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戦士達ハ世界ニ其ノ名ヲ謳ウ  作者: ユーキ生物
輝きの王編
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第十三話 VSパペリオン

第十三話

VSパペリオン


「はあああぁぁぁっ!!“滝割りっ”!!」


 レイラの正拳がパペリオンの兵士を吹き飛ばす―――――――


「な、めるなぁっ!!“毒霧っ”!!」


 対するパペリオンの兵士も手練れ、決して退くことなく果敢に攻め入る―――――――――


「アタシに毒は効かないよっ!!――――――――っ、“滝登りっ”!!」


 ――――――――――ガガガガガッ!! 


 レイラは兵士とその人形(ドール)を蹴り上げ空中連打を叩き込む


「帝国戦士は強いっ!!数で押して少しずつ削れっ!!」

「“相互転移”」


 レイラの周りにあったパペリオンの壊れた人形(ドール)が兵士に換わり、レイラに奇襲をかける。 


「くっ、はあっ!!“滝割り”!!」


パペリオンの兵士達は人形(ドール)とあわせてレイラを囲み攻撃を加えるが―――――――――


「―――――痛いわねっ!!はあぁっ!!“にわか雨っ”!!」


 レイラは冷静に囲まれた相手の一人と向き合い、他の兵士の攻撃を受けつつも足払いをし、浮いた相手へと(かかと)落としに繋げる。


 ――――――――――スッ――――――


 一人を仕留めた後にはレイラの傷は全て無くなっていた。


「これが・・・レイラの超回復・・・」

「回復というより無傷に近いデス・・・」


 戦士達もレイラの勇猛さに目が離せなかった。


 ―――――――――だが、


「戦士一人に構わずともよいっ!!ヒカルを討ち取れば我々の目的は達せられる!!」


 パペリオンの軍勢はレイラの相手を数人残し、ヒカルの元へと進軍を始める。


「あ!―――――くっ!!」


 いくら強くても格闘家に軍隊を同時に相手する手立ては無く、レイラは進軍を許してしまう。


「くそっ・・・キララ、カケル、ベル!ヒカルを守るぞ!!」


 レイラを抜けたパペリオンの兵士の先に立ち塞がるはコウ、キララ、カケルの三名。ベルはヒカルへの最終防衛線としてまだ後方に残っていた。


「出し惜しみはしないっ!!『神の鎧』」


 コウは神具『神の鎧』を纏いパペリオン軍の細かい位置を把握し―――――


「・・・“鬼神流 穿突(せんとつ)”」


 ―――――――ズッ、ザザザザザザッ!!


 コウは兵士を一突きする毎に歩を進める――――――人の波を割る様に進み、一纏まりだった敵兵力を分断する。


 ――――――バチバチバチバチッ!!


「・・・っ!!“中解放 ノンワイヤサーキット”!!」


 キララは槍を水平に構えると、雷を槍に纏わせ――――――幅広い雷撃として分断された兵士達へ放つ―――――


 ―――――ブワッ!!


「“韋・駄・天 キィィィックッ”!!」


 “神の靴 韋駄天”によって加速したカケルが超速で兵士を蹴り飛ばす――――


「・・・っ、はぁっ、はぁっ・・・くそっ・・・数が多い・・・」

「こっちも、もう溜まってる雷が・・・増幅させる余裕も・・・」


 訓練後を狙われたことで、明らかに厳しそうなカケルとキララ・・・速さ、威力、共に精彩を欠いていた。


(個々の戦力はこちらが上の様ですが・・・消耗戦に持ち込まれると・・・特にカケル様とキララ様が危うい・・・やはりここはヒカル様の能力ちからが必要でしょう・・・)


 後ろで戦局を分析するベルはジリ貧な現状を打開するべくヒカルへ向き合う。


「ヒカル様、今こそヒカル様の能力ちからが必要なんです・・・どうか、どうか、ワタシ達と共に戦って下さい。」

「・・・戦う? ・・・この殺戮の能力ちからで?」

「違いますっ!!」


 弱気になるヒカルに強く否定するベル


「だって・・・アイツ達が・・・」

「ヒカル様は王です。ヒカル様の言葉は、ワタシ達を強くします・・・ヒカル様は、ワタシ達を、たみを輝かせることができる王なのです!! その能力ちからは民のためのもの・・・!! 人をあやめるものでは決してありません!! ですから――――」


「くッ!! ベルッ!!ゴメン、そっちに行った!!」


 戦士達の防衛ラインを数人の兵士が突破してくる―――――


「――――――っ“分身ッ”!!」


 ――――ボボンッ!!


 ヒカルへ迫る兵士に対応するべくベルが分身をし、壁となる――――


「“影落とし”っ!!」


 ベルの分身は人形を地に叩き付ける。しかし、敵の数は減ること無く、ベルの分身は分担し、それぞれの敵を相手する――――――



「ボクの、能力(ちから)・・・仲間を・・・民を、輝かせる・・・」



 「“韋・駄・天 タァ―ックルッ”!!」


 カケルも上がらない速度を全身を使った攻撃で補う。


「―――――――っ!!“小解放 ノーブレスダンスッ”!!」


 キララも疲労で限界の腕に鞭を打って槍を振るう。


「づぇあああああぁぁぁ!! “鬼神流 破空穿(はくうせん)っ”!!」


 コウが掛け声と共に高速で駆け抜けるとその空間ごと貫き、同時にかなりの人数を削り取る――――――


「“滝割りっ” “流水” “五月雨”!!」


 最前線で戦い続けるレイラ、その身体が傷付こうとも、すぐに回復し、後ろの守るべき人を守るべく奮闘する―――――


「――――――っ!! ――――――――ん?」


 そんな戦士達の目に映ったのは――――――――


「遅くなってすまない、我が戦士達よ―――――――」


 彼らの慕う、王の姿だった――――――――


「ヒカル様っ!!」


「来たか・・・!! 殺戮の王!!」


 パペリオンの兵士達の注意もヒカルへと向かう。


「殺戮の王?・・・何を言っている?人の名を間違えるとは、失礼極まりないな・・・よーく聴くがいい、このウェルドラドの王の名を――――――」



玉友金昆ぎょくゆうきんこん 弱頃迫虐じゃっけいはくぎゃく 芽吹く意志 巡るよすがに育まれ 揺るがぬ決意と昇華せりっ! 決意が鳴らす鐘のは 輝く民にて国家を照らし 幸福ヒカリ響かす黎明のおと 同仁一視どうじんいっしの王と成り 弱きたみを照らし出す!! 鳴り響く輝きの王『センダーオブエール』それが・・・それがこの国を統べる王の名だっ!!」



 ――――――――神具も神体も用いないヒカルにとって、名乗ることは大した意味を持たない・・・だが、ヒカルは名乗った・・・それが戦場に立つ者の礼儀だと感じたから―――――


「お願い、皆に、ボクを守ってくれる戦士達に―――――――『祝福の鐘』」


 ―――――――『祝福の鐘』それはリオウの『王の啓示』と似て非なる“仲間への言霊での干渉”―――――――


「『ベル姉のポテンシャルはそんなものじゃない、もっと多くの分身ができる―――――――』」


 ―――――――――――ボボボボボボボボボボンッ!!


 ヒカルが言葉を発した直後、ベルの分身は更に増え、その数は百を裕に超えていた。


「『カケルもまだまだ走れる―――――疲れだって気のせいだ!!』」

「――――――えっ?嘘!?身体が・・・軽い―――――――」

「『カケルは速い、疲労さえなくなればその速さは音速さえも凌駕する!』」

「――――――――うんっ!!行けるっ!!“韋駄天 (おん)”」


 ―――――――――――――――!!     ―――――――――ゴウッ!!


 ヒカルは音速を超え、その勢いでパペリオンの兵士を次々と吹き飛ばす。音よりも早く訪れる衝撃を避けられる者はいなかった。


「『キララの雷撃もすぐにいつも以上に輝く―――――――』」

「あっ―――――――これは―――――――」


 ―――――――――バゴオオオオォンッ!!


 キララの纏う雷撃は放つ前から荒ぶり始める――――――――


「コウ!!レイラ!!――――――――信じてるよ。」


 二人に贈られたのは祝福の言葉ではなく信頼の心――――――――


「任せろっ!! “鬼神流 神突 羊飼いっ!!”」

「任せてっ!! “我流 津波(つなみ)っ”」


 誰に指示された訳でもなく、二人は残りのパペリオンの兵士を一列に並べる様に吹き飛ばし、退かせ、誘導する―――――――――


「礼を言う、パペリオンの者達よ。ボクはあなた方のお陰で仲間を助ける能力(ちから)に気付けた―――――――だから、その(はなむけ)を―――――――――『キララ、誰よりも輝くキララの輝く雷撃を、彼らに――――――――』」

「――――――――承知!! “全解放っ!! 蒼天貫く忌み子の雷槍(グングニル)!!”」


 ―――――――――ゴオオオオオオオオオッ!!バリバリッ!!


 閃光と共に、キララはパペリオン軍を焼き払った――――――――


 こうして、二万対七の戦争は終わりを告げた――――――


「みんな、お疲れ様。・・・それと、遅くなってごめん。」

「終わり良ければ全てよし、気にすんな。」

「そうですよ。まぁ、ワタシはヒカル様の全てを許し、受け入れる事ができますから。フフンッ」

「なんでベルさんは得意気なんでしょうか・・・一番後ろで討伐数一番少ないくせに・・・」

「キララさん・・・恐い・・・」

「何でしょうか?カケル君?」


 ――――――バチバチッ


「やっぱりヒカルが言うように、キララさんの笑顔は輝いてるなぁー」

「アタシも、これだけ倒したんだしレベルアップしてるはずだから、気にしなくていいよ。むしろもっと遅くてもいいくらい。」

「みんな・・・」


 戦士達はヒカルをフォローする・・・そんな時、ヒカルの更に後ろから人影が現れた――――――――


「・・・・・・皆さん・・・ごめんなさいデス・・・」


 その人影、リーネはボソリと謝る。


「ん?リーネ、今何か言った?」


 カケルがリーネに聞き返すと――――――――


「―――――――――っ!! “リフレクトカノンッ!!”」


 リーネは背後から光弾を打ち出し―――――――――


「えっ――――――――!? ぐあっ!!」


 ―――――――カケルを吹き飛ばしていた。


「リーネ!?」


 一同が動揺する―――――――


「言ったじゃないデスか。『リーネを戦力に数えないで』って・・・」


「・・・まさか!?」


「そうデス。リーネは最初からパペリオンの戦力なんデス――――――」

どうも、ユーキ生物です。


第十三話もお読みいただきありがとうございます。書いていて、大人数の様子を文で描写することの難しさをしみじみと感じました。プロの方々ってスゴイと思うこの頃です。


後書きのネタを常々考えつつ生きている訳ですが、こう、書こうと思うと忘れてしまう悲しい現状・・・とりあえず、前回に続きキャラの年齢編をします。ヒカル一行の女性陣、キララは15歳となっています。ヒカルより一つ年下です。ですが、19のベルにも引けを取らない胆力があります。レイラは18歳です。ギリギリニートでも許される年齢化と・・・当初はいっぱい努力を積み上げた年齢として22くらいを考えてましたが、さすがに成人過ぎて修行しかしてない人はヤバいかと思い若返りました。ヒカルパーティはコウ(20)、ベル(19)、レイラ(18)、ヒカル(16)、キララ(15)、カケル(14)という年齢順になってます。まぁ、あまり年齢差は感じない仲になってますけどね。・・・若いなぁ・・・とか思います。


後書き執筆中の現在時刻は19時40分と更新時間目前となってますが、書く内容が出てきません。仕方がないので今回はこの辺にしときます。ちなみに、何話か前に言いましたが、例のモノは発売から一週間でなんとかチャンピオンになれましたので、今後は落ち着いて物語の製作に取り掛かれるかと思います。


次回更新は12月2日金曜日を予定しております。(確定ではない)

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