束の間の休日を終えて
現在僕、桂 一名は入学式に向けて準備を進めていた、入学式の日は4月1日、そして12時から式が始まる。
「えっと入学式の後に書類を出すからその書類と後は寮生活のための荷造りがいるのと、後はやっぱり制服の試着だよなぁ」
ちらっと制服の方を見る。白のシャツに青を基調としたブレザーそして灰色のズボン、この制服は事前に身体情報を学校に送って仕立てたものらしい。
気だるそうに立ち上がり制服の方へ近づいていくと、新品特有の匂いが香る。
やっぱりこういう正装って違和感があるんだよなぁ、何回かお父さんに正装で連れ出されたことはあるけどやっぱりそれだけじゃなれないよな〜
大きなため息をしつつも服を脱ぎ、そして制服を身につける。制服を身につけた一名は、それなり決まっていて第三者視点から見ればかっこいいと思えるものである。が当の本人はというと。
「やっぱり似合わないよな〜、でもこれから3年間は一緒に過ごすもとい使っていくわけだし、、まぁ致し方ない」
とこの有様である、これまでの人生で自信を得る機会が皆無だったんだなぁと思うような心の持ちようであるがいったん置いておこう。
そんなことをしているとドアがノックされる。
「一名入るわよ、あら制服着てるじゃない似合ってるわよ〜。」
お母さんからの言葉を右から左へ流しつつもブレザーを脱ぐ。
「お母さん何の用?何か書類に不備でもあった?」
「いや書類は大丈夫なんだけど、入学したら寮で過ごすわけだけど、家具の追加とか必要ないかなって思ったから」
そんなことを言いながら部屋を見渡すお母さん。
一名の部屋はベッドと服などをしまうタンスと棚、勉強用の机と椅子が置かれていてそれ以外はゲーム機が部屋のそこらに設置されていた。
「相変わらず、ゲーム機の種類が多いわねぇお母さんそんなにあったらわかんなくなっちゃうわよ」
「そのセリフ部屋に入ってきたらほぼ毎回いうじゃん、家具はまぁある程度は学校側が用意しているらしいし、ん〜じゃあコーヒーメーカーとかの調理器具だけ頼んどいてもらっていい?」
「わかったわ、我が家にあるのと同じメーカーのを発注しとくわ、後寮にゲーム機を持っていくのはいいけど必要最低限にしないとゲームで部屋が埋め尽くされるから気をつけなさいよ」
そんな事を言いながらお母さんは部屋を出ていく。
お母さんが出ていって後の部屋を見ながら呟く。
「この部屋とも後3日でお別れかぁ、なんだか感慨深いものがあるなぁ」
小学生の頃から使ってきた1人部屋は綺麗に保たれているものの、そこには家族との思い出が詰まっていた。
「でもこれも社会に出ていくものの運命、てかいつでも帰ってこようと思えば帰れるしね」
夕焼けが差し込む部屋を眺める。
それから時は経ち一名の、一名達の学校生活が幕を上げる。




