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TRPGリプレイ小説 「国境を越えて」  作者: えにさん
第三章 怪力無双 【コーディ】
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3-2 神と聖剣

 神は沢山いて神の属性によって色々性質も変わる。詳しく知っている人は少ないが、神とはこの世界の隣にある異世界の住人だ。世界や人に対して積極的に働きかけてくる神もいれば、全く関わりを持たない神もいる。とにかく神は気紛れで、何を考えているかなんて誰にも判らない。


 このサウザランドで神って言うと、陽の神グランタンカの事を指す。歴史を紐解けば、その理由は見えてくる。数百年だか前のこと。どこからともなく魔物の軍勢が現れ、人類は滅亡の危機を迎えた。

 絶望する人々の前に救世主が現れる。陽の神グランタンカの力を宿す聖剣ヴェンディダードを手にして。ショーンと呼ばれた青年は、神の加護のもと人々を纏め上げ、魔物の軍勢に決戦を挑んでいった。そして激戦の末、魔物を追い払う事に成功する。

 これが魔大戦として語り継がれる物語。ショーンがどこからその聖剣を持ってきたのかとか、魔物の軍勢はどこから現れたとかは未だ予想の範疇を超えることが無く、その真実を知るものはもういない。


 まぁ、俺に言わせれば、神も魔物も似たようなもんだ。住んでいる場所がちょっと違うだけで、どっちも異世界の存在。後はその能力と考え方だけの問題だからな。

 神が善で魔物が悪なんて言い方をする奴もいるが、神にも邪神がいるし、魔物にも人が好きな変わり者もいる。


 とにもかくにもこの事件以来、サウザランドは国教として陽の神グランタンカを祭り上げ、ショーンは王となりその血統を残していくこととなる。余談だが今はショーン十七世らしい。

 ともかく、聖剣ヴェンディダードは、陽の神グランタンカの力を内包していている事は確か。使い手との相性によってその性能は変化するが、条件次第で国一つ滅ぼせるぐらいの力を出すことが出来る。

 もっとも、それを実際に見たわけじゃ無いけどな。それでも俺を倒すぐらいは出来ちまうだろう。

 しかし、逆を言えば使い手がいなければ、何一つ恐れることは無い。適合者と呼ばれる使い手は先天的に得られる才能。神の祝福を受けた血筋、つまりショーン王家の血を引く者にのみ与えられる力だ。

 やけに詳しいのは何故かって? 最初に言ったろ。俺にはいろいろなことに詳しい友人がいるってよ。そいつから教えてもらったのさ。


 さて、と。王城の宝物庫に保管されているはずの聖剣がどうやって持ち出されたのか。それは俺にも判らない。あの場所は俺でも手を出そうとは思わない。

 とにかく誰かがあそこから聖剣を持ちだして、隣の国に売っちまおうと考えた。おかげでそいつを手に入れるチャンスが発生した。盗み出した盗賊? 誰だか知らんが、そいつに感謝だ。

 俺は聖剣の運搬ルートを知り合いから教えてもらってすぐに追いかけた。なんとかギリのタイミングで運搬チームに参加させてもらえた。


 で、話は戻ってさっきのが運搬チームのリーダーとの面接だったわけよ。このリーダーは、少しは出来るようだが、ぶっちゃけ俺に勝てる要素は一つも無い。

 やろうと思えばこの街で奪うことも可能だが、あんまり派手にやるのもマズかろう。旅の途中、人気が無くなったところでやるとするか。ははは、俺も遠慮って言葉を知ってきたんかな。


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