エピローグ 彼らの国
エピローグ
彼らの国
「これからはお前たちの時代だ・・・栄えるも滅びるも、好きにするがいい・・・」
「「・・・父上」」」
最後、キシリはヒカルとリオウにそれだけ言い残し去って行った。
―――――二人が創る新たな国は―――――
ウェルドラド王城 正門前
――――ドシュウゥ!!
「・・・カケル殿・・・」
「交渉の結果を・・・」
「カケルっ!!遠いとこからずっと走ってきたの!?無茶しちゃって・・・とりあえず休んで、シゲノブ、王への伝令は任せたわよ。」
「承った。」
ウェルドラド王城 執務室
「リオウ様」
「セツナか・・・どうした。」
「西に向かったカルノレットより、敵軍の不穏な動きがあるとの伝令が届きました。」
「西か・・・だが、そろそろ・・・」
「失礼する。」
「シゲノブ・・・正門の番はいいのか?」
「正門にカケル殿が伝令を届けたので、それを。」
「カケル・・・そうか、ヒカルの交渉の結果だな。」
「これを・・・」
そういってシゲノブはリオウに伝書を渡す。
リオウはそれに目を通すと――――
「セツナ、西だったな。今すぐ向かうぞ。」
「御意に。」
「ソフィ、我の留守の間は任せる。」
「はい。お待ちしてます。・・・この子と」
執務室の奥で、ベルとルゥムに急かされて急務となった結婚自由化の書類に目を通す、少しお腹が大きくなったソフィが笑顔でそう応えた。
最強の・・・強き王が民を護る国・・・そして――――
「リオウ様、ヒカル様の方は・・・」
「それなら―――――」
パぺリオン王城
「パぺリオン国王、同盟を結んでいただき感謝します。これで人形に自由を・・・」
「よかったわね。リーネ。」
「はい。キララさん。それもこれも、ベルさんのお母様のご協力のお陰デス。」
「ヒカル様のためですもの、母との和解もやって見せます。」
「・・・今回の件での尽力は認めますが、ヒカルさんは渡しません。」
「『渡しません』?キララ様は何をおっしゃっているのか・・・ワタシは子供の頃からヒカル様のモノですよ。」
「・・・さ、色ボケした女どもは放っといて、次は東の国との交渉だ。あそこも『今』干ばつで飢えている。早くしないとな。」
「それじゃあ、母さん。お願いします。」
そうベルが言うとベルの母は、王城の裏町に住む人を連れてパぺリオンに新設された工房へ向かっていった。
「これで、人形も、裏町も救えるはず・・・」
弱き王が踏みつぶされる小さきを救う国に――――
西の国に向かうリオウ一同の道中
「へへへ・・・こいつは立派な馬車だこと・・・金目のモン全部おいていきな。そうすりゃ命までは取らねぇ!!」
「・・・族か」
東の国に向かうヒカル一同の道中
「おめえさん、確か二人の王の弱い方だったよな?恨みは無えが俺らの商売に協力してくんねえか?」
「野盗か・・・」
ウェルドラドは二人の王が存在した――――しかしながら二人の王は民を護り、弱きを救うべく世界中を奔走し、城にいることはほとんどいなかったとか・・・
「「貴様ら!!誰に向かって言っているかわかっているのか!?」」
そんな彼らは道中襲われることも多かったが――――
「「へっ!!これから死ぬ奴の名なんて知るかよ!!」」
彼らを護る戦士達はとても強く―――――戦う時には―――――
「「知らぬというか、ならば聴くがいい!!世界を照らす王と!!王を守護せし戦士の名を―――――」」
戦士達は世界に其の名を謳う―――――
どーも、ユーキ生物です。
筆者的には10秒前くらいに前話の後書きを書いていたので導入がやりにくいですが・・・
これにて「戦士達ハ世界ニ其ノ名ヲ謳ウ」完結になります。まだまだ未熟な文章でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
書きたいものを書けて満足ですが、正直もう「名乗り」は遠慮したいですね・・・一人二人ならいざ知らず・・・12人はハード過ぎる・・・ということで、続編も今のところ考えていません。前に思いついたと言った続編「戦士達ハ世界ニ其ノ名ヲ謳ウ ―盛者必衰編―」はタイトルがあまりにネタバレ過ぎるので没にしました。
ちなみに悩んだエンディングは1.リーネが犠牲になるエンド、2.リオウが人柱になるエンド 3.王家の魔術で世界を消しちゃうエンド、の三つです。前作であれだけ後味悪いエンディングを書いておいて、本作でもやっちゃうのか?と悩んだ結果のグッドエンドです。現王政は、まぁ、いいです。
それにしても本作は自分で振り返って恥ずかしいくらいナチュラルにキャラが交尾してますね。いや、まぁ、そんなシーンはないんですが・・・カル&レイラは自制して戦友で留めました。
最後の結婚自由化の法改正はベルが身分の改正、ルゥムが結婚年齢の改正を申し出ています。リオウ第一子が誕生しますから、彼らの王政もこのままならあと十数年です・・・となると誰もが思っていた・・・盛者必衰編に続く!!・・・みたいなことを考えてました。もうそれでお腹いっぱいですよね。
そんなこんなで「カッコイイ」をテーマにやりたい放題やらせてもらった本作は完結となります。本作への不満を言うのなら、「戦士達は世界に其の名を謳う」でいいじゃん!!ということでしょうか・・・変換一発で出てこないのでいちいち書くのが面倒でした。「カッコイイ!!」とか企画段階で浮かれていた自分を全力で止めたいです。更に、職場では句点を「,」を使うのですが、ここでは「、」を使う判断をしたことも止めたいです。次作は「,」に変わってるかもしれません。
では、何か話し忘れている気もしますが、この辺で。今までありがとうございました。ご感想、評価、いただけましたら幸いです。
よろしければ次作「Desire Game -2nd players」もよろしくお願いします。
秋・・・9月頃に投稿できる様進めて参ります。
9月は過ぎましたが、何とか投稿を始められました。
下記URLにて公開中
https://ncode.syosetu.com/n1974ei/




