサラです! 友達になっていただけますか!」


「いいわよ! 友達にでもなんでもなってやるわよ! 私は鈴、蓮くんの妹よ!」


「はい! よろしくお願いしますね、鈴ちゃん!」


「あ……。ふん!」



 なんか知らないけど急速な展開でいい雰囲気になった!?


 あーこれあれだな。俺の存在忘れられてるな。

 うんまあわかるよ。俺影薄いもん。超影薄いもん。

 知ってる知ってる。それが嫌でこのRDO始めたからね。


 それが嫌で、始めたんだから、ね?



 …………泣いてもいいですか?

 お読みいただき、誠に誠にありがとうございます。

 もうなにがなんだかわかんないです……。

 

 こんなにお読みいただいていて、さらにお願いをするなんて厚かましいところではありますが、感想をいただけたらなーと、思っている次第でございます。

「ここおかしくない?」というようなご指摘も有り難いですし、「つまらない」「面白くない」「ワナビ風情が粋がってるんじゃねえ!」等の意見も大変うれしいです!

 できればそんな中に「面白い!」「かわいい!」というようなプラスの意見があったらいいなーとか夢見ちゃったりしています。


 

 本当に、お読みいただき有り難うございました!


【加筆修正のお知らせ】

2016/9/18/10:20頃

・サラさんに名前を聞く前の地の文に加筆

・前話でサラさんに《NPC》と表示されていることを加筆したことに伴い加筆修正

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