碑石と魔法
「痛てて…」
気がつくと辺りは暗闇に包まれていた、どうやら崖から落ちた衝撃で気を失っていたようだ。体が痛む中起き上がると、周りは不気味な静けさに包まれている。
落ちた崖の高さも分からないが安全に夜を越せる場所を探さなければならない。
俺は落ちてきた崖沿いに歩く事にした。
少し歩くと運良く洞窟が見つかった、ここなら風も凌げるし夜を越すのちょうどいい。
俺は中に入り岩壁に腰を下ろすと疲労のせいか直ぐに眠ってしまった。
目を覚まし辺りを見渡すと洞窟はかなり広い事に気づいた。
奥は真っ暗だが進んでみる事にした。
少し進むと眼前には息を呑む光景が広がっていた、そこはドーム状で中央には巨大な碑石があり、そこから神秘的な光で辺りを包んでいた。
無意識に碑石に足が吸い寄せられ、手を伸ばし碑石に指が触れた瞬間、体が蒼い光に包まれ頭に呪文の様な言葉が響いた。
「神の蒼炎」
思わず口に出すと手から蒼い炎が現れた。
「これは…魔法?」
驚きと困惑が渦巻く、まさかこんなものが使えるとはーーそう思った矢先背後から嫌な気配を感じた。
「ガルル」
昨日遭遇した青いゴブリンだ、やはり臭いで追ってきたのか?
ゴブリンは昨日と同じくこちらを威嚇している、恐怖で足がすくみ少し後ろにたじろぐとそいつは物凄い勢いでこちらに襲ってきた。
咄嗟にさっきの魔法を唱えた。
「神の蒼炎!」
すると蒼い炎がそいつ目掛けてて飛んでいき、瞬く間に炎に包まれ、消し炭のように崩れ落ちたーー勝ったそう思った時、体が黄色い光に包まれるまた頭に呪文の様な言葉が響く。
「足強化」
足にに力が湧いてくるのを感じ、走ってみた。
物凄いスピードで走れる!思った瞬間、俺は気を失った。