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ぼっちの学校  作者: 水銀
第二章 心を紐解き心を開く
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お弁当

休みが終わって再び月曜日が始まる今日この日一名(ひとな)は朝6時に起床していた、その理由はもちろんお弁当を作るためである。


「さて!材料もお弁当箱も昨日買ったりもらったりしたし準備は万端作るぞ〜!」


並べられたのは卵、ウインナーなどのザ・王道食材たち。


「まずはだし巻き卵から!」


そうして着々とお弁当の中身を完成させていく。

最後にタコさんウインナーを入れて完成。


「よし!これで完成!それじゃあ袋で包んでカバンに入れてオッケーと!」


気がつげば現在7時すでに1時間が経過していた。


「あれもうこんな時間か?そろそろ学校に行く準備しないとな⋯⋯朝ごはんはお弁当のあまりでいいかな?」


制服に着替えて朝食を済ませ時間になるまで部屋でくつろいだ後登校する。

そして授業を受けていき、昼になり体育館裏に向かう。


「お待たせ氷柱(つらら)さん」

「いえそんなに待ってないですよ一名くん」


すでに到着していた氷柱さんの隣に座りお弁当を置く。


「さて食べようか」

「はい!とっても楽しみにしてました!!」


目を輝かせながらそういう。


「それじゃあどうぞ!」


二つのお弁当箱のうち片方を渡す。


「それでは」


お弁当を開けるとそこには。


「これは!」


中身は知っての通り王道食材を使っているため家庭的な感じに仕上がっている。


「ちなみに一名くんお箸って?」

「あっ!!」


うっかり入れるのを忘れていた。


「ごめん!今からとってくるよ!」

「いえ、作ってもらってるんですしそれくらい私が!」

「大丈夫すぐ戻るから待ってて!」


久しぶりに作ったからかそれとも最近は箸が用意されてることが多かったからか何にせよ急いで寮に向かう。

その後ろ姿を見届ける。


「一名くんったら案外おっちょこちょいなところもあるんですね」


笑いながらも目は笑っていないそれはなぜか。


「そこに隠れてる人出てきなさい」


指を刺してそこに誰かがいるかのようにいう。

2分経ってからやっと指を刺した方向から人が出てくる。

その人の名は清水 心(しみず こころ)氷柱もよく知る同級生の1人だ。


「なぜあなたが私たちを見ていたの?それもここ最近ずっと」


そう心はここ最近氷柱と一名が一緒にいる時“ス“から始まって“カー“で終わることとほぼ同じ行動をとっていた。


「⋯⋯⋯⋯」


しかし心から返事が返ってくることはない。


「返事はなしと」


今現在氷柱は初めて相手する人に対する態度で話しており、氷点下より冷たい目で心を見ていた。


「お待たせ〜、って清水さん!?」


その時タイミングよく一名が帰ってきた。


「ひ!桂くん!?」


そこでようやく心が口を開く。


「どうして2人が一緒に?」

「な⋯⋯なん⋯⋯なんでもありませんからー」


するとその場から猛スピードで走り去る心。


「いったい何だったんだ?」


走り去る心を見ながら疑問を浮かべる。


「何があったの氷柱さん?」


浮かんでいた疑問を氷柱さんに聞く。


「いえ、なんともないですよ、ただたまたま通り過ぎただけだと思います」

「そうなの?」

「はい」


口調が昔に戻っているため疑問は絶えないがそう言っていたので取り合いずお箸を渡して食べ始める。


どうして話しかけたのに答えてくれなかったのでしょう?


そう心の中で思う氷柱。


一方、心はというと。


「まさか見つかるとは思いませんでした」


屋上テラスまで逃げてきていた。


「それに話しかけられたの返せなかったですし」


重度の人見知りである心にとって初めて話しかけられるということはかなり重大な出来事で話すことができないのが今までも同じだった。

心の中で少しの後悔を持ちながらその日は誰よりも早く帰る心だった。

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