転校生の成乃さん
この小説は愛を知らない成乃凪紗が主人公と関わる度に愛を知ってゆく物語です。そして今回の1話では成乃凪紗が来たところで終了します。
俺は中学2年生の黒崎 玲悪。 [くろざき れお]
今日は何故か早めに学校に着いた。つまり俺が一番乗だ。
俺「つまらないし隠れて持ってきたスマホでもいじるか…他の奴らが来るまで精々20分くらいだろ。」
そうして俺はゲームを始めた。俺一人だけの教室なんて初めてだし、静まり返った教室を見ると特別感がある。そう思った瞬間、教室のドアが空いた。
俺「は……?」
教室のドアにはクールそうな女子が立っていた。
年齢は同じくらい。そして彼女は呟いた。
「あれ、教室間違えたかな。」
そう言って彼女は教室を出ていった。何とかゲームしているところを見られずに済んだ。
そしてその直後にクラスメイトが入ってきた。
威尊「おっ、れおじゃねえか。おっはー」
彼の名前は石蔵 威尊。(いしくら たける)
クラスの中心的な存在で、いわゆる“陽キャ”だ。“陰キャ”の俺とは真逆の存在だ。そして次々に彼の連れが入ってくる。そいつらも俺とは真逆だ。
そして次に女子達が入ってきた。さっきの女子が居なかったら今頃俺は見つかっていただろう。
クラスが段々と盛り上がり、そして混んできた。居場所がないうえに陰キャで嫌われ者の俺からしたら、この空気は最悪だ。だがこれが現実だ。
俺「現実を受け入れろってか…。」
紗奈「うわ…またあいつがぶつぶつ言ってるよ笑」
叶微「まじじゃ〜んきっも笑」
ガラガラガラッ
そして教室のドアが開く。ドアを開けたのはどうやら担任だ。
担任「お前ら席に着け。これから朝のホームルームを始めるぞー」
担任がそう言うとクラスが一気に静まり、全員席に着く。やはり担任の威力は凄い。
担任「ホームルームの前に、お前らに大事な話がある。新しい転校生が来たので転校生を紹介する。」
担任がそう言った瞬間、教室がザワつく。転校生くらいでなぜあんなに盛り上がれるのか不明だ。
担任「お前ら静かに!もう入っていいぞ。」
そして入ってきたのはとてつもなく綺麗な顔つきの女子だった。
俺「お、お前、さっきの奴じゃ……」
紗奈「うわっ、また喋ってる。空気を汚すなよ。」
担任「自己紹介できるか?」
凪紗「×××中学校から来ました。姫宮凪紗です。(ひめみや なぎさ)宜しくお願いします。」
俺「お前さっきの奴じゃ…」
そう小声で言うと姫宮さんがはっとした顔で俺を見る。そして目が合う。姫宮さんはとても顔が良く、綺麗な服を纏っている。まさに女優レベルの顔だ。
担任「んじゃ姫宮は空いてる席に座れ。黒崎の隣なんかは空いてるぞ。」
最後までご愛読ありがとうございました。宜しければ2話もお楽しみにしていて下さると励みになります。これから宜しくお願い致します!