炬燵
十一月も後半。
めっきり寒くなってきたので炬燵を引っ張り出した。
パチリと電源を付ければじんわりと暖まってくる。
「あらっ!オアシスが出てるじゃない!!」
オアシスってなんだ。
「あー、やっぱりいいわー……。」
沁々という斑はすっぽりと炬燵の中に入っている。
蛇だからか?冬眠でもするのだろうか……。
「おい……、もっと詰めろ。狭い。」
「やぁーよぉー……あぁーっ……ぬくいわぁ……」
「………………」
大きめの炬燵のな筈なのにキツキツである。
それにしても、このまま斑が出てこなかったら飯はどうなるのだろうか………………
作れなくはないが、斑が作った方が断然旨い。
「……おい、飯は。」
「もう少しぃ……」
うとうととしている斑に焦りを感じる
本当に冬眠でもするのだろうか………………。
そうなっては春先まで炬燵を占領されてしまうし、飯が……………………
「斑、斑寝るな。」
「んー……………………。」
「俺の飯はどうなる。」
「作ってあるわよぉ………………ぬくい……」
作ってある…………のか。
飯はあるらしい。しかし、このままにしておいていいのだろうか。
良くない気がする。
「………………斑、」
「んもぉ……なぁに?」
「さ、」
「さ?」
寂しい……だろ
「え?…………は?」
「っぅ、…………なんでもない、寝てろ」
炬燵を抜け出す
顔に熱が集まってるのを感じながら、斑の作った飯を食べる
今度からは炬燵を出すのを止めるのを心に誓った