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ぼっちの学校  作者: 水銀
第二章 心を紐解き心を開く
48/52

一歩踏み出す

今日は4月30日、もう入学してから一ヶ月が過ぎようとしている。


「さて、準備は昨日済ませたし後は登校するだけ!とは言っても大丈夫かなぁ?氷柱(つらら)さんを手伝うと決めたけどトラブルとかが起きなければいいなぁ〜、ま、うだうだしてても仕方ない出発しますか!」


心配事は家に置いていき学校に向けて出発する。

一方氷柱は。


「準備は済ませたし、後は私の“覚悟“を決めるだけです」


自分の心に決心をつけて一歩踏み出し登校する。

そして全員が教室に到着し竹内(たけうち)先生が説明を始める。


「それでは本日は恐竜博物館に向かいます、月曜日のホームルームで渡した冊子に現地での行動について載っていますので何か困ったことがあれば言ってください、また県を超えての移動になりますので酔い止めなどはこちらでも用意しておりますので何かあれば私か藍沢(あいざわ)先生のところに来てください、ではそろそろ時間ですのでバスの方に移動しましょう」


説明が終わって移動をはじめる。

バスの運転手の人は前回と同じ人だった。

教師6名、生徒20名が乗ったのを確認してからバスが出発する。


恐竜博物館にはここから3時間くらいで着くんだっけ?


冊子を確認すると11時30分到着予定と書いてあった。


それならスマホでも見て時間を潰してようかな?確かイヤホンがカバンの中に⋯⋯。

流石に気になる、会うのも久々だけどそれよりなんでカーテンを開けてまで顔を隠すんだろう?前回はこんなことなかったのに、何かしたっけ?僕、それともやっぱり氷柱さんの言ってたやつなのかな〜?う〜んでも考えても仕方ない今日は氷柱さんのサポートに徹するって決めたし一旦はスマホに集中⋯⋯できるかなぁ?


さてそんなカーテンに隠れている(こころ)はというと。


どうしましょう、どうしましょう!!一旦カーテンの中に隠れたけれど桂くんから隠れるためとはいえ怪しさ満点です!!カーテンを捲られたりしたら一巻の終わりです!!


しかしあれこれ考えているうちに眠りについてしまう。

最近かなり体力を使う生活をしていたためか昨日今日のことを考えていたからか。


そして眠っているうちに恐竜博物館についてしまった。


あれ私いつの間に眠って?


「それではみなさん降りたらまず入り口に集合してください」


寝起きの頭をなんとか起こしながら先生の話を聞いて荷物をまとめる。

はっきり頭が起きた時には他の全員が降りていたので急いで降りる。


「それじゃあみんな〜ここからは私が説明していくよ〜!」


意気揚々と前に出てきた藍沢先生が説明を始める。


「あんまりいうとネタバレになるから言わないけどだいたいの見方を教えます!とは言っても大体は道順に沿っていけばいいよ〜で化石を見る点での注目ポイントは今の生物との違いに注目してみると面白いと思うよ〜あと!今後生物の授業で化石が出てくることもあるから何かにメモしておくのもいいかもね〜、それじゃあ説明終わり、最後に!時間とマナーを守って楽しも〜〜!!」


説明が終わりチケットが配られてそれぞれが入館していく。


それじゃあ私は隠れながら進んでいくとしましょう!


物陰などに隠れつつもしっかりメモを取りながら移動していく。


それにしても本当に人がいませんね、貸切とは聞いていましたがこんなに静かだとなんだか寂しいような気がしますね⋯⋯って!?あれは桂くんなら逆の方向に!


一名を見つけた瞬間に反転して移動する。


「ここまでこれば大丈夫ですね⋯⋯え」


顔を上げた先には氷柱がいた。

咄嗟の判断で逃げるがしかし氷柱が心の手を掴む方が早かった。


「離してください!中川さん」


小さな声でしかしはっきりと聞こえる声でそういう。


「待って!!」


氷柱が心に対してそう言うと心はその場に座り込む。


「あの〜大丈夫?」


すると一名がさっきの方向から出てきた。


「一体どういう?」


時は数日前に遡る。


「一名くんお願いがあります」

「どうしたの?そんなに改まって?」

「清水さんのことについてでどうしても協力して欲しいんです!」

「協力?」

「はい実はかくかくしかじかで」


心についてのことを話す。


「それで氷柱さんはどうしたいの?」

「私は彼女と清水さんと⋯⋯!」

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