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ぼっちの学校  作者: 水銀
第二章 心を紐解き心を開く
49/52

私はあなたと友達になりたい

「2人がかりでなんかごめんね?」

「そうですねまずは私もごめんなさい」

「どうしてこんなことに」

「そうですねまずは状況を簡潔にまとめましょうか」


それから状況の整理が始まる。

ことの発端は約二週間前、カフェ・リアにて一名(ひとな)氷柱(つらら)が一緒に勉強していたところに(こころ)が遭遇したことが始まりだった。彼女の好奇心といいなと思う感情が心を動かしこっそり2人を観察し始めるそれが先週の月曜日のことそれからも毎日、プライバシーを侵害しない範囲で心は2人の観察を続けていた。そしてそれが見つかったのが今週の月曜日、3日前の出来事それから気まずさや怯えにも近い感情で逃避行を続けて現在に至る。


「と、こんな感じでしょうか?」

「はい⋯⋯その節は本当にすみませんでした⋯⋯」


顔を逸らしながらも謝る心。


「それでは本題に入ってもいいですか?」

「本題?」

「はい、私はあなたに話したいことがあります」


息を整え真剣な表情になる氷柱その表情に自然と一名も心も氷柱の方を見る。


「私は正直初めは一名くん以外に興味がない⋯⋯いえ友達のいなかった私にとって周りの人のことを考えるのは無駄だと思っていました、だって人は第一印象で人の評価をつけてしまう、そしてその評価が変わることは限りなく“0”に近い、私は心の中でどこかそう思っていました、昔からそういう環境にいたから⋯⋯いえ私が踏み出すことを躊躇っていただけなのかもしれません、味方が1人もいない教室、私の陰口を言う人たちその環境を仕方ないと受け入れて一歩踏み出さなかった私、それらが絡み合った結果があの日々だったのかもしれません、その諦めにも近い感情のまま私はこの高校の受験に向かいました、でもそこで出会ったんです私の話を真剣に聞いてくれた私と同じで友人を作ったことがないというのに、暗い先も見えない人と人との繋がりの道に自ら一歩踏み出して、私の話を聞いて、友達なってくれました、そんな彼から学んだんです、例え結果がどんなに未知数でもやったことがないことでも自分から進むということを忘れてわいけないと、周りが見えなくても前を向いて一歩踏み出すと!」


数日前


「それでは氷柱さんはどうしたいの?」

「私は彼女と清水さんと友達になりたいんです!なぜなら⋯⋯」


現在


「なぜならあなたは私と同じで立ち止まって、でも自分で行動して私たちの近くに来てくれた、あの日あの場所で勇気を出して出て来てくれたから!私はあなたと友達になりたい!」


その言葉を告げたあと氷柱は答えを待つかのように心をじっと見つめる。

そして1分過ぎた頃。


「わっ、私も友達に⋯⋯なりたい、です」


小さな声でも表情から心の全力の回答だということが伝わってくる。


「本当に?」

「⋯⋯はい!」

「それなら心って呼んでいいですか?」

「それなら私は氷柱さん?」

「氷柱って呼んでください!」

「⋯⋯氷柱!」

「はい!」

「あの」

「何ですか?」

「ごめんなさい!今まで影からこっそりみるようなことして!」

「そのことですか」

「はい、自分がしたこととはいえ本当にすみません!」

「それなんですけど」

「はい?」

「それに関しては後で別で説教します!」

「そっそんなぁ〜〜〜」


そしてその日の一番大きな心の声が出たとともに2人に新しい友達が出来たのだった。

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