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戦士達ハ世界ニ其ノ名ヲ謳ウ  作者: ユーキ生物
VS現王政編
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第三十四話 テクノリア裏門戦

第三十四話

テクノリア裏門戦


 テクノリア城門から王城を超えた門付近で一人の女が鶴嘴つるはしで何もない地面を掘っていた。


 ―――ザック・・・ザック・・・


「・・・ふふ・・・ふふふ・・・掘って~掘って~生み出すのよ~」


 上機嫌な彼女が掘った地面からはこの大陸では見ない装飾をした土塗れの人間が呼び出され動き出していた。


「ヨリ、ヨシ、キソ・・・地獄のミナモト部隊と名付けましょうか・・・ククククク・・・」


 呼び出した人間に名前を付け不敵に笑う――――


「趣味の悪い部隊だな。」


 そこへコウとシゲノブが王城から現れた――――


「あら?お客様?・・・趣味の悪いなんて失礼しちゃうわね・・・世界の英雄なのよ・・・」

「状況から察するに、お主は『神の鶴嘴つるはし』の使い手、能力は死者の兵団を作る・・・といったところか?」


 シゲノブがズバリと言ってのける。


「ご明察~彼らはそこら辺の雑兵と違って一人一人がとっても強―――――――」

「―――『神の息』」


 ―――――シパパパパパパパッ!!


 彼女が言うが早いか、シゲノブは呼び出されていた死体の兵団を『神の息』で引き寄せ、切り刻んでいた。


「こ奴等が、なんだって?」

「シゲノブ・・・俺にもとっといてくれよ・・・」


 そんなシゲノブにコウはやや不満気に言う――――


「優先すべきことを見失うな。某たちは、早々にこ奴を倒しヒカル殿に合流しなくてはならないのだぞ。」


 そして居合の剣士シゲノブは前へと踏み出す――――


「へ、へぇ・・・あなた方、結構やるみたいね・・・なら、ウチも元『夜の戦士』、現国史局長ルリとしてキチンとお相手します――――“死んでなんかない”」


 ルリと名乗る女性は再び『神の鶴嘴』を地面に突き立て死体を呼び出す――――


 ―――――ゴゴゴゴゴッ・・・


「――――――――。」


 呼び出された死体は静かにコウを見る――――


「・・・エ、エイジ・・・」


 その姿はコウのかつての戦友ともであるエイジの姿をしていた――――コウは思考が止まる――――


「コウ殿っ!?」

「よそ見してる場合!?アナタには最強の剣豪達が相手よ!!」


 ルリは更に死体を呼び出す――――


「くッ―――――!!」


『“神突―――――霊”』


 ――――ズンッ!!


「ぐっ!!」


『“神突―――――攻”』


 ―――――ザクッ!!


 思考が回り切らないコウはエイジの死体に無抵抗に刺される――――


「ふふふ・・・避けもしないで・・・串刺しね・・・」

「・・・・・・。」


 コウは刺されつつも何かを呟く―――――


「あら? 何か言ったかしら?」

「刺されてハッキリした――――こんなのエイジじゃない!!」

「―――!?」


 静止していたコウは再び動き出す―――――


「エイジの突きは、こんなに生易しいもんじゃない!! ―――――偽物、教えてやる・・・神突ってのはな、こうやって、穿つように放つんだ――――“神突 いちぃっ”!!」


 刺突の極意を体現するかの様に、コウの剣閃は一直線に走る――――


 ―――――ゴオオオウッ!!


 大地と大気ごと抉り取るように刺突の斬撃が走り――――エイジの亡骸を割く――――


 ―――――スッ――――パパパパパパパパパパパパパパパッ―――――!!


「なかなか腕の立つ者共だったが、某の敵ではない・・・願わくば、大和流が廃る前にこの流派の錆となって欲しかった。」


 シゲノブの剣豪の死体部隊を斬り伏せ切ったところだった。

 二人がルリに対峙する―――――


「『神の鶴嘴』だったか?過去ばかり見て胸糞悪い能力だな。」

「・・・過去の大切さを知らないなんて・・・若い方は愚かですね。」


 ルリの抵抗に二人は真剣に反論する――――


「「――――過去の大切さなんて、わかってるに決まってる。」」

「・・・えっ?」

「過去に友を失った・・・だからこそ俺は同じ過ちをしないと強くなろうと、そして、友との約束を果たそうと強く誓った――――」

「前に出ることをせずに敗北したから、某は前に進むと決めた―――――」


 後悔を糧にして研鑽を積む二人は過去その重要性は身に染みていた――――


「過去を忘れて前進などありえない、過去は立ち止まって見るものではない―――――」

「――――いにしえを背負って進む、それが生命あるものの使命―――――」


 二人は刀を合わせ―――――離れると一瞬でルリに対し挟撃の位置を取る。


「我が刃は星をも滅ぼす虎の牙!!」

「我が刃は道を拓きたる竜の爪!!」


「「“神獣纏身――――”」」


 ――――――乱れ舞う双刃が奏でる戦いの二重奏デュエット――――――


「――――ver.白虎!!」

「――――ver.青龍!!」


 二人の刃がそれぞで獣の武器となる―――――


「“虎牙こが”」

「“竜爪りゅうそう”」

「「“滅烈斬めつれつざん”!!」」


 ――――間合いに入ると塵に刻まれる刃と、刺突で砕く刃が同時に襲う――――


「――――護って守護神ガーディアン!!」


 ルリはすぐさま守りに特化した死体を呼び出すが―――――


 ――――シュン!!


 斬撃の壁がその死体を刻み消した―――――


「―――――――あ」


 その双刃がルリの前後で寸止めされていた――――


 ――――ドサッ


 ルリはそのまま意識を失う――――


「・・・終わったか・・・」


 ―――――キンッ!


 二人は刀を収め、裏門での戦いが終わった―――――


 ――――――――テクノリア裏門戦 ウェルドラド軍 コウ・シゲノブの勝利

どーも、ユーキ生物です。


後書きで書くネタが特にないので早速キャラ設定の話を・・・今回が最後になるみたいですね。


と言うわけで、一応メイン主人公という設定のヒカルです。前回のリオウ紹介で話した通り、設定上は主人公でしたがあまりぽくない不遇なキャラです。属性は「声援」弱いというテーマだけあってなんとも言えない属性名です。

名乗りは、「玉友金昆(ぎょくゆうきんこん) 弱頃迫虐(じゃっけいはくぎゃく) 芽吹く意志 巡る(よすが)に育まれ 揺るがぬ決意と昇華せりっ! 決意が鳴らす鐘の()は 輝く民にて国家を照らし 幸福(ヒカリ)響かす黎明の(おと) 同仁一視(どうじんいっし)の王と成り 弱き(たみ)を照らし出す!! 鳴り響く輝きの王『センダーオブエール』」

優秀な兄を持って比較され、弱いころは酷い目にあっていた。その想いが弱きを救おうと思ったきっかけ、多くの仲間に恵まれてその想いは決意となった。その決意から産み出された私の声は民を輝かせ、国家そのものを明るく照らす。弱いからこそ力のない民の目線が見える。そんな王であり民を照らしたい。

という意味になっております。

センダーオブエールは「声援の送り手」という意味です。


それではまた次回。


次回更新は6月16日(金)を予定しております。

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