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戦士達ハ世界ニ其ノ名ヲ謳ウ  作者: ユーキ生物
決戦編
21/40

第二十一話 先鋒戦② 勝利を掴む神の物語

 ―――――――――リオウ軍控え室


「勝利へ導く神具・・・なるほど、カルの自信はそこから来るのか。」

「・・・というより、カルノレット様の『神の聖典』、中身は漫画ではなかったのですね・・・」

「某と侍従長殿の『神は暇人』説が破綻してしまったな・・・」

「シゲノブさんとセツナさんはそんな予想をしてたんですね・・・」

「しょーもないわね・・・」


 シゲノブとセツナの謎の驚き方にソフィとルゥムは呆れ気味だった。



 ―――――――――ヒカル軍控え室


「勝利へ導く神具・・・そんなものが・・・」


 こちらも異端な神具の話題が上がっていた。


「なるほど、先程からの戦い方はそういうことでしたか・・・」

「ベル姉?何かわかったの?」

「いえ、ただ、相手のカルノレット様はあまりに勝ちを急いだ戦い方をしていると思いまして・・・」

「そうだね。」

「ベルもヒカルもなんで落ち着いてるの?相手は必ず勝てる神具使いって・・・レイラが負けちゃうよ・・・」

「カケル、落ち着け、今回のルールなら、レイラに負けはない。」

「えっ?」

「負けない相手に勝つ方法なんて存在しません。レイラ様はあれで結構優勢ですよ。」

「優勢、なのかな・・・?」

「勝てる方法があるのなら、レイラは既に負けている。カケル、レイラが未だに戦場で立っている意味をよく考えてみるんだ・・・。」




第二十一話

勝利を掴む神の物語(グロリア)



「“グロリア”!!」


 ――――――ゴオッ!!


「くっ―――――うわっ!!」


 カルノレットが呪文を唱えると突風がレイラを襲い吹き飛ばす。


「“グロリア”」


 ――――――――ドカァンッ!!


 同じ呪文だったが今度は爆破がレイラを襲っていた。


「くぅ!!」


 すぐさま回復するレイラは着地はするが、吹き飛ばされ、カルノレットとの間合いが開いてしまう。


「“グロリア”」


 ――――――――ゴゴゴ、ズガッ!!


「がっ―――――――」


 地より岩が突き出してレイラに突き刺さり、レイラは後退を余儀無くされる。


「カルノレット様の猛攻が立て続けにレイラ様に決まっていくっ!!」

「魔術師の弱点である詠唱が一秒程度で済みますから、カルノレット様は隙が無さすぎます。ですが――――」

「ユイならいくら回復があってもこのラッシュは受け続けたくないですね・・・精神的にキツイです。」

「この戦況・・・少し違和感がありますね・・・」

「マナさん?」


 マナの言葉を皮切りに、会場が疑問で満たされる。


「“グロリア”」


 ――――――――カッ!! ゴッ!!


「ゲホッ!!ゲホッ!!」


 試合ではカルノレットが閃光を放ち、視界を奪った隙を突いて鉄球がレイラを押し潰していた。


「“グロリア”」


 ―――――――――ズザザザザザザッ!!


 鉄球で潰されたレイラに雪崩が押し潰すように被さる。


「レイラ様、雪の中に埋められた!!」

「・・・やはり・・・先程まであった肉弾戦がなくなっています。カルノレット様はレイラ様を遠ざけるように・・・」

「魔術師としてそれは当然なんじゃないですか?」

「・・・さっきまで大胆不敵なほど肉弾戦を挑んでおいて、それはないと思います。・・・疲労、ということでもなさそうですし・・・」


「ぷはっ!!・・・さっすがに今のは焦った・・・」


 雪山からレイラが顔を出す。


「“グロリア”」


 ―――――――ドゴオオオオンッ!!


「鉄球が爆発したっ!?」


「さっきからずいぶん派手に攻めてくるね・・・スタミナ、大丈夫かな?」


 爆風の中から平然と無傷のレイラがカルノレットに語りかける。


「不死身のレイラ様っ!!もはやホラー!!」

「・・・そういうことでしたか。」

「マナさん?何かわかったんですか?」

「レイラ様の“湧き出る不屈の戦士(フェニックス)”あれの効果でレイラ様はどんな攻撃にも『ひるみ』や『()()り』がない状態になってます。」

「ひるみ、仰け反りってそんなに効きますかね?」

「普通は仰け反らなくてもダメージは入りますから・・・でもレイラ様は・・・」

「一瞬で回復してしまう・・・!!」

「それがさっきの爆風の中から迫ってくることになってるはずです。物理的に吹き飛ばさない限りレイラ様は接近してきますから肉弾戦なんてもってのほかです。“勝利を掴む神の物語(グロリア)”はそれを自動で判断したのでしょう。」


「あー!!もうっ!!ラチが明かない!!一気に決めるっ!!“刧爆蒼炎の砲弾(オーバーロードカノン)”!!」


 カルノレットの身体から蒼き炎が吹き出す。


「「“滝割りっ”!!」」


 二人の正拳突きがぶつかり合う―――――――


「くっ!!――――――――ったあっ!!」


 力負けしたのはレイラだったが――――――カルノレットから受けた拳勢いを乗せ回転、カルノレットの技の硬直時に、レイラはすぐさま勢いの乗った後ろ回し蹴りをカルノレットの側頭部に入れていた。


「ぐっ!!“リカバー”!!」


 カルノレットもすぐさま回復し、レイラから距離を取る。


「レイラ様、カルノレット様に二撃目を入れたっ!!」


 ――――――ザワザワ・・・


「会場でご観戦いただいている方もお気付きかと思います。」


 マナは断定する。


「“グロリアッ”!!」


 レイラは再び突風に飛ばされてしまう。


「カルノレットの様の能力が戦況を圧倒しているようにも見えますが・・・」


「くそっ!!“グロリア”!!」


 カルノレットはレイラに猛攻を仕掛けるが――――――


「こんなもの?そろそろ拳でやりあおうよ・・・」


 レイラが何度吹き飛ばされようと、カルノレットに迫り来る。


「今、仕掛けに出ているのはレイラ様です。」


「“グロリア”」


 ―――――――――ゴウッ!!


 燃え盛る炎の海で、レイラは口にする。




 “夢に向かい、汲めども尽きぬ不屈の心を武器にして”


 「よく見ておけノイ、あの姿がこの国を支える―――――だ。あれがあるから――――」


 “神に支えられ、戦友(とも)に見守られ、己の研鑽を糧として”


 「大丈夫、レイラさんは私の雷撃も耐えられたんだから」


 “遥かな高みへ一歩ずつ たゆまず、揺るがず、歩むのみ”


「そうだ。レイラの強さは格闘技でも超回復でもない。それでいい。レイラが折れなければ―――――レイラの物語は紡がれる。」


努力で紡ぐ我が物語(グロリア)



どーも、ユーキ生物です。いつも御閲覧ありがとうございます。最近の更新状況を鑑みると、本当に感謝しかありません。


名乗りについてを後回しにすると、後書きに書くことがかなりなくなってきてしまいます・・・

各キャラの設定は名乗りと一緒に行いますので、今回は技名についてです。・・・まぁ、大体はその場で決めていて深い意味はないのですが・・・先鋒戦では“グロリア”と“フェニックス”、キャラのルーツ的な技名にはユーキ生物お気に入りのバンドの曲名やアルバム名を充てています。どのくらいメジャーなバンドとかはよくわからないので、お気付きか、気付くわけないかはわかりませんが・・・もし、そのバンド私も好きだ!なんて方がいたら奇跡ですね。今後も毎回付けられるかはわかりませんが・・・特にシゲノブとかはカタカナの技名に違和感とかありそうですし・・・そんな縛りを続けていきたいです。


そんなわからない方には何を言っているのかわからないことを呟きつつ、後書きとさせていただこうかと・・・


次回更新は2月24日を予定しております。

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