無色の虹VS元社畜現神童
俺とアーロスの試合が始まる。先に仕掛けたのはアーロスだった。
「《無弾》」
アーロスがそう唱えると空気の塊のようなものが俺に向かって飛んでくる。俺はそれを《反射》で跳ね返す。それと同時に俺は"もう一つの魔法"を複数仕掛ける。アーロスはそれを軽々と避ける。
「凄いね。その年で反射が使えるなんて。しかもここまで正確に跳ね返せるなんてね!」
「話してる暇はない。《身体強化》」
俺は全力で地を蹴り距離を縮め蹴りを放つ。アーロスはそれも避ける。
「魔法使いが近距離戦をするなんてね。」
「蹴り一撃入れられればいい程度の攻撃だったし、避けられるのは想定内だ。」
「そうかい。《無壁》」
透明な壁が俺を挟みつぶしに来る。俺はそれを《魔力妨害》で強制解除させる。
「普通の生徒じゃ死ぬぞ。」
「君は普通の生徒じゃないと思ったからね。それに実際君は死んでいない。」
「そうかい。《重力倍増》」
俺がそう唱えた瞬間アーロスはその場に倒れこむ。
「はは、重力倍増も使えるのか…彼女が言った通りBクラスの力じゃないね。《無帰》」
そう唱えるとアーロスは普通に立ち上がる。
「無帰…あんたが論文で発表した魔法だったっけか?」
「よく知ってるね。ありとあらゆる魔法を無に帰す。無属性最強魔法さ。」
「だが、それには弱点がある。魔力消費が激しいのと連発が出来ない。しかも発動してから30分間は無属性が使えない。」
「そうさ。だからここからは無属性以外を使わせてもらうよ。」
「かかってこいよ。」
「《火弾》」
火の玉が俺に飛んでくる。
「《水弾》」
俺は水の玉で消し飛ばす。アーロスが強い理由は無属性のおかげではない。全属性はある程度使えるための手数。そして一つ一つの威力が高い。だから二つ名付きの魔法使いになれた。つまりはここからが本番。俺は気合いを入れなおす。
「《土人形》」
俺は土で出来たゴーレムを操りアーロスを攻撃する。アーロスはその攻撃を軽く避ける。
「はは、凄いよ!2、3年生を合わせても君並の魔力操作の精度良い人材はいない!きっと現役魔法使いを合わせても数えきれるほどだ!」
「余裕ぶるなよ。《泥濘》」
俺がそう唱えるとアーロスの足元だけ泥になり足を捕らえられる。すぐに足を抜くが体勢は不安定。ゴーレムの攻撃をもろに食らう。だがすぐに立ち上がる。
「ほんとに凄い…泥濘…地面の土を泥にするだけの魔法…この魔法を使う魔法使いは少ない…なんでかわかるかい?」
「…場所が限られる。土がなければ効果がない。そして泥になる範囲が小さい。だから相手の足元を正確に狙わなければならない。」
「そういうこと…君はそれを楽々として見せた。凄いよ。でも俺は負けないけどね。《魔力妨害》」
その瞬間、俺のゴーレムが崩れ去る。ゴーレムを操れていたのは俺の魔力を通して動くようにしていたからだ。だから魔力妨害を食らえば形すら保てず崩れ去る。
「これは使いたくなかったんだがな…試すついでだ。実験台になってもらうぞ!《運命操作》」
俺は昨日の論文で書いた運命操作を使う。
「!?それは…そう言うことか!でもそれの弱点は抵抗されたら使えないことだろ?拒否だ!」
やはり見てるか。実験台にしたかったが…しょうがない。
「それじゃあこれで行くか。《無壁》《魅了》《運命操作》」
「?何をしたんだい?運命操作も魅了も僕には効かないよ。《業火球》」
アーロスはそう唱えるが発動しない。
「なんで!」
「使った魔力は無魔力となり妖精や精霊が自然魔力に戻す。それなら妖精たちを魅了すれば自然魔力を作らないように言ったらいい。そして無壁は魔力の流れすら止めることができる。
「それでも全ての自然魔力が消えるわけが…あ」
「気づいたか?運命操作は魔力消費が激しい。つまり無魔力をたくさん作るってことだ。だからすぐに自然魔力がなくなった。一発目の運命操作も自然魔力を限りなく消すためだ。」
「そういうことか…一発目で魅了と無壁を使えば俺はきっと警戒をしていた。だが二発目に使えば俺は決着を急ぐと踏んだわけか…」
「まあ、そもそも二発目ならお前はもう何もできないしな。」
「だが君にも手札はないだろ?」
「ある。てか、手札がなければこんなことはしない。」
俺は地を蹴り距離を縮める。
「物理攻撃か!でも魔法使いでそんなことをするなんてね。」
アーロスはその攻撃を軽々避ける。その瞬間爆発が起きる。その爆発をもろに食らいアーロスは倒れる。
「決着!」
アリスがそう言う。周りの生徒は口を開けている。俺をこんな状況にした本人のミスミですら驚いたような顔をしていた。




