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リルとの出会い

西に10日ほど歩くと大きな街道に出た。

街道があると言う事は文明があると言う事だ、ひとまず安心して歩を進めた。

しばらくその街道を進んでいると少し先に馬車が見えそこから悲鳴が聞こえた。


「きゃー」


駆けつけると馬車はゴブリン5匹ほどの群れに囲まれ、地面には男が3人倒れていた。

馬車の中から女性が叫ぶ声が聞こえる。


「誰か助けてください…!」


ゴブリン5匹程度なら余裕で倒せると判断した俺は助ける事にした。


「ファイア!!」


赤い炎が手から放たれゴブリンたちは一瞬で炎で包まれ、あっという間に消し炭になった。その瞬間当たりは静まり返り返った。倒れてる男達に目を落とすと、俺は深くため息をついた。既に命を落としている。

次に馬車の中に目を向けると、そこには若い少女がいる。見た目からして美しい。その顔を見た瞬間、心臓が少しだけ早く鼓動を打った。


「大丈夫か?」


声をかけると、少女は驚きつつも、ゆっくりと顔を上げた。瞳は大きく澄んだ翠緑色で、どこか儚げな雰囲気を漂わせている。銀色の髪が肩まで流れ、光に反射して煌めいていた。


「はい…助けていただき、ありがとうございました。」


彼女の声は震えていたが、その中に感謝の気持ちが込められているのがわかった。


「君、どうしてこんなことに…?」


少女は少し沈黙し、そしてゆっくりと口を開いた。


「私は、奴隷として売られるところでした…」


その言葉に、僕は驚き、さらに深く彼女の目を見る。枷をはめられた手首が痛々しく、彼女の過去がどれほど過酷だったかがわかるようだった。


「奴隷…」


言葉が出なかった。信じられない、こんな美しい少女が、そんな運命を背負っていたなんて。


「助けてくださって、本当にありがとうございます。」


「家族はいるのか?」


「父と暮らしていましたが、この男たちに殺されました。」


「悲しい事を話させてすまない。」


「いえ…」


彼女は悲しげな顔をして俯いてしまった。

若い少女がこんな悲惨な運命を背負っていると思うと俺は憤りを隠せなかった。

俺にできる事は少ないかもしれないが彼女を放っておく事はできないと思った。


それから俺とリルは近くの村まで一緒に行く事にした。幸い馬車は使えそうだ、中には金目の物が入っていたので村に着いたら売れば数日の宿代くらいにはなりそうだ。

そうして俺たちは村を目指し歩を進め始めた。

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