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TRPGリプレイ小説 「国境を越えて」  作者: えにさん
第二章 美貌の盗賊 【ディス】
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2-5 偵察しますよ

 その後はほぼ何も無いままに時間が過ぎていく。一番襲撃しやすい地点はもうすぐ終わってしまう。感じとして水の牙はあきらめちゃったっぽい。せっかくの隊列変更も意味なかったじゃん。

 アタシ的には普通に行動しているつもりなんだけど、真後ろにいるディオンの視線が熱い。すっごいマークされてる。これは完全に疑われてるなぁ。まぁ、正解なんで仕方が無いんだけどね。


 そしてたどり着いたのは吊り橋。うん。これは絶対的に狙いやすいロケーションだよね。でも、水の牙の気配は無い。ちょっと残念。


「どうします? 先行偵察やりますー?」


「そうですね。では、ディスさんとカイロウさんの二人でお願いします」


「はぁい。了解。じゃぁ、行こうか。カイロウさん」


「しゃぁねぇなぁ。これも代金のうちだよな」


「そう言うこと。さぁさ、ちゃっちゃとはたらけぇ」


 さて、一応まじめに見ておくか。こちらを狙う殺気は感じないけれど、それ以外に仕掛けがあるかも知れない。偵察中に吊り橋が落ちたとか洒落にならないもんね。

 吊り橋の長さは約八m。幅は1/2m。両岸の柱の間に掛かるロープを使って踏み板が組まれている。主ロープは片側上下二本づつ使われていて、上下の間を何カ所もロープで繋げてある。下段両サイドの主ロープも同様に繋がっているので、万が一途中でロープが切れてもすぐに落ちることは無い。柱は柱で頑丈な丸太が使われていて簡単には倒れないだろう。


 もちろん頑丈そうに見えるからって、いきなり渡るなんてしない。

 まずは柱と杭の強度。ナイフの柄を使って軽くたたいてみる。腐ってたり、折れそうな感じはしない。カイロウの様子を伺うと、彼も同意した。

 次に見るのはロープ。細くなったり切れそうになっている場所は無いか。ふむ、時間は経っているようだけど、しっかりとした物が使われていて問題ない。

 各ロープの継ぎ目、踏み板を1カ所ごと丁重に調べていく。

 結局不具合はみつからず反対岸まで渡りきってしまった。チッ。不具合の一つもあれば修復作業で時間が稼げたのに。


「なにも問題ないでーす」


「どうやらそのようだなぁ。これ作った人はしっかり者だ。いい仕事してやがんなぁ」


「了解した。では二人はそのままそこで待機。そっち岸の安全確保を頼みます」


「オッケー。任せといて」


「コーディは馬を引いてくれ。私は後ろで確認しながら押していく」


「了解っす。任せてくだせぇ」


「イェルム、リリー、キースは残って後方確認。リーブとクーナは私の後ろを付いてきてくれ」


「はい、わかりましたぁ」


「はいはい、後方確認。すればいいんだろ」


 そうして馬車はゆっくりと吊り橋を渡り出す。橋はちゃんとチェックしておいた。だから何も無ければ渡ることに問題は無い。けど問題は起きる。そんな予感があった。問題は誰がそれをやるか、なのよね。その気配を見逃さないように観察を続ける。

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