クラス変更
俺は論文を書き終え魔法研究会に提出をしたのち眠りについた。ノールは気づいたら寝ていた。そして次の日。朝食を食べ終えてノールと一緒に学園に向かっていた。すると後ろから声をかけられる。
「スークじゃない。」
最近聞いた声だ。俺は後ろを振り返ると…
「ミスミか。お前はAクラスだろ?なんでここにいる?」
「Aクラスの寮から学園に向かうとここも通るのよ!」
「そうか…」
「二人は友達なの?」
「そんなもんよ。てかあんた誰?」
「僕はノール・クルードだよ。」
「ノールね。あんたもBクラスなの?」
「うん。」
「そう。そっちの教師はどんな感じなの?」
「こっちはなんかザ・教師みたいなやつだな。仕事のことしか考えてないように感じた。」
「そう…こっちは有名な『隻眼の魔法使い』アリス・ミントだったわよ。」
「凄い!二つ名持ちの魔法使いが教師なんて!うらやましいなぁ」
「Sクラスは『無色の虹』アーロス・クイロらしいわよ。」
「それ、本当か?」
「ええ、本当らしいわよ。」
アーロス・クイロ。ありとあらゆる属性の魔法を使えるのに無属性を好んで使う魔法使い。付いた二つ名が無色の虹。
「でも本当に凄いわよね。二人とも魔法研究会に入ってるはずなのにこっちを優先したらしいわよ。」
「なんでだろうね?」
そんなこんなで学園に着く。学園に入ってすぐにミスミとは別れてノールと一緒に教室に向かう。
「何の授業するんだろうね?」
「そうだな。どんな学習をするかとかの説明じゃないか?」
前世では最初はそんな感じだった気がする。この世界ではどんな感じなのだろうか…そして俺たちは教室で他の生徒と担任が来るのを待っていた。担任を待っている間、俺とノールはめっちゃ見られた。昨日のがかなり目立ったのだろう。すると担任が入ってくる。
「全員静かにしろー今から運動場に出る。」
「はーい。」
生徒のほとんどはなんで?って顔をしながら教師に従う。そして運動場に着くと他のクラスの生徒たちも集まっていた。
「全員集まったな?」
前でそう言ったのはアーロスだった。
「俺はSクラス担任のアーロス・クイロだ。今回みんなを集めた理由は複数名今のクラスに納得のいっていない生徒がいるそうだからな。もし上のクラスの奴に挑んで勝ったらクラスを交換してやる。自分にふさわしいと思うクラスに行ける機会を与える。まあ一々生徒の声を聞いてやることが出来ないからな。ここである程度クラスを確定させておきたい。それじゃあ今のクラスに不満があるやつは前に出ろ。」
すると数名の生徒が前に出ていく。その中にミスミがいる。
「Aクラスの君が出るなんて。そんなにSクラスに上がりたいのかい?」
「いえ、私が納得していないのは彼のクラスです。」
そう言ってミスミは俺のことを指差す。
「ふーん。そうなんだ。じゃあ君も前に出なさい。」
「出る出ないは自由なんじゃ?」
「これはクラスをある程度確定させるためだ。誰かが気になっていたらこっちとしても気になってしまうんだ。変わりたくないならわざと負けてもいいんだぞ?」
「はあ…」
俺は嫌々前に出る。
「それじゃあ全員自分の対戦相手を選べ。」
全員が解散する。俺は一人、前に残る。
「君は選ばないのかい?」
「もう選んでます。」
そう言って俺はアーロスを指差す。
「俺が戦いたいのはアーロス、あなただ。」
俺がそう言うと一瞬驚いた顔をするがすぐに笑顔になり笑い出す。
「あははは、面白いね。俺に挑むなんて…いいよ。それに俺が感じたクラスに君を入れたらいいだけだしね。それじゃあ俺と君の対戦は最後にして…それじゃあ1ペアずつ前に出て戦ってね。」
そして前に1ペアずつ出ては戦っていく。大体は上のクラスの奴が勝っていく。たまに下のクラスが勝つ程度だ。そして俺の番になる。
「さあ、最後だね。やろうか。」
「そうですね。」
「それじゃあ開始の合図をアリス先生、お願いします。」
「ええ、分かりました。それでは…開始!」
俺とアーロスの戦いが始まる。