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ぼっちの学校  作者: 水銀
第一章 氷は溶けて笑顔となる
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学校を見て回ろう! 其の四

「さてさて実験といってもまだ授業も始まっていないからねぇ、というわけで今回する実験はこちら」

ドドン!っと出されたのは砂糖と重曹と書かれた袋。

「ということで、お昼前ということでカルメ焼き作ろっか!」

(カルメ焼き?初めて聞いたな)

「説明は随時していくからまずはこれを着てね〜」

そう言われて渡されたエプロンを着る。

渡されたエプロンはそれぞれ猫が描かれているエプロンと犬が描かれたエプロンだった。

「それじゃあ実験始めようか!」


実験は主に藍沢(あいざわ)先生手動でテキパキ行われ、ところどころで僕たちが手伝う形だった。

「さてさて〜できたね〜」

出来上がったカルメ焼きは綺麗に出来上がった。

「それじゃあここで食べる〜?それともお持ち帰りする?」

「じゃあ僕は持ち帰ります」

続いて。

「では私も持ち帰ります、それと、、、」

すると彼女は藍沢(あいざわ)先生の近くに行き耳打ちした。

何かに納得した様子で先生が頷いた、質問が終わったのか席まで戻ってきた。

「お持ち帰りの準備できたよ!」

すると奥で作業してた野田(のだ)先生が2人分の袋を持ってきた。

「それじゃあ〜今日の実験はここまでということで片付けだけして解散しようか〜」

先生の指示に従って片付けはした。


「じゃあ次は授業で!」

「またね〜」

『それでは失礼します』

先生に挨拶をして科学実験室を出る。

階段に向かって歩いているとふと最初の疑問が蘇ってきた。

(なんで名前を知っていたんだろう?う〜んわからない、普通に入学式の時に聞いたから?でもそれだけじゃわからないと思うんだけどなぁ?)

しばらく聞くか聞かないかで悩んでいると、隣にいたらしいというか僕が歩いていくのと同時に一緒についてきた彼女が喋る。

「それでは(かつら)くんまた次の機会に」

そう言い三階へ向かう階段を登っていく。

「ちょっと待って」

咄嗟に口から言葉が出る。

「はい、なんでしょう」

すると彼女は止まってこちらを向く。

「なんで僕の名前知ってるの?」

(て、なんでこんなシンプルな聞き方しちゃったんだろう、もっとマシな聞き方があったはずなのに)

「なんで知っているのか?ですかそうですね」

表情が一切変わらないため何を考えているかわからない。

一抹の不安はありつつも答えを待つ。

「まず一つ、試験の日に試験者名簿を見たこと。二つ目は、入学式で校長先生が言っていたからです」

つい間抜けな顔になってしまった。

(常識的な理由だった、、、)

心の中で恥ずかしさのせいで苦悶しているが返事をしなければならないので心を整理する。

「教えてくれてありがとう、引き留めてごめんね」

「いえ」

そういって彼女は再び階段を登っていく。

僕は一瞬思考が停止していた。

(今口角が上がっていたような?)

疑問が心の中にあるまま僕は階段を降りていく。

別に見なくてもいい名簿をわざわざ見た彼女の行動を考えるとなんかいいですよね〜。

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