第12話:そして、無自覚な神(ファシリテーター)
ついに最終回を迎えました!ここまでお読みいただき、本当に、本当にありがとうございます。
本社を完全に沈黙させ、伝説の営業所となった後白くんたちの職場。
激動の大逆転劇から数ヶ月が経ち、あの「午後14時の会議」が再びやってきますが、そこにいるみんなの表情は……。
ちょっとだるい明日を、自分だけのゲームステージに変えるためのゴジラ流ハック、堂々の完結です。最後までどうぞお楽しみください!
大逆転劇から数ヶ月。
我が営業所は、大企業の本社から「伝説の最強特区」として称えられるようになっていた。
私を潰そうとした本社の役員たちは更怠され、代わりに現場主義を理解する新しい上層部が席巻した。そして、あのシニアの先輩は、最低賃金同然の冷遇から一転、現場の最高顧問として、誰もが敬意を払う真の重鎮として迎えられた。所長もまた、本社から「奇跡のマネジメントを行った名将」として表彰され、ニヤニヤが止まらない毎日を送っている。
若手も中堅も、今や自分の仕事に絶対のプライドを持ち、生き生きと目を輝かせて働いている。
そんなある日の午後14時。
かつては「地獄の朗読会」だった定例会議室は、今や新しいアイデアが飛び交う、笑いの絶えない作戦会議の場になっていた。
「――よし、じゃあこの新規案件のパスは、豊田くんに回すのがベストだな!」
所長が活気ある声で会議を締めくくる。全員が「よっしゃ、やるか!」と席を立つ。
そんな中、私はホワイトボードの前に立ち、みんなの意見を綺麗に構造化してマーカーでまとめていた。
(ふぅ……今日もいい会議だったな)
パチリとペンのキャップを閉める。
ふと振り返ると、窓際の席からコーヒーをすするシニアの先輩と目が合った。先輩は私を見て、フッと満足そうに、優しく微笑んだ。その背中には、もう自己犠牲の悲壮感はなく、ただ次の世代へ未来を託した男の、圧倒的な輝きだけがあった。
オフィスを出て、私はいつものようにランチタイムの残りの時間に、スマホを開いてお気に入りの漫画を読み始める。
「後白くん、本社の経営戦略会議のファシリテーターに君が指名されたぞ!」と、豊田先輩が興奮気味に走ってくる。
社内では、いつの間にか私の行動は「組織を救った神ファシリテーターの手腕」と神格化されているらしい。
だけど、本人はこう思っている。
(いや、俺はただ、脳内でゴジラ飼育しながら、みんなが楽しく仕事できるようにゴジラの言葉とパスを譲ってただけなんだけどな……)
くすぶっていたサラリーマンの明日に、小さな輝きを添えるための、脳内ゴジラ飼育員の日常は、これからもずっと続いていく。
(第12話・第1クール・完)
【ビジネス・自己啓発解説パート】
今日のゴジラ・ハック:【あなたの脳内に、ゴジラを飼おう】
全12話を通して私たちが学んできたのは、大層なキャリア論でも、自分を殺して組織に尽くす奴隷の哲学でもありません。「だるい仕事も、冴えない会議も、あなたの脳内次第で最高のエンタメ(無双ステージ)に変えられる」という事実です。
ユーモアで場を緩め、事前の仕込みで味方を作り、仲間にパスを回す。ルールの本質を見抜いてハードルを下げ、相手との齟齬を確認しながら、それを実践するだけで、あなたの仕事は「やらされる苦行」から「圧倒的に面白いゲーム」へと変貌します。
最後に、飼育員からのメッセージ
役職や賃金という、会社が決めた物差しに振り回されてくすぶる必要は一切ありません。あなたが他者のために絶妙なパスを出し、明日の輝きを誰かに添えようとしたその瞬間から、あなたは組織を動かす真のリーダー(ファシリテーター)なのです。
明日からのアクションプラン
さあ、ランチタイムが終わり、午後の会議のチャイムが鳴りました。スマホをポケットにしまい、デスクに向かいましょう。深く息を吸って、あなたの脳内のゴジラを呼び覚ますのです。――ピツ、ポンッ。さあ、次はあなたが無双する番です!
(『転勤したら脳内ゴジラ飼育員だった件』第一クール・全12話・完結)
「出来レースの会議をユーモアでハックする」から始まった後白君の物語、これにて堂々の完結です!
最後までお付き合いいただき、本当に、本当にありがとうございました!
読者の皆様の日々の仕事のストレスが、この物語を通じて少しでもクスッとした笑いや、「明日ちょっと試してみようかな」という輝きに変わっていれば、著者としてこれ以上の幸せはありません。
皆様の応援のおかげで、無事に最終回まで脳内ゴジラの熱線を届けることができました。
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皆様のこれからのサラリーマンウーマンライフが、最高に楽しくハックされたゲームステージになることを、心から応援しております。
また次の物語でお会いしましょう!本当にお疲れ様でした!




