第三十六.五話 ウェルドラド裏門戦
第三十六.五話
ウェルドラド裏門戦
ウェルドラドの裏門、そこは今回の戦場から見たら国を越えた反対側で戦争とは関係のない場所のはずだった――――――
―――――まさかヤツ等も大陸を大きく回ってまで裏から攻めるとは思わんだろう。
―――――大国故の弱点といったところか。
―――――このまま隠密機能を維持し,ウェルドラド国内を一気に進軍。敵の背後を取る。
―――――了解。
関係ないからこそウェルドラド側はここに防御を置かなかったが、テクノリアより少数の隠密機人兵が攻めてきていた。
「まぁ、あなた方の考えはいい線いってると思います。」
―――――誰だっ!?
「次期皇帝の兵団はまだまだ若い。その若さは強さでもあり、弱さでもある。」
―――――コツ、コツ・・・
声の主は洗練された優雅な動きで隠密機人兵に近付く
「だからこそ、私達のような経験を積んだ者がフォローをしなくてはいけないのです。もちろん戦争が終わった後には反省点としてキチンと指導しますが――――――」
――――――斬っ!!斬っ!!斬っ!!斬っ!!
優雅に、それでいて力強く刀が舞う―――――
―――――何故、透明化している我々が・・・
―――――それに、我々とて鋼の身体・・・どうして斬れる・・・
斬られた隠密機人兵はその優雅で気品溢れるメイドに問う。
「『神の目』・・・すべてを見通す能力。視えない姿はもちろん、鋼の組織、その弱所をも視ることができる。それだけでございます。」
隠密機人兵を斬り伏せたメイド・マナはその場を去る――――
「招待していないお客様にはお引き取りいただくのも私共のお仕事ですので。」
―――――ウェルドラド裏門戦 ウェルドラド従者部隊マナ 防衛成功