ストーリー構成【枷】
なろう内の「心」さんが連載している「小説講座」を読んでいます。
とてもわかりやすいです。かなりお勧めです。
今回は「小説講座」内の、
・ストーリー構成【枷】
を念頭に、プロット作りの練習をしていきます。
枷とは、どうしようもならない状態に追い込まれるとストーリーが盛り上がる、というテクニック。
詳細は心さんの連載を見てください。
では、スタート。
練習その1
主人公の女の子は、声量はあるが、ガラガラ声がコンプレックス。でも音楽大好きで、部活のバンドでベースをしている。
文化祭直前、ボーカルの女の子が病気になった。本番で歌が歌えなくなった。
ギターとドラムにボーカルをやらせようにも、無理やり仲間に引き込んだまだまだ素人なので、歌いながら楽器が弾けない。困った。
そこで、軽音部の先輩が言う。
「主人公、お前ボーカルしろ」
先輩は実は、主人公の声が個性的なので、悪くないと思っていたのだ。驚く主人公。
さて、実は主人公は、こっそり歌の練習をしてた。ボーカルの女の子らしい歌声に憧れて、少しでも近づきたいと考えて練習していたのだ。
だが、歌うほどに劣等感が強くなる。
憧れと劣等感。
そんな中、ボーカルは主人公に「迷惑をかけてごめん」という。
「でも、ギターとドラムのあいつら、ボーカルなんて無理。普通に練習するので精一杯。あと私、手術が怖い。だから、ねえ、主人公。かっこいいところ見せて。私に勇気をちょうだい」
実はこのボーカルも、主人公の声がいいと思っていたのだ。なので、親友として、今回はコンプレックス解消させる良い機会だと思っていたのだ。
もう逃げられない。主人公はボーカルをすることを決意する。
時間が無い中、練習を頑張る。でも、ボーカルのように歌えない。
苦しむ主人公に、先輩がヒントを出す。
「お前はお前らしい歌い方をしろ。ボーカルの真似をしようとするな」
主人公は吹っ切れる。そして、自分の声を活かす歌い方を工夫する。それを聴いたボーカルはすごくいいと、背中を押す。多少の嫉妬を感じながら。
それを見ていた、他のバンドの、ライバルの女の子。彼女は先輩が好きだった。先輩が主人公に惚れ始めていることを理解し、嫉妬し、嫌がらせをしてやろうと考える。
そして、本番。
ライバルの嫌がらせが始まる。
ライブ直前、ベースが壊れる。
そして指を怪我する。
どうしよう、皆。中止する?いや、逃げ出しちゃダメだよね。ベースが無いならベース無しでやろう。練習の時遊びでやった、アコースティックに変更して、やろうよ。
トラブルにむしろ、主人公の腹が決まった。
ステージへ。
まだ嫌がらせが続く。なんと、マイクが壊れている。ど、どうしよう。
主人公はマイクなしで全身全霊で歌う。声量はあるから、なんとかなる?
やった?
やった!
体育館に拍手が響く。ボーカルの女の子が涙を流す。ライバルの女の子が悔しがる。先輩が呟く。「やったな、主人公」
練習その2
男の子の主人公。職業は農民。
ここは、数年に一度、化け物に女の子を一人捧げる風習のある村。
ある日主人公は、半年後に、好きな女の子が生贄に捧げられると知る。
何とかしたい。でも力がない。
そんな中で偶然、山に1人で住む男の過去を知る。男は、昔は騎士であり、強いと知る。弟子入りしたい。でも、養うべき両親や兄弟がおり、農業を放り出して修行ばかりをしているわけにも行かない。
それに、いちど訪問した際、元騎士からは、弟子を取らないと言われている。
それでもなんとかしないと。でも、どうしよう?
主人公は仕事が終わると何度も男の素に足を運ぶ。そして、剣を教えてくれと頼みこむ。
ある日、元騎士の男は、主人公を追い払うように、働きながらでもひとりでできる修行方法を教えてくれた。教えてやったからもう来るなと。
その修行に励む主人公。
そんな中、事件が発生。村一番の権力者の息子で、仲の悪かった男がトラブルを抱え込む。そのトラブルを、主人公が修行の成果で助ける。和解するふたり。
仲の悪かった彼の協力を得て、主人公は、修行に専念できる環境を得る。だが、騎士は、主人公を弟子にしない。
元騎士には悲しい過去があった。とある人を救えなかった為に、剣を捨て引退してしまったのだった。また、病により剣が握れない。
しかし、やがて、主人公の前向きな姿勢に、元騎士は、再び自分なりの戦いをする事を決める。助けられなかったあの人への贖罪のつもりで、病の体をおして主人公に修行をつける。
期日まであとわずか。主人公は死ぬ気で修行を頑張る。実際に、何度も死にかける。
そして、主人公が見事怪物を倒す。
練習その3
好きな人がいるが、借金があるので、プロポーズできない男が主人公。
借金は、きちんとした性格の彼女には内緒。
彼女の30歳の誕生日までにプロポーズしないと、彼女から捨てられる。でも、借金がある状態でプロポーズはできない。
追い込まれすぎて、ふと、銀行強盗で借金返済をしようと思いつく。要は、バレなければいいのだ。でも、具体的には何をどうしようか。
そんな中、偶然、ひとりの泥棒とはちあわせする。主人公は思いつく。泥棒に対して、警察に突き出さない代わりに、銀行強盗を協力しろと言う。
実はこの男は、伝説の泥棒だった。泥棒は不治の病で、銀行強盗を最後の大仕事だと張り切り出す。一生懸命に計画を練る。
準備期間中、泥棒といろいろ話をする。彼の身の上は自分と似た不幸なものだった。家族に飢えているのだ。主人公は同情し、共感する。泥棒は、主人公を息子のように思い、銀行強盗をさせたくないと思うが、自分の人生の証にやってみたいとも思う。
そんな中、男はふと買った宝くじで大金を得てしまう。
もう銀行強盗しなくてもいい。借金を返してもはるかに余る金額。これを泥棒と山分けして、銀行強盗はやめようと思う。
でも、活き活きと計画を練る泥棒に、主人公はこのお金の事を言い出せない。
決行までのタイムリミットは迫る。
そんな中、彼女が身ごもった。銀行強盗を諦める主人公。泥棒も、そういうことならと、銀行強盗をやめることを了解する。主人公は泥棒に宝くじのお金を半分渡す。泥棒にも、銀行強盗をやめてくれと頼む。そもそも、うまくいくわけがない。
しかし、主人公には分かっていた。泥棒がひとりで銀行強盗をする事を。
決行予定日、主人公は目当ての銀行に行き、飛び込もうとする泥棒を止めようとする。
家族として泥棒を説得する主人公。結婚式に、来てくれよ。両親がいないから、あんたが父親の席に座ってくれ。
泥棒は、息子の言うことだからと、銀行強盗をやめる。
練習4
旅の勇者パーティー。
迷いの森の中、魔法使いの女の娘が、毒ぐもに噛まれる。毒ぐもは、すごい勢いで逃げてしまった。
僧侶のオカマも治療出来ない程の毒。
魔法使いに実は惚れている勇者と戦士は青くなる。
僧侶が言う。
「回復魔法はかけ続けるけど、それでもタイムリミットは多分1日。当初の目当ての森の賢者ならば、治せるかもしれない」
護衛に戦士を残し、ひとりで出発する勇者。
パーティーで力を合わせて倒すつもりだった森の精霊に立ち向かう。
精霊には歯が立たない。
最後の力を振り絞った勇者。自身のHPを燃やして攻撃する捨て身攻撃を繰り出す。
仲間のために頑張る勇気に、精霊は感銘を受ける。
賢者の元に気絶している勇者を送り届ける。
賢者は勇者の力になる事を了解し、魔法使いは助かる。
練習5
クラス転移。
転移した皆の頭に電波が。
「元の世界に戻るまで後365日。死んだらゴミです。死体すら元の世界に戻れません。頑張って生き残って、元の世界に戻ってください」
チートを身につけたのは、委員長の男と、DQNだけ。後のクラスメイトはチートなし。
委員長とDQNの戦いがはじまるのか?
しかし、DQNが意外といい奴になる。クラスのみんなをチートで守る。
ある日こっそり、DQNが委員長に言う。
「ここで好き勝手やろう。ギリギリで、他のヤツら全員殺しにしたら、証拠は残らない。クラスで一番可愛い女のあいつ、お前、告白して振られただろ。お前はあいつを好きにしろよ。俺はあのいつもひとりでいる美人を貰う」
「よし、そうしよう」
その女の子達の幼なじみである主人公が、DQNたちの会話を偶然聞く。
主人公は女の子たちを説得しようとするが、ここは異世界で、あいつらはチート。どうしたらいい?
とりあえず、集団から離脱する。ひとりでも行方不明者がいたら、生死が確認できない状態になるから、DQN達は元の世界に戻った際に罪を問われる事を恐れ、変な行動ができなくなるはず。
息をひそめる主人公。しかし、DQNに捕まってしまう。
そして、DQNが殺したクラスメイトの罪をきせられる。リンチを受ける主人公。
それを助ける幼なじみの女と委員長。
幼なじみは委員長への警戒を解く。主人公は牢屋に閉じ込められる。主人公は、委員長が改心したと思い、仲間にしようとする。
しかし、改心などしていなかった。
主人公の処刑前日、いつもひとりの女の子の力を借りて逃げ出す主人公。
走り、モンスターにおそわれた所、異世界の人間に助けられる。
異世界の人の力を借りて、DQNと委員長の力を封印する。そして、元の世界に戻る日を待つ。
そして、あと10日。
ここで力を取り戻した委員長が脱獄する。
DQNが大笑いをする。
「ひとの本性って、こんなもんだ。利己的だ。あいつ、お前らを殺してから、現実世界に戻るらしいぞ」
最終決戦がはじまる。
今まで、アイデアは楽に出てきても、盛り上げ方がわからなかったのですが、何となくわかってきた気がします。