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ぼっちの学校  作者: 水銀
第一章 氷は溶けて笑顔となる
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New my room!

カードキーに書かれた数字[2Aー205]をみて2階のボタンを押す。


「いや〜しかし意外と綺麗でついつい楽しんでしまったな!」

「えぇ〜そうね!」

「も〜、大人なんだから多少は自制してよね!!」

「すまん!すまん!」


そこで、扉が開く。

綺麗に整備された広間に出ると白を基調としたホテルのような見た目の場所だった。


「えっと、こっちがBだから、あっちか」


三つの通路のうちAと書かれた方へ進む。


この寮の構造として、一階に教員の寝室、食堂、自習室、保健室などがあり2〜4階はA〜Dの通路がありそれぞれに10部屋ずつ備わっている。


「それじゃあ、入ろうか」

「そうだな!」

「えぇそうね」


2人と比べると僕はずいぶん落ち着いているが、それでも心の中でしっかりとワクワクしている。

部屋を開けるとそこには想像していたよりも大きな部屋が広がっていた。

備え付けのキッチンや風呂、トイレ、寝室などがありさらにはおそらく20人くらい入っても余裕のあるリビングが一番のポイントと言わんばかりに存在感を放っている。


『大きい「な」「わね」「な!」』


3人の全員がそう思うぐらいには大きかった。


「まじか、前の部屋より大きんだけど」


一体どのくらいのお金が使われたんだろうかと思う一方で押さえきれない興奮で靴を脱いで駆け出す。


「こっちも!こっちも!要望した通りのレイアウトになってる」


本棚もソファーもテレビも全て要望した通りになっている。

自分の部屋をほぼ再現された部屋は押さえていた感情を引き出すには十分であった。


なお、こんなに騒いでも防音の壁だから隣などには聞こえない。


ふと我に戻り、2人の方を見る。


「あらあら、あの子あんなにはしゃいじゃって」

「そうだなぁ!」


今までの行動に顔を赤く染める。


「じゃっ、じゃあ今日からこっちだからね、、、」

「そういえば、そうだったなぁ!健康に気をつけてな!」

「毎日ご飯を食べるのよ」


恥ずかしさのあまり半ば強引に2人と別れ心を落ち着かせる。


「よしっ!」


1人暮らしと明日から始まる学校生活に向けて決意を胸に込める。

これから一名(ひとな)の学校生活が幕を開ける。




一方、帰り道。


一名(ひとな)も今日から寮生活か、、家が寂しくなるな」

「大丈夫ですよ」

「そうだな!あいつの建てた学校だもんな!」

「えぇ」

「でもやっぱり寂しいな、、、」

「そうね、、、」


帰路にて静かに涙を流す2人の姿があった。

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