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小説の書き方  作者: けけお
1/8

ストーリーの練習

「逃げる魔王のスラップスティック」と言う小説を書いていました。書いた直後は俺SUGEEEEなのですが、時間が経つほどに自分で駄作とわかってきました。

 で、にちゃんの晒しで意見を頂いたら、やっぱりと言うか薄々分かっていたというか。内容の薄さをご指定いただいたんですね。

 昔からストーリー作りが嫌いで、根本的にストーリーがなっていなかったんです。平坦にタラタラご都合主義で物語が進んで行くんです。

 なろうの、弘松涼さんの「スタイリッシュ武器屋」とか読んでしまうと凹みます。何でこんなに自分と差があるんだろう、どうやったらこんなに面白いストーリーテリングができるんだろうって。

 このままじゃ作中の登場人物達に悪いので「逃げる魔王のスラップスティック」をまたゼロから作り直そうと思い立ちました。そして、今は小説の書き方本を読むところからリスタートしております。


 さて、記念すべき1冊目は、大塚英志著「キャラクター小説の作り方」です。

 まだ読んでいる途中なのですが、小説の書き方の他にも、日本の小説の変遷であるとか結構濃い内容だったりするのです。学術書としても一読の価値があるかと。

 さて、この本の中に「お話には法則がある」と言う部分があります。これを自主練習していきます。

 まずは、やり方。


 ①何かが欠けている

 ②課題が示される

 ③課題の解決

 ④欠けていたものが「ある」状態になる。


 詳細を知りたかったら、本を読んで下さい。語弊があったらアカンので。


 ちょっとハードルが高いので、自分がやりやすいシンプルな形に変形させます。


 ①上手くいかない

 ②苦労して、

 ③上手くいった


 では、練習していきます!

 まずは、ボクシング漫画ふうに。


 ①苛められている。

 ②ボクシングを習った。

 ③強くなって復讐した。


 ……すげえ。三行だけなのに、名作の予感がスゲエしてくる。名作ボクシング漫画ってズバリこれだよな。大塚英志先生、パねえっす。俺に欠けていたのは、これやったんか。


 次は、自分に負荷をかけます。目の前にあるもので作るぞ。

お題はスーツとイスで。けけお行きまーす。


 ①スーツがない。

 ②会社に行けない。どうしよう。椅子に座って考える。悩む。本気で考える。

 ③よし、裸で行こう。


 ……なんか違うなぁ。スーツと椅子がただの物なんだよな。そこに意味が無いっていうか。

 それとあれな、カタルシスってやつ。それも無い。よく主人公をいじめろっていうもんな。よし、やり直し。どやさ。


 ①イスマニアとスーツマニアの男女が出会った。ふたりは愛し合っていた。その他は上手くいっているのに、趣味だけが合わない。

 モチのロンで別れたくない。でもある日、趣味が原因でふたりは大喧嘩になり、遂に別れるにいたった。

 ある朝、イスマニアの男が気づく。いけね、スーツをクリーニングに取りに行くの忘れてた。どうしよう。裸で会社に行くか。いやいや無理だろ。なら休むか?いや、クレーム対応があんだよ。納品した椅子の足が二本しかなくて座れないんらしいんだ。足が何本でも椅子は椅子だよな。まあ、客は客だからな。金に頭下げるつもりでやらんと。あっ、いっそのこと裸でクレーム対応に行くか?いいかもしれんな。まっぱで謝られたら、相手も許さざるをえんよな。分かったから、服を着なさいっ!とか言ってさってなんでやねん。

 あーあ、スーツって大切だなあ。スーツがないと会社にも行けない。

 ……ああ、そうだよな。

 スーツがないと、ダメなんだよ。

 俺と言う存在は、スーツがないと成り立たないんだ。

 ②俺はやっと決意した。電話をかける。プルプル。手が、震える。

「もしもし?」

「俺だよ」

「椅子太郎君?」

「ああ、酢卯津子。おれだ。聞いてくれ。俺が間違ってた。俺が、悪かった。スーツがあっての俺なんだ。もう一度やり直したい」

 ③「……うん」


 SUGEEEE。本気すげえええ(MAJISUGEEEE)。恋愛小説として成り立ってる。ひとつの小説としてきちんとまとまってるわ。

 しかも、実際にクレーム対応に裸で行く話にシフトしたら、それはそれでパねえよ。まず、駅までどうやって警察に捕まらずに行くかとかさ。それを酢卯津子さんが陰ながら助けるとかな。捕まった後、課長が椅子男を助ける話にスピンオフとかさ。部長がそれを阻止しようとして、最後に社長登場!社長の判断はいかに?そこに酢卯津子さんが!「椅子男さんは、椅子に誠実なんです。クビにしないでください」「な、なにっ?分かった」

 いかんいかん、これカタルシスすごすぎだろ。


 さて、真面目にヤリマース。

 またボクシングね。

いくわよ。


 ①主人公が苛められている。

 ②偶然ボクシングジムの前を通り、ボクシングに興味を持つ。強くなりたい。

 ①でも、ボクシングを始める勇気が出ない。

 ②偶然通りかかったボクシングジムのチャンピオンが主人公を見つける。「なあ、練習を見ていかないか?」「でも、僕……」「強くなりたいんだろ?」「はい!」

 ①練習は厳しい。ひ弱な主人公にはついていけない。ある日練習をサボる。もう行きたくない。

 ②そこに先輩が。「チャンピオンの俺も、昔はよく逃げだしたもんさ」「えっ?チャンピオンの先輩もですか?」「そうさ、チャンピオンなのに、変だろ」「いえ、むしろチャンピオンなのにって共感しました」「ふふふ。お前の前だけでも、チャンピオンらしくしないとな」「いえ、僕の心のチャンピオンは先輩だけです」「そうか、心のチャンピオンか……(死んだ妹も同じことを言っていたよな。なあ、妹の酢卯津子。この椅子男はどこかお前に似てるよ)」

 ①練習を再開する主人公。やがて才能が開花し、必殺スクリューパンチを開眼。ほんで、同年代のトップレベルに到達する。ついに、復讐の時が来た。で、いじめっ子をやっつけた。そこに先輩が。

 ②「なあ、椅子男。こいつは俺の近所に住むガキで、こいつは両親がいない。ボクシングをしたいのに、アルバイトばかり。恵まれた家庭のお前に、八つ当たりをしていたんだ」「ええっ?」「おい、意地目男、椅子男のパンチで目が冷めたか」「ちくしょう、ちくしょう」

 ③「……椅子男くん、一緒にボクシングしよう」「な、なにっ?」「アルバイトは手伝うよ」「椅子男、お前……ありがとよ」「やれやれ(良かったな、意地目男。そして椅子男よ。お前こそ、俺の心のチャンピオンだ)」

 ②そしてふたりは仲良く練習をして、

 ③ふたりともチャンピオンになったとさ。


 ①「と言う夢を見たんだが、俺はボクシングを始めようと思う」

 ②「あなた、失業中でしょ。そんなことより、ハローワークに行ってよ」「はい」

 ③そして、5年後、俺は勤めた椅子会社の社長になった。

 ②「社長、大変です。営業の椅子男が裸で電車に乗ろうとして警察に捕まりました」「なにっ?」

③「椅子男さんは、椅子に誠実なんです。クビにしないでください」「な、なにっ?分かった」


 最後はともかく、コレいいんじゃね?要するに、①と②を繰り返したらいいんだな。

 って言うか、俺なにやってんだろ。一時間半も時間をロスしちまった。真面目に小説の勉強をしろよ。


 トゥービーコンティニュード!

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