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ぼっちの学校  作者: 水銀
第一章 氷は溶けて笑顔となる
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友達との時間

2人で泣き笑いしているとそれなりの時間が過ぎていた。


中川(なかがわ)さん、集合の時間まであと15分ぐらいしかないよ!」

「え?、本当に?」

「早く行かないと間に合わないかも」

「ちょっと待って、こんな顔じゃなんて言われるかわからないよ」

「あ、確かにどうしよう」


今彼女は泣いたあと、目が少し赤いなんなら僕自身も少し嬉泣きをしたので少し赤い。


「じゃあ、えっとそうだ!藍沢(あいざわ)先生に連絡してみよう!」

「えっ、でも交換してるの?あっ、そっか」

「うん、この前のオリエンテーションの時に交換してるから、でも何て言えば」

「う〜ん、あっそうだ私から連絡してみるね」


何か自信があるようなので一旦任せてみる。


それにしてもなんだか口調がさっきより明るいというか?表情も豊かになったていうか


「わかったよだって、先に自由行動しておくよう言っておくって」

「ほんと!でもどうやって?」

「そのそれは⋯⋯」


少し恥ずかしそうにしながらスマホの画面をこちらに向ける。


「猫を見つけたので遅れます?」

「声に出して読まないで⋯⋯恥ずかしい」

「あぁだからこの前の土曜日路地裏で猫といたのか!」

「うっ、うん」

「じゃあ取り合いずこれで大丈夫なんだよね、じゃあ少しだけやりたいことがあるんだけどいい?」

「やりたいことって?」

「その〜一緒に写真を撮りたいな、なんて⋯⋯ほら鳥居とかも撮りたいからさ」


若干言い訳のように聞こえる口調でそういう。


「うん、いいよ!」

「本当に!」

「じゃあ鳥居のところまで行こう!」


そうして鳥居の下まで移動して写真を撮る。


「いくよ」

「うん」


初めての友達だからか、2人とも距離感がわかっていないためとても近い距離で写真を撮る。


「撮れた!どれどれ⋯⋯」


クスッと笑う、写真に映る2人はまだ目が赤かった。


「笑わないでくださいよ!一名(ひとな)くん!!」

「いやだってこれは、ってひとなくん?」

「はい、私友達ができたら名前で呼び合ってみたかったんです!」

「そうなんだ、それじゃあ僕も氷柱(つらら)さん?」

「はい!!」


満面の笑みでそう言う。


「それじゃあ、あっ僕も石持ち上げておこうかな?」


すると彼女は苦い顔をする。


「どうしたの?」

「いえ、まだ少し怖いと言いますか⋯⋯石とは言えど一度絶望に打ちのめされたきっかけですし、それに⋯⋯あんな醜態を見せてしまったのですから⋯⋯思い出しても恥ずかしい⋯⋯」


前とは打って変わって、ころころ変わる表情を見ながらも考える。


氷柱(つらら)さんにとってはトラウマになってるのか、でもそれなら!


「じゃあ行こう!」

「えっ!」


彼女の手を引っ張って石のところまで。


「この石がトラウマになってるなら今解決しよう」

「えっでもどうすれば?」

「だって実際に僕と友達になれたわけだし、未来は確定したものじゃないしほら!」


彼女の手を掴んで一緒に石を持つ。


「1人では無理でも2人なら、2人が無理なら3人で!全部1人で抱え込まなくていいんだよ!辛い時、何かに打ちのめされた時僕みたいに誰かが話を聞いてくれるし、そばにいてくれる、僕たちは1人じゃない、常にたくさんの人に支えられているんだから、なんて僕も最近まで1人だったんだけどね」

「やっぱり優しいですね⋯⋯よし!」


全身から精一杯の声を出す。


「ありがとうございます!これから少しずつでも歩んでいけそうです、例えそれがどんなに小さな一歩であったとしても、だってこうして今一名(ひとな)くんと出会えたんですから!」


自信と力強さに溢れた言葉でそういう。


「それじゃあ行きましょう一名(ひとな)くん、私たちもいっぱい見てまわりましょう!」

「うん!じゃあ行こっか!」


そうして歩み出す、先ほどまでとは違う表情で。


「いや〜いきなり猫って送られてきた時は驚いたけどまさか2人で来るとはね〜」

『すみません⋯⋯』

「別にいいよ〜だって先生今日はオフと変わらないからね〜」

「でも待っててくれたんですよね、ありがとうございます!」

「おや〜口調が少し変わってるね〜何か吹っ切れたのかな〜」

「はい!一名(ひとな)くんのおかげで吹っ切れました!」

「それはよかったよ〜、じゃあ〜この後の自由行動も頑張ってね〜あっあと私の部屋にはいつでもきていいからね〜猫ちゃんたちと待ってるからね〜」

「あっ、はい」


少し照れながら返す。


「じゃあ、いってらっしゃい〜」

『はい!!』

これにて第一章完!ほとんど説明パートでしたが次からは物語をどんどん進めていく⋯⋯予定ですので読んでくれたら幸いです!

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